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先輩方の苦労があったからこそ

 私たちが学ぶ教育というのは、ずっと同じではなく年々変わって行くことは当たり前なことである。この先も変わることになっている。特に2022年度から、高等学校に新学習指導要領改正が本格的に施行される。その内容では、主に教育課程の在り方が大きく変わることになっている。社会科でいうと、今まで学んできた「地理」「日本史と世界史」「現代社会」「倫理」「政治経済」といった科目名のところを新しく「地理総合」「歴史総合」「日本史探究・世界史探究」「公共」「倫理」「政治経済」ということになるわけである。細かな編成については以下の通り、示しておく。私が今まで身に付けた知識も大きく見直さなければならない時期である。現場の教職員も同じく、大きな変化に対応しなければならないところである。
(※文部科学省HPより引用)

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他にも色々とあるわけだか、これはあくまできこえる人と同じ日本全体の教育の背景である。では、きこえない人の教育的変遷とは何か。という視点において学ぶことはあまり知られていないということが多い。そこを私は、分かりやすく整理したいと思って第6回「聴覚障害教育とは①〜歴史変遷〜」を作成した。ぜひ視聴してもらいたいし、今後も具体的にもっと掘り下げて伝えて行く予定である。

またここで紹介している内容は、一般的に多く聞くことになる基礎的知識を入れているわけであるがよく見ると一言でいえば、

歴史は繰り返しされている。だから繰り返しにならず、教訓としていかに継続することが必要。

ということをみなさんに知ってもらいたいからである。例えば、きこえる人が分かりやすい身近な例といったら、「新型コロナウィルス感染症」である。実は、このウィルスというのも昔から数年おきにおいて、違った名前のウィルスなど感染症の歴史は存在していたということを知っているだろうか。

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(※朝日新聞「あさガクナビ」5月13日付より引用)

といったところが分かりやすい具体例を挙げてみたが、これをきこえない人の教育環境でどうなっているのか。という視点で学ぶことは少ない。その視点をよく掘り下げてみると実は、面白い発見があるのだ。

 「手話言語と口話法の考え方」は昔から世界各地においても似たような流れがあったということ。今の社会背景は、実は昔の背景に戻ろうとしているということ。手話が当たり前だったかもしれないという日本があったということを認識して欲しい。その上で、まだ将来的に手話がダメだというわけではなく教訓としてしっかり言語としての正しい理解という位置付けを普及していくことがこれから求められていく課題であるんだという問題提起が私たちの必要な学びであるんだということ。

 その歴史変遷をみんなで共有してもらいたくて、今回のテーマとした。実に歴史は面白いんだということを子どもたちにも知って欲しい。そういった意味では、新しい学問としてよく聞く『デフフッド』『ろう者学』という知識もろう学校において最も重要な位置付けであって欲しいと願っている。学校現場に関わる方々には、そのような最新の情報を学び実績を積み重ねるように努力することの行動を示して欲しい。

 そして私も一緒に将来の子孫に後悔させない社会づくりをしていく。つまり要するには、先輩方の苦労に感謝しながら、いかに引き継いでいくかということである。これは、きこえない人だけではなく、きこえる人にも同様であり、共生社会を作るにあたっての重要性ではないでしょうか。と私は考える。