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「鳩を飛ばすのは楽しい」
「公園とかでよく集まってるもんね」
「うちの近所の公園、絶対餌になるものないんだけどな」
「前に餌やってた人のこと覚えてんでしょ」
「悪い習慣だ」
「でもお前はそれ飛ばして楽しんでるから結果オーライだね」
「縁はめぐるってことでよろしいか」
「よろしい」
「じゃあ今度一緒に鳩飛ばしに行こうぜ」
「そんな軽めに行けるほどいつもいるの？」
「いるいる」
「もう覚えてるなんてもんじゃないな、本能で集まってるじゃん」
「そんだけ美味いものもらってたんだろうなぁ。それに比べて俺は」
「あ、比べちゃいけないとこ突こうとしてる。鳩よ？　相手」
「焼きそばパンしか食えない」
「おそらく焼きそばパンの方が上等だと思うけどそういう問題じゃないってことはその目を見てわかった」
「金払えよって話だよな」
「その分お前に飛ばされてやってんじゃないの」
「鳩より不自由どころか鳩に気を遣われている可能性すらあるわけ？　落ち込みそう」
「でもお前は漫画読んで笑えるけど鳩は漫画読めないし笑えないよ」
「確かに。勝ちですな」
「思い切り人間の土俵に持ち込んでるけどね。それでいいなら勝ちだね」