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ノリとバイブスとは?

あたしの事を良く知ってる人間ならわかると思うが、約束をして遊んだり呑んだりするのが苦手だ。

嫌って訳じゃないんだが、やはりどうにも苦手と言う表現が1番しっくりくる。
予定調和と言うか前もって決まってる事をするって言う事に魅力を感じない。

目的としていた事が達成した瞬間から何かが終息していく気がしてならない。

ワガママは充分承知なんだが、予定を決めても何をするかまではザックリしていて欲しいと言うのが本音だ。

あたしのホームタウン「さがみ野」と言う街にチャンくんと言う天晴と同じぐらいのbroが居る。

同じ90年代エモ・パンクを愛し、あたしにサウナとガンプラの良さを伝道してくれた最高な男だ。

ここまで書いているがあたし達は普段約束をして遊ばない。一緒に過ごせば楽しいのは重々わかっているが、いつだって偶然に出会い遊ぶ。

思いもよらない遊びのスタートがそこで切られ、どうなるか先の読めない時間を過ごす。

どうだろう?文字で見るだけでもワクワクして来ないか?

思い起こせば出会った時からそうだったと思う。
先にチャンくんと出会ったのは妻であった。

好きなカルチャーや言ってる事があたしとほとんど一緒な人が居ると興奮気味に話してたがピンと来てなかったのであえて会いに行くなんて事もしなかった。

それからしばらくしてからさがみ野のcribで陽気に呑んでその場に居た人とスターウォーズとアメリカンカルチャーの話しで盛り上がったんだが、その中でも一際ツボな話しをする要所で博多弁の出る青年と意気投合してALLとDESCENDENTSの話しで大いに盛り上がって何度も乾杯した。

あたしの悪い癖かもしれないがそうやって楽しいひと時を過ごした相手の名前や年齢を気にしない。

「私たちがバラと呼ぶものは、他のどんな名前で呼んでも、同じように甘く香るわ」
シェイクスピアのこの一節がリアルに頭にある。

年齢や名前は記号であって、最高な人間はいくつだろうが最高だし名前だって仮に「うんこ」だろうがピカピカに輝いてやがる。

そんな事を気にするぐらいなら最高なその瞬間を全力で楽しみたいと本気で思ってる。

後に帰って妻に最高な男に会った話しと特徴を話して彼がチャンくんだと言う事がわかったが特段連絡先を聞いたりもしなかった。だってそう言う人とは最高なタイミングでノリとヴァイブスで遊べると信じているからさ。

まあ、ある程度してからLINE交換したけど未だにやり取りはインスタのDMが多いくらいだ。

でもそれがあたしたちのノリとバイブスなのである。

少し話しは変わるがあたしの好きなNHKの番組に「最後の講義」と言うものがある。

著名人が今日がもしも人生最後の日なら何を伝えたいかを講義するそんな番組で、敬愛するヤマザキマリ先生やMJの回も良いんだけど、ダントツで喰らったのが柄本明の回である。

特に中学生の受講生に別所実の「小さな家と五人の紳士」の一幕を演じさせるところは色んな真理を突いている。

ただ段ボールに寄りかかって潰れると言う場面に様々な演出をして最後になんとも言えない演者も笑ってしまう空気の笑いが巻き起こる。

その後に柄本明はこう言う「もう一回今と同じ事出来る?」

とにかく凄いと思った。誰の目に見てもピークはその瞬間だと思った。

じゃあ舞台でピークに見せるのはどうやんの???

役者の領域を少し垣間見てそのヤバさに眩暈がしたがそれは一旦置いておいて、ピークについてだが様々なアドリブから生まれたのがわかった。

だからと言って同じ流れでは先程のピークを超える事も同等の域に行く事ももう出来ない事はわかる。再現性はない。

不安やうまくいかないかもしれないと考えながらも行ったアドリブが高いピークを作ったのに対して、一度出来て安心感を持った後の方が面白さは終息に向かって加速し始めている。

あたしが予定を決めて何かを行うのが肌感覚で苦手な事の理由が分かった瞬間であった。

確かに何か決まった日時に決まった内容もわかっているイベントがある事は退屈はしないかもしれない。

ただあたしは最高のピークがそこに生まれるとはどうしても思えない。

そんなあたしにとってのノリとバイブスのお話し。(どうしても締め方がトーマスになっちゃう)

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