感想メモ6.BEASTARS(漫画)


最終巻まで読んだので。

この作品は徹頭徹尾すごかったな〜!「違い」を動物、生き物としての種類の違いとして克明に描き出し、そこに友情や恋愛や家族、あらゆる「理解」は存在しうるか…というめちゃくちゃ面白く壮大なテーマだったし、それを過不足なく描き切ったと思う。最初から面白かったし最後まで減速なし!すごかった。絵もおしゃれで漫画表現も迫力あって全巻本当によかったな。

特に最終巻の話になっちゃうんだけど、とにかくルイがよかった…!いや、もちろんレゴシとハルもよかったしレゴシの考え方とか哲学とか覚悟の変化と変わらないものみたいなのがメインだと思うのでそれの良さはもちろん一番よかったんだけど。

ここから肝のネタバレなので未読の人は先に読んでほしいが…




ルイがかけがえのない恋をして、だけど人生を選んだ、それは愛ある選択だった…という感じが本当に良かったんだよな〜!!
どちらかを諦めるというとなんか幼心に辛いんだけど、切ないんだけど……諦めるという感じじゃなくて、ルイは父親と出会い、ハルと出会い、レゴシと出会い、シシ組と出会い、そしてジュノと出会い、ぐちゃぐちゃに回り道をしまくって変わっていった自分の人生と自分自身を深く愛していて、だからこそ諦めたんじゃなく別の方を選択したんだ、それは悲しいことではなく愛と希望と未来に満ちた答えなんだって感じで、でもそれは浅はかなスローガン的な煌めきじゃなくて、地に足がついた、深みのある優しい輝きで…なんかすごく…ルイがこの答えを出したってのがすごくよかった、萌えた〜

ハルとレゴシの選択もすごくよくて、多分本当にグロくて辛いみたいなこともきっとある、差別とか偏見とか、それだけじゃなく本人たちの相容れない違いとかで傷つけ合うこともきっとある、それでも一緒にいることを選ぼうよというのがは〜…よかった…となった。わかるよ…

特にハルが最後一回離婚したいそうじゃないと昔から狼に負け続けてる兎と一緒だって抵抗するところもすごくよかった、これもわかる、読みとして女という意味合いもあると思うんだけど、女が男に負け続けるみたいな恋愛の仕方は嫌だっていうのすごくわかる、これをこの形で描いたの本当にうまい!板垣先生!すごすぎ!となった。でもレゴシは総攻めっていうか…(論点のずれ)なので落ち方もすごく納得できた。

ほんとにずっと気分良く面白く楽しみに読めた作品だった!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?