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サウナとローカルディグ

サウナに出会うきっかけは天晴とチャンくんだった。

当時はサ道のセカンドシーズンのテレビ放送も相まってふたりの熱が非常に高かったのを覚えてるが、当時のあたしはプレゼンしてくれるふたりとの熱量にあまりにも差があり過ぎていた事や「おやじキャンプ飯」の近藤芳正に魅了されて気持ちがアウトドアに向かっていた事もあって(あれはあれで良いのでまたキャンプもしたいと思っている)サウナ熱が自分の中に起きる事はなかった。

それから1年ほどしてコロナも落ち着いたとある日。

あたしはめちゃくちゃに疲れていた。
どれくらい疲れてたかと言えば木更津キャッツアイの5話でぶっさんが「ダブル太陽だ!」って言って1週間寝てなかった時ぐらい疲れてたと思う。(体感ね)

その日は午前中で仕事もほぼ片付いたので、
午後から鶴ヶ峰の竜泉寺の湯に行き日頃の汚れも落とすべくアカスリとマッサージの予約を入れたんだが予約がいっぱいだった事もあって2時間後と言う事になった。

さて、どうしたものか...。それまでのあたしはお風呂に1時間も入れなかった。いちおう替わり湯にひと通り浸かっても30分と間がもたない。

熟考の末「サウナやってみっか」となった。
サ道は観てはいたので、1話のナカちゃんを思い出しながらコンフォートサウナインダハウス。

永遠に感じる6分間ではあったが、時間はたっぷりあるので心の中の渡辺裕之と西村和彦が何度も「ファイトーーー!!!」「いっぱーーーつ!!!」と声を掛け合ってくれた(リポDのcmのコンビはあたしの中ではこの2人が1番印象に残ってるのよ)おかげでなんとか持った。

そして水風呂。ここで水風呂最高じゃないかと言いたいのだが最初の感想は「心臓止まっちゃうよ」ってぐらいダメだった。ここも渡辺裕之と西村和彦のコンビで精神世界を切り抜けてもらってどうにか肩まで浸かって出た。

オーパ!!!(ポルトガル語で「あらまあ」みたいな意味らしい。じゃあ、藤沢のオーパはあらまあな場所なんだと知ったよね)不思議な事に水風呂を出た瞬間は別世界と言うかもう5次元ぐらいまで来たんじゃね?ってぐらい違った。
休憩中に観たビジョンはディズニーの「ダンボ」で出てくるサーカスのシーンのそれだった。

とにかく確実にあたしはあの時、並行宇宙を渡ったと思えるぐらい違ったしその日は取り憑かれた様にサウナに入ったおかげでアカスリのおばちゃんが読んでいるのにも気づかず整っていた。

アカスリが終わって少し湯に浸かろうと思い入ったところ点と線が繋がった。なんと言うか湯に浸かってても全然暑くないしなんなら気持ち良すぎて寝落ちしそうになった。

大喜る人達の「海を知らない人」ってお題でサツマカワRPGが「船はこれのためだったのかよ!!」って回答を思わず思い出した。

「サウナはコレのためだったのかよ!!!」

幼少期から風呂場に1時間、2時間もいる大人の気が知れなかった。30分ぐらいで早く出てファイブミニ飲もうぜ(あたしはファイブミニ派です)って思っていた。
齢37歳(思えばサウナを知る為の歳だった)にして合点がいった。
サウナで熱への耐性が出来る事で長湯が出来るのかと…。

そして何より優しい気持ちになれる。普段満員電車で一緒になったらちょっとごめんなさいなおじさんだって整い椅子で半笑いになってる顔見たら可愛くてしょうがない。休憩スペースはそんな多幸感で溢れている。

多幸感を味わう為に最初の頃は様々な温浴施設に通った。よく居るサウナーだったと思う。しかし、ある時からサウナだけじゃなくてそのサウナがある街を知りたいと思うようになった。

それまでも確かに美味しいラーメンや居酒屋やスナックがある街に行くみたいな事はあったが、単体のスポットにしかピントは合って無かった。
がしかしだ、サウナを知った事で点と線が繋がる様に街全体の営みを感じる事が出来る様になってきたのよね。

もう一回このセリフが出てくる。

「サウナはコレのためだったのかよ!!!」

一つの流れが見えてくる。

朝からか昼過ぎからサウナ〜町中華や洋食・定食なんかで昼呑み〜夕方散歩〜スナックイン

そんな中で一つ一つの街の魅力を地元の人から教わる。

なんて素敵な素敵な話だろう
こんな確かなことが
今もそばにあるなんて

思わずフィッシュマンズの頼りない天使の歌詞をパクってしまうぐらい全てに合点がいった。

親父含めて世のおじさん達はこうやって遊んでたのか!!!

知らない街なんてラーメン食うぐらいで1時間も滞在出来なかったのは温浴施設でサウナを知らなくてちょっと湯に浸かって出てたのと全く一緒でさ、サウナ知った事でその街で一日遊べちゃうんだよね。

以後はローカルな街ごとディグする事に明け暮れている。

noteを始めたのはそんなローカルディグの軌跡を残すことが主だと言うお話し。(森本レオのトーマスエンディングナレーション風で)



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