あなたには、“逸脱する勇気”がありますか?
昨日は、サッカーのトレンドは日々変わって行き、そのトレンドによってストライカーに求められる役割・素質も変わってくる。
近年のサッカーは、より「システム化」が進み、洗練された戦術のもとプレーし、すべての能力においてアベレージ以上のモノが求められるという話をした。
「システム化」が進んだ影響は、ストライカーにも及んでいる。
以前までは、チーム内で唯一の「特別な存在」として認められ、居座る事ができた。ゴールという結果を持って帰って来さえすればそれでよかった。
だが、今はチームの一コマとして、すべてのプレーをハイクオリティーにこなさないといけない。
【模範的なFW】が求められる。
むしろ、【ストライカー】という言葉さえ、絶滅してしまうのではないかとも思われる。
そして、今日は、勝手に連載企画の二本目。
こんな今の時代だからこそ、どんな素質、気概がストライカーに求められるのかについて話したい。
【科学する事の出来ない“気持ち”の部分】
洗練された戦術、
すべてのプレーをハイクオリティーに。
様々なデータが駆使され、皆がある程度、同じ認識でサッカーをプレー出来るようになってきている。
そうすると、戦術と個人のレベルが拮抗し、「動かない」試合が生まれやすい。
そんな時こそ、
【科学する事の出来ない“気持ち”】が必要なのだ。
【逸脱する“勇気”】と、言い換える事もできる。
どういう事か。
今や、サッカーはある種の「情報戦」でもあるので、試合をする前から相手のプレー分析を行うことも出来るし、
サッカーが「システム化」された事によって、チームの決まり事やオーガナイズを忠実にこなしていけば、バランスを崩す事はないのだが、
対戦相手も同じ姿勢で望んでくる。
試合は拮抗しやすくなる。
皆が横一列に並んで、チームとして取るべきプレーを遂行していくのだから、お互いの力が均等にぶつかり合うことは容易く想像する事が出来るだろう。
【科学する事の出来ない“気持ち”】
【逸脱する“勇気”】
を持って、その状況を打破してくれるストライカーがいるのかどうか。
チームとしての決まり事から逸脱したプレーを選択し、遂行する勇気があるか?
拮抗しているということは、お互いのチームのエネルギーが正面からぶつかり合い、バランスが崩れないという事。
「動かない」
つまりは、誰かがそのバランスを崩す行動を取り、隙間を空けてあげないと、試合は終始拮抗したままだ。
バランスを崩す=チームの決まりとは逸脱したプレーを選択する。
個人の力で状況を打破してみせる。
もし、失敗すれば、批判の的になってしまうが、
成功すれば、その局面を打開する事の出来る【ストライカー】に成り上がる。
【“野心”溢れるストライカー】
Twitter上で、「現代サッカーにおいてのFWに必要不可欠な素質を選ぶとしたら、なに?」というアンケートを取ったところ、「得点への“野心”」への投票が一番多かった。
以前、Twitterでこのようなアンケートを取らせて頂いた。
日本サッカー界、もしくはJリーグには貢献的でバランサータイプのFWが多い。
チームの規律を守り、献身的にハードワークする模範的なFWだ。
チーム内でポジションを獲得する為には、必要な要素ではあるが、より高みを目指す為にはそれだけではいけない。
世の中は【野心溢れるストライカー】を渇望しているのだ。
このアンケートが、そんな世の中の欲望を示し表してくれている。
本当の高み、更に言うなら、世界で活躍する【ストライカー】はきっと、リスクや失敗等の概念を捨てて、冷静かつ情熱的にチャンスを伺っている。
すべてのプレーでアベレージ以上のパフォーマンスを発揮しながらも、チームとしての規律をしっかり守る。
そしてストライカーとして、忘れてはならない【得点への“野心”】を、持つことが出来るのか出来ないのか。
初心を忘れずにプレー出来るのか出来ないのかが、鍵となる。と筆者は思う。
次回は、そのようなストライカーを育成する為にはどのような取り組み、指導が必要なのか、考えて行きたいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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