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【虹ヶ咲】高咲侑を好きになりたい【田中仁を信じろ】


虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会所属の高咲侑


配信主が、【2期12話】の侑を好きになれない理由は次の2点です。

  • 高咲侑は歩夢と背中を押しあっていない(理由①)

  • 高咲侑の無責任な発言(理由②)

配信ではこの理由に至る根拠を、人物の台詞や描写を引用しながらプレゼンされていたので非常にわかりやすく、すんなり配信主の主張を理解できました。
たしかにこの配信を見ていると、侑は無責任で歩夢と背中を押しあっていないと思えてきます。

しかし、理由①については配信主自身も感じていたように、もう少し議論の余地があると思ったので考えてみたところ、個人的な解釈としては、

  • 理由①について、侑と歩夢はお互いに背中を押しあっている

  • 理由②について、侑は無責任ではない

という結論になりました。

まずは、その根拠を簡単にまとめたのでご覧ください。

  • 理由①について「侑と歩夢はお互いに背中を押しあっている。なぜなら、ここでの「背中を押す」とは"最初のきっかけ"になることではなく、"最後の一押し"(=応援)をすることだから」

    1. 【2期12話】で、侑が「お互いに相手の背中を押してここまできた」と発言している時の映像は回想シーンになっているため、この回想シーンが侑(メタ的には田中仁)の認識している「お互いに背中を押しあっている描写」だと考えられる。

    2. この回想シーンは、侑と歩夢のどちらも既にやってみたいことが確立された後のシーンであるため、ここでの「背中を押す」とは、"最初のきっかけ"になることではなく、"最後の一押し"(=応援)をすることだと判断できる。

    3. 「背中を押す」が"最後の一押し"(=応援)という意味なら、侑と歩夢のどちらにも背中を押している描写がある。

  • 理由②について「侑は無責任ではない。なぜなら、「挑戦には応援が必要不可欠」だからこそ、侑は【2期12話】では歩夢に約束通り応援してもらいたかったし、【2期7話】では栞子に責任感のある応援の約束をしたから」

    1. 侑は、栞子にスクールアイドルを促す発言をするまでに、新しくやってみたいことに挑戦する時にはみんなの応援が何よりも力になることを、身をもって感じている。

    2. 挑戦をする時の不安を、みんなからの応援でいつも克服してきた侑だからこそ、【2期7話】では今度は応援する立場として、侑は栞子がやってみたいなら応援するよと約束をした。

    3. 「挑戦には応援が必要不可欠」だからこそ、侑は【2期7話】の栞子に対して「スクールアイドルに挑戦してみたいなら全力で応援するよ」と責任感のある約束をしたし、【2期12話】で作曲コンクールへの挑戦を歩夢に応援してもらいたかった。

    4. 【2期1話】で、侑は歩夢に「夢は違っても私はいつだって力になるからね」と応援の約束をしてもらっていたことから、侑には【2期12話】でも歩夢から応援してもらえるだろうと思えるだけの根拠があり、むしろ約束を破りかけた歩夢の方が無責任だと言える。

それでは以下より、この根拠について詳しく説明していきます。

また、この記事の後半には、

  • 番外編①:もし侑が一人で作曲コンクールへの挑戦ができたら、虹ヶ咲のテーマと矛盾する

  • 番外編②:侑が無責任だとするなら、せつ菜も無責任だと言える

という番外編もあるので、よければそちらもどうぞ。


補足


「侑と歩夢は背中を押しあっている」とか「侑は無責任ではない」とか断定していますが、あくまで私の解釈ではということであり、配信主の解釈が間違っているとは思っていません。
そして仮に、侑の行動に一貫性があったとしても、その侑を好きになれるかどうかは全くの別問題だと思います。
最終的には好みの問題でしょう。
そして当然、私の解釈にも穴がたくさんあると思いますが、この解釈が配信主にとって高咲侑を好きになれる一助になれば幸いです。

それでは、高咲侑への土下座謝罪配信を楽しみに待っていますね^^


①:「侑と歩夢はお互いに背中を押しあっている」根拠


まずは、理由①に対する私の結論「侑と歩夢はお互いに背中を押しあっている」根拠から説明します。


①-1:侑の台詞中の映像が回想シーンになっている


【2期12話】より引用

侑「多分、私と歩夢は同好会に入ってから、お互いに相手の背中を押してここまできたから、私が立ち止まっている時は歩夢がまた押してくれるって、勝手にそう思っているのかも」

【2期12話】より引用

疑惑のこの台詞から、侑自身は「今までの侑と歩夢は、お互いに背中を押しあいながらそれぞれ前へ進んできたから、今回も歩夢が背中を押してくれるだろう」と思っていたことがわかります。

そして、この台詞中に流れている映像は回想描写になっており、回想しているシーンは以下の2つ。

  • 【1期1話】で歩夢が『Dream with You』を歌った後のシーン(回想シーン①)

  • 【1期12話】で歩夢が『Awakening Promise』を歌う前のシーン(回想シーン②)

【2期12話】より引用(回想シーン①)
【2期12話】より引用(回想シーン②)

このことから、侑自身はこの2つの回想シーンを「侑と歩夢がお互いに背中を押しあっているポイント」だと認識している、と考えられます。

つまりメタ的に考えると、脚本の田中仁がこの2つの回想シーンを「侑と歩夢がお互いに背中を押しあっているポイント」だと認識しているとも考えられるのではないでしょうか。


①-2:「背中を押す」とは"最後の一押し"(=応援)をすることである


  • 回想シーン①は、侑が歩夢の背中を押した描写

  • 回想シーン②は、歩夢が侑の背中を押した描写

とするならば、考えなければいけない重要な点が1つ出てきます。

それは、この2つの回想シーンはどちらとも、侑と歩夢それぞれが新しい挑戦をやってみたいと"既に思った後"のシーンであるという点です。

【1期1話】より引用

歩夢「自分に素直になりたい。だから、見ててほしい。私は、スクールアイドル、やってみたい!

【1期1話】より引用

上記は【1期1話】で歩夢が『Dream with You』を歌う直前のシーンで、歩夢はスクールアイドルをやってみたいと宣言しています。
つまり、回想シーン①以前の時点で、歩夢は何かしらのきっかけがあってスクールアイドルをやってみたいと既に思っているわけです。

【1期11話】より引用

侑「あのね、歩夢に話そうと思ってたことがあるんだ。ただ、自分でも自信が持てなくて、もっと弾けるようになってからって思ってたら、時間たっちゃってさ」
歩夢「それってピアノのこと?」
侑「え?うん。それもあるんだけど…」
(中略)
侑「歩夢に伝えたかったのは、もっと先のこと。私ね、夢ができ…

【1期11話】より引用

上記は【1期11話】で侑が歩夢に押し倒される直前のシーンで、侑は(音楽という)夢ができたことを伝えようとしています。
つまり、回想シーン②以前の時点で、侑は何かしらのきっかけがあって音楽を始めたいと既に思っているわけです。

ここまでをまとめると、

  • 侑と歩夢がお互い背中を押しあっているポイントは、2つの回想シーンとして描写されている

  • その2つの回想シーン以前の時点で、侑と歩夢はそれぞれ何かしらのきっかけがあって既にやってみたい挑戦が確立されていた

ということになります。

つまり私が言いたいことは、「背中を押す」とは、必ずしも「あなたがやってみたい挑戦を思いつく、そのきっかけに私が関与している」必要はないということです。

「きっかけになる⊂背中を押す」という関係

図で表すと、「背中を押す」とは上図の緑の部分になります。

「きっかけになる」ことは、背中を押すためには絶対必要な条件というわけではなく「背中を押すことに含まれている」という関係なので、きっかけになっていなくても背中を押すことはできます。
また、「きっかけになる⊂背中を押す」という関係なので、背中を押したことが結果的にきっかけにもなっている場合でも問題ありません。

※私の解釈では、侑と歩夢はそれぞれきっかけにもなっていると思っていますが、話がややこしくなるのでここでは省略します。

行動しようかどうか迷ったり躊躇ったりしている人に、最後の一押しをする、決断を促す、などの意味で使われる表現。

背中を押すとは? わかりやすく解説 - Weblio辞書

前に進むのをためらっている人に、励ましや助言を与えて踏み出させる。

背中を押すせなかをおす - 広辞苑無料検索 - Sora

辞書をみても、"最初のきっかけ"になるというよりかは、勇気や自信よりも不安が勝っている状態で既に悩んでいる相手に対して応援で"最後の一押し"をするという意味合いが強いように思います。

つまり、ここでの「背中を押す」とは"最初のきっかけ"になることではなく、"最後の一押し"(=応援)をすることなのではないでしょうか。


①-3:背中を押す=応援なら、侑と歩夢がお互いに背中を押しあっている描写がある


「背中を押す」が"最後の一押し"(=応援)をするという意味であるなら、侑と歩夢がお互いに背中を押しあいながらそれぞれ前へ進んできた描写はあります。

2つの回想シーンの前後を確認してみると、侑と歩夢の会話がきれいな対比構造になっている描写がありました。

【1期1話】より引用

歩夢「今はまだ、勇気も自信も全然だから、これが精いっぱい。私の夢を一緒にみてくれる?」
「もちろん!いつだって私は歩夢の隣にいるよ」

【1期1話】より引用
【1期12話】より引用

侑「曲作りにチャレンジしてみたんだけど、今の私にはここまでが精いっぱい
歩夢「そんなことないよ侑ちゃん」
侑「えへへ、そう?」
歩夢「うん!とってもステキだと思うよ」

【1期12話】より引用

この2つの描写は、

  • 新しい挑戦を決意している側は、やってみたい気持ちはあるものの不安を抱えながら「今はまだここまでが精いっぱい」と言うのに対して、

  • 新しい挑戦を決意されている側は、相手の挑戦を肯定・応援している

という点で対になっており、似たような言葉を使った描写できれいな対比構造になっています。

このことから侑および仁は、この2つのシーンを「侑と歩夢がお互いに背中を押しあっているポイント」だと認識しているのではないでしょうか。

つまり、ここでの「背中を押す」とは、やってみたいことに挑戦する"最初のきっかけ"になることではなく、

『不安を乗り超えられるようにあなたのやってみたい挑戦を肯定・応援すること』

ということになります。

具体的には、

  • 歩夢は、不安もあるスクールアイドルを始めるための"最後の一押し"として、侑の「もちろん!いつだって私は歩夢の隣にいるよ」という肯定・応援の言葉をもらったからこそ、安心してスクールアイドルを始められたし、

  • 侑は、不安もある音楽を始めるための"最後の一押し"として、歩夢の「そんなことないよ侑ちゃん。とってもステキだと思うよ」という肯定・応援の言葉をもらったからこそ、安心して音楽を始められた

ということです。

【2期12話】より引用

歩夢「侑ちゃん!私、年が明けたらスクールアイドルはすごいって伝えるために留学してくる!」
侑「えっ、うえぇーーー!」
歩夢「驚いた?侑ちゃんもどんどん進んでくれなきゃ置いてっちゃうんだから。もし失敗したら励ましてね。私もそうするから!
「うん。私も決めた!作曲コンクールに参加して自分を試してみる!」

【2期12話】より引用

そして【2期12話】の上記シーンも、既に新しく挑戦したいことがある侑と歩夢は、「何があっても私はあなたの隣で応援するよ。だからあなたは安心して新しいことに挑戦してみなよ。もし失敗しても私が励ますから。」と、お互いに背中を押しあっていることになります。

【2期12話】より引用

彼方「背中を押して距離が離れたって、押してくれた手のぬくもりは残るよ。二人ならきっと大丈夫!」

【1期12話】より引用

もちろん「あなたの隣」というのは物理的な意味ではなく、たとえ物理的に距離が離れていたとしてもこの想い(=応援)は届くし変わらないよ、という精神的な意味であり、それを彼方は「押してくれた手のぬくもりは残るよ」という言葉で表現しています。

つまり、【2期12話】は再度お互いに背中を押しあっている描写となっており、1期の回想シーンときれいな対比構造にすることで【2期12話】をまとめています。

以上より、私の解釈としては、

  • ここでの「背中を押す」とは"最初のきっかけ"になることではなく"最後の一押し"(=応援)をすることであるため、

  • 【2期12話】での侑の台詞の通り「今までの侑と歩夢は、お互いに背中を押しあいながらそれぞれ前へ進んできた」と言える。

という結論になりました。


②:「侑は無責任ではない」根拠


それでは、本題である理由②に対する私の結論「侑は無責任ではない」根拠を説明していきます。


②-1:侑は、挑戦には応援が何よりも力になることを知っている


まず、侑は栞子にスクールアイドルへの挑戦を促す発言をするまでに、「新しくやってみたいことに挑戦する時には応援が何よりも力になる」と身をもって感じています。

【1期13話】より引用

しずく「音楽科に?確かにうちは学科も多くて転科も認められてますけど」
彼方「思い切ったねー侑ちゃん」
侑「うん。きっかけをくれたのは歩夢。そしてみんなが私に勇気をくれたんだよ
かすみ「かすみんたちが?」
「スクールアイドルを頑張っているみんなを見てたらね、本当にやってみたいことはとにかくやってみようって思ったんだ!」

【1期13話】より引用

【1期13話】の冒頭で、侑はスクールアイドルを頑張っているみんなの姿から勇気をもらったことで音楽科への転科を決意したと、同好会のメンバーに伝えます。

【1期13話】より引用

「やってみなよ、ゆうゆ!応援するからさ!」
せつ菜「ステキな夢だと思います」
しずく「私たちにできることがあったら、何でも言って下さい!」
エマ「そうだ!寮に音楽科の子がいるから話聞いてみよっか?
璃奈「私、試験問題の傾向と対策考える」
かすみ「か、かすみんだって、侑先輩のためにいろいろしてあげるんですからね!
侑「みんな、ありがとう!」

【1期13話】より引用

そして、侑の決意に対する同好会のメンバーの返答が上記です。
新しい挑戦での不安を乗り超えられるように、侑のやってみたいことを肯定・応援しています。

この応援があったからこそ、侑は安心してやってみたいことに挑戦できたわけです。

【1期13話】より引用

しずく「私たち同好会は、グループとしてではなく、一人ひとりがやりたい夢を叶えるスクールアイドルとして歩き始めました」
果林「一人で夢を追うことは簡単ではなくて、それぞれがそれぞれの壁にぶつかったけど」
エマ「その度に誰かが誰かを支えて今日、ついに大きな夢を叶えることができました」
彼方「私たちは、一人だけど一人じゃない!」
せつ菜「今までみんなに支えてもらった分、次は私たちがみんなの夢を応援します!」
歩夢「これからも、つまずきそうになることはあると思うけど、あなたが私を支えてくれたように、あなたには私がいる。この想いは一つ!だから全員で歌います!」
全員「あなたのための歌を!」

【1期13話】より引用
【1期13話】より引用

名前を呼ぶ声
聞こえてくる度に

高鳴ってく鼓動
強くね なれるんだよ

『夢がここからはじまるよ』より引用

また、

  • 【1期13話】のラストステージでの台詞と、

  • 『夢がここからはじまるよ』の歌詞

からも、「私たちの夢は一人ひとり違うけど決して一人ではなくて、あなたが私の名前を呼んで応援してくれるから私は強くなれる」ことが読み取れます。

これは、それぞれ夢が違うソロのスクールアイドルとして活動している9人だけではなく、音楽という違う夢を持っている侑にも当てはまるでしょう。

このことから、(同好会のメンバー全員を含む)侑は、栞子にスクールアイドルへの挑戦を促す発言をするまでに、「新しくやってみたいことに挑戦する時には応援が何よりも力になる」と身をもって感じていると言えるのではないでしょうか。


②-2:応援で不安を克服してきた侑だからこそ、侑は栞子を応援した


【2期3話】より引用

歩夢「侑ちゃんのやりたいことを、やってみたらいいと思う
侑「でもそれだと…」
しずく「大事なのは、侑先輩が満足できるかどうかじゃないでしょうか」
せつ菜「必ずしも、正解を出すために頑張らなくてもいいと思います」
彼方「やってみて、ダメならダメでいいじゃない
璃奈「侑さんらしい曲を聴いてみたい

【2期3話】より引用
【2期3話】より引用

こんな時にも君がいれば
ほっとする

だから
だから明日も見上げよう
ここで君と

『NEO SKY, NEO MAP!』より引用

【2期3話】の自分らしさについて会話するシーンも、同好会のメンバーは侑に対して「私たち(同好会のメンバー)はいつだって侑の味方だから、やりたいことをやってみなよ」と肯定・応援しています。
この応援があったからこそ、侑は音楽科の課題で求められているものではなく、自分のやってみたい音楽である『NEO SKY, NEO MAP!』を演奏できました。

つまり、新しくやってみたいことに挑戦する時の不安を、みんなからの応援でいつも克服してきた侑だからこそ、【2期7話】では今度は応援する立場として栞子の背中を押したのではないでしょうか。

侑目線で「栞子は今でもスクールアイドルをやってみたいと思っている」と思える根拠はあります。

【2期7話】より引用

薫子「高校生になったら絶対スクールアイドルやるんだって言ってたんだよ」
(中略)
薫子「これは姉の勘なんだけど、あの子のやりたいって気持ちは変わってないと思うんだよね」

【2期7話】より引用
【2期7話】より引用

愛「もし今でもやりたいんなら、私たちは大歓迎だよ」
栞子「そこまでです。私はスクールアイドルはやりません。もう、諦めましたので
歩夢「諦めたって、どうして?」
栞子「おっしゃる通り、私がかつてスクールアイドルに憧れていたのは事実です
(中略)
せつ菜「両方やればいいじゃないですか。三船さんだって私に」
栞子「それはあなただからできることです!身の丈に合わないことに入れ込むより、向いていることだけに全力を尽くす。そうすれば、みなさんの役に立てるし喜んでもらえます。それが間違っているとは思いません」

【2期7話】より引用

薫子と栞子の台詞から、「栞子は今でもスクールアイドルをやってみたい気持ちはあるけど、それは私の身の丈に合わないことなので、諦めて自分の向いていることだけをしている」ということが読み取れます。

【2期7話】より引用

栞子「私にできるでしょうか?」
せつ菜「大丈夫です。そばにいますから」
「三船さんの中のトキメキ、信じてあげて」
果林「やりたい気持ちがあなたにあるんなら、それだって十分適性なんじゃない?」

【2期7話】より引用
【2期7話】より引用

栞子「どうですか?」
薫子「まだまだ練習が必要ね」
栞子「わかってます」
薫子「けど、私は大好きよ!」

【2期7話】より引用

栞子が今でもスクールアイドルをやってみたいと思っているだろうと感じたから、侑(同好会)と薫子は、新しい挑戦での不安を乗り超えられるように、栞子のやってみたいことを肯定・応援しました。

ここまでをまとめると、

  • 侑は、新しい挑戦には応援が何よりも力になることを知っていて、

  • だからこそ、侑自身が応援することで栞子の力になりたかった

という理由で、侑は栞子を応援したと言えるのではないでしょうか。

※ちなみに私の解釈としては、侑(同好会)の栞子への発言は「やってみたいならやるべき」と強制しているのではなく、「やるなら私たちは応援して力になるよ」と約束をしているだけだと捉えています。
侑(同好会)は、ただ自分たちの気持ちを栞子に伝えているだけなので、仮に栞子がスクールアイドルをやってみたいと思っていなかった場合は、栞子は「はいそうですか。でももう未練はないので私はやらないですけどね」となるだけです。
そのため侑目線で、栞子がまだスクールアイドルをやってみたいと思っているという明確な根拠がなくても、別に問題はないと思っています。


②-3:挑戦には応援が必要不可欠だから、侑は栞子を応援したし、歩夢に応援してもらいたかった


ここまでが前提条件です。

問題は「ではなぜ侑は、他人にはやってみたいならやればいいじゃんと言うのに、自分のやってみたいことはやらなかったのか」です。

  • 「他人にやれと言うなら、自分もやるべき」だし、

  • 「自分がやらないなら、他人にやれと言うべきではない」でしょ

というのが、配信主が侑を好きになれない点だと思います。

しかし、ここまでの私の解釈をふまえると、最大の疑問点である「なぜ侑は作曲コンクールに参加しなかったのか」という理由はひとつに絞られます。

その理由とは、

『歩夢の応援がなかったから』

です。

ここまで説明してきた通り、虹ヶ咲は1期から一貫して「みんなが応援してくれるから、私は不安を乗り超えてやってみたいことに挑戦できる」という描写がされてきました。

TVアニメ1期スペシャルPVより引用
TVアニメ1期スペシャルPVより引用

「超えたい、みんなと。超えたい、私も。」

TVアニメ1期スペシャルPVより引用

これは裏を返せば、「みんなの応援がなければ、私一人では不安を乗り超えられずやってみたいことに挑戦できない」とも言えるでしょう。

【1期1話】より引用

侑「自分の夢はまだないけどさ、夢を追いかけてる人を応援できたら、私も何かが始まる!そんな気がしたんだけどなぁ」

【1期1話】より引用

私の解釈では、虹ヶ咲の最重要キーワードは"応援"で、

  • 私がみんなを応援する時もあれば、

  • みんなに私を応援してもらう時もある。

そういった、「私とみんなの応援の循環があるから、私たちは不安を乗り超えて、自分を表現するための新しい挑戦ができるんだ」というのが虹ヶ咲の最重要テーマだと思っています。

TVアニメ2期スペシャルPVより引用
TVアニメ2期スペシャルPVより引用

「応援してくれる、みんながいるから。私たちは、ここにいる。」

TVアニメ2期スペシャルPVより引用

そしてこの「私たち」とは、同好会のメンバーだけでなく、ラブライブの大会を目指すスクールアイドル全員も含まれているのでしょう。

【2期12話】より引用

ファンのみんな「頑張れー!スクールアイドルー!」

【2期12話】より引用
【2期12話】より引用

美咲「これはちょっと」
ラクシャータ「きちゃいますね」
咲良「すごく勇気出ました」
遥「はい!私たちは一人じゃない!
姫乃「私たちも応援してますから。いってらっしゃい!」

【2期12話】より引用

スクールアイドルフェスティバルの趣旨に賛同して参加してくれたり、応援してくれたスクールアイドルやファンのみんながいたから、【1期13話】で虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、ソロのスクールアイドルとして自己表現ができました。

そして【2期12話】では、ラブライブの大会に出場するスクールアイドルのみんなが、グループのスクールアイドルとして自己表現ができるように同好会はファンとして応援したわけです。

文字通りスクールアイドル全員を応援しているわけなので、「頑張れスクールアイドル」という台詞になるのも納得できます。

1期PVより引用
2期PVより引用

「仲間」で「ライバル」!?「ライバル」だけど「仲間」!!

1期PV、2期PVより引用
【2期12話】より引用

彼方「スクールアイドルはそれぞれ学校が違うし、ファンもそれぞれやりたいことは全部違うけど、それでも同じものを好きになれば仲良くなれるし、力を与えあえる。突き詰めると、みんな根っこは一緒で、大切な人を応援できる友達なのかもね。歩夢ちゃんと侑ちゃんみたいに!」

【2期12話】より引用

つまり、同じもの(ここではスクールアイドル)が好きな人同士というは、

  • 「ソロ」なのか「グループ」なのか、

  • 「東雲」なのか「藤黄」なのか、

  • 「主役」なのか「ファン」なのか、

  • ラブライブに出場「している」のか「していない」のか、

そういうことは一切関係なく、誰しもが「仲間でライバル」で「ライバルだけど仲間」であり、大切な人を応援できる友達だということです。

「スクールアイドル全員がベストを尽くして頑張れ」という気持ちは、ラブライブの大会に出場していない虹ヶ咲のファンだけでなく、東雲や藤黄、紫苑といった出場校それぞれを応援しているファンたちも同じはずです。

そして、「私たち」というのはスクールアイドルだけでなく、虹ヶ咲に登場している名もなき人物全員も含まれているのでしょう。

【2期8話】より引用
【2期8話】より引用
【2期8話】より引用
【2期13話】より引用

侑「同好会を始めてから楽しいことばっかりで、こんな幸せでいいのかなって。でもね、これってきっと特別なことじゃないんだと思う!みんなだってそうだよ!もう走り出してる人もいっぱいいるはずだし!向いてないとか、遅いとか、そんなの全然関係なくって、うまくいかないこともいっぱいあるかもしれないけど、その時は私たちがいるから!元気が欲しい時は会いに来て!

【2期13話】より引用

スクールアイドルだけではなく、やってみたいことがある人は催し物や出店などを通して、それぞれがそれぞれのやってみたいことを応援しながら、応援してもらいながら自己表現をしています。

【2期13話】のライブは、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のライブなので、同好会のメンバーが主役でそれ以外はファンとして描かれていますが、今回はファンだった人たちも、どこかの時どこかの場所では主役となって、ファンに応援してもらいながら自己表現をしていることでしょう。

実際に【2期12話】では、ラブライブの大会に出場するスクールアイドルが主役となり、【2期13話】のライブで主役だった同好会のメンバーは、ファンとしてスクールアイドル全員を応援しています。

つまりここまでをまとめると、「新しくやってみたいことに挑戦するためには応援が必要不可欠」で、この応援の循環があるから、私たちは今ここにいられる(=不安を乗り超えてやってみたいことに挑戦できて自己表現ができている)ということです。

※「挑戦には応援が必要不可欠」というのは、あくまでも虹ヶ咲の世界での話であって、現実世界で「挑戦には応援が必要不可欠」かどうかは関係ありません。

【2期12話】より引用

侑「多分、私と歩夢は同好会に入ってから、お互いに相手の背中を押してここまできたから、私が立ち止まっている時は歩夢がまた押してくれるって、勝手にそう思っているのかも」

【2期12話】より引用

そしてもちろん【2期12話】の侑もこの「私たち」に含まれているわけで、応援が必要不可欠だからこそ侑は栞子を応援したし、今まで侑と歩夢はお互いに背中を押しあってここまできたからこそ、今回も侑は作曲コンクールという新しい挑戦での不安を克服するために、必要不可欠である応援を歩夢に期待していたのではないでしょうか。

ここまでをふまえて私は、【2期7話】と【2期12話】の侑の行動は、

  • 他人には挑戦を促すのに自分は挑戦しないという、一貫していない「無責任」な行動ではなく、

  • 他人にも挑戦に必要不可欠な応援をしたし自分も挑戦に必要不可欠な応援をしてもらいたかったという、一貫していてる「筋の通った」行動である

と解釈しています。


②-4:侑は歩夢から応援してもらえるだろうと思えるだけの根拠がある


ただし、この「侑が歩夢の応援を期待した行動は、『私はあなたを応援したんだからあなたも私を応援してよ』という、見返りを求めた自分本位な行動だと言えるのでは」という議論の余地があると思いますし、大きく好みが分かれるポイントだと思います。

※ちなみに私は、「人間というのは、挑戦に必要不可欠な応援を求める時もあれば与える時もあって、その『応援の循環』があるから私たちは新しくやってみたいことに挑戦できる」というのが虹ヶ咲の描きたいテーマだと解釈しているので、この侑の行動を自分本位だとは思っていません。

【2期12話】より引用

歩夢「作曲コンクール、応募するの?」
侑「うーん、興味がないわけじゃないけど、今はいいかな」
歩夢「なんで?」
侑「私は、ただやりたいって思って音楽を始めただけで、本気で作曲家の道を目指すかどうかなんて、あまり考えてないし」

【2期12話】より引用

しかし上記シーンで、侑は歩夢に「作曲コンクールに少しでも興味があって、やってみたいなら挑戦してみなよ。私が応援してるから。」と背中を押してもらえると思っていたはずです。

なぜなら【2期1話】で、侑は歩夢に約束をしてもらっていたから。

【2期1話】より引用

歩夢「侑ちゃん、夢は違っても私はいつだって力になるからね

【2期1話】より引用

【2期1話】で、侑は歩夢に「夢が違ってもいつだって応援するよ」と約束をしてもらっていたからこそ、【2期12話】で作曲コンクールのことを歩夢に伝えて、背中を押してもらいたかったのではないでしょうか。

【2期12話】より引用

侑「多分、私と歩夢は同好会に入ってから、お互いに相手の背中を押してここまできたから、私が立ち止まっている時は歩夢がまた押してくれるって、勝手にそう思っているのかも

【2期12話】より引用

上記の台詞について、実際は侑が勝手に思っているのではなく、歩夢からしっかり約束をしてもらっていたので、彼方に相談しているシーンで侑からこの台詞が出てくるのも納得できます。

【2期12話】より引用

侑「コンクールって、本気のみんなが集まる場所じゃん?そんな中に、ただやってみたいだけの私が入っちゃっていいのかなって思うんだよね。今、同好会で十分楽しくやれてるし!」
歩夢「そうかもね」
「!!」

【2期12話】より引用

しかし、歩夢からの応援はありませんでした。

こう考えると、約束をしてもらっていたのにハシゴを外されかけたのは侑で、むしろ無責任な発言をしているのは【2期1話】の歩夢の方ではないでしょうか。

※歩夢には「ここで侑の背中を押すと離れ離れになってしまうかも」という理由があっての行動であり、最終的に侑は彼方の言う通り歩夢に応援してもらえたので、私は歩夢を無責任だと思っていません。

そうすると【2期7話】で、栞子に対して「そばにいて応援するよ」と約束をした侑(同好会)は、むしろ覚悟と責任感のある発言だと思います。

ただし今後、栞子が失敗した時に侑がフォローをせずこの約束を破ったなら、侑は無責任な人だと言えるでしょう。

以上より、私の解釈としては、

  • 「新しくやってみたいことに挑戦する時には応援が必要不可欠」だからこそ、

  • 【2期7話】の栞子に対して侑は、「挑戦するなら私は応援するよ」と責任感のある約束をしたし、

  • 【2期12話】の歩夢に対して侑は、不安を乗り超えるために約束通り応援してもらいたかった。

  • 侑には歩夢に応援してもらえるだろうと思える根拠があったことからも、侑は無責任ではないと言える。

という結論になりました。


番外編①:もし侑が一人で作曲コンクールへの挑戦ができたら、虹ヶ咲のテーマと矛盾する


ここからは番外編です。

仮定として、「侑は栞子に対して、やってみたいことに挑戦してみればいいじゃんと言ったのだから、侑自身もすぐにやってみたいことに挑戦してみた場合」を考えてみましょう。

その場合、侑は誰にも相談せず、誰からも応援されることなく自分一人の力だけで、怖い気持ちの方が勝っているけど新しくやってみたいとも思っている作曲コンクールへの挑戦ができたということになります。

これはつまり、虹ヶ咲の登場人物の中で唯一「誰かに応援してもらわなくても、自分一人で不安を乗り超えてやってみたいことに挑戦できた超人」になってしまうということです。

そうすると侑の存在は、虹ヶ咲のテーマである「応援してくれる、みんながいるから。私たちは、ここにいる。」の例外となる明らかな矛盾点となり、作品としての評価を下げざるを得ないのではないでしょうか。

このことからも私は、侑という個人で見ても作品という全体で見ても侑の行動には筋が通っていると解釈しています。


番外編②:侑が無責任だとするなら、せつ菜も無責任だと言える


また、侑の行動が無責任だと結論付けるなら、【1期12話】と【2期6話】のせつ菜も無責任だと言えるのではないでしょうか。

【1期12話】より引用

せつ菜「始まったのなら貫くのみです!」

【1期12話】より引用

【1期12話】でせつ菜は、歩夢に対して「始まったのなら貫くのみです」と応援しています。

【2期6話】より引用

せつ菜「2学期で会長の任期は終わりですし、スクールアイドルと生徒会の職務を一緒にやれる機会なんて、もうないかもしれません。ですから、この行事を私の集大成にしたいんで…」
(中略)
せつ菜「ありがとうございます!私、頑張ってやり切りますから!

【2期6話】より引用

そして【2期6話】では、スクールアイドルのせつ菜と生徒会長の菜々、その2つの大好きの集大成として、第2回スクールアイドルフェスティバルと文化祭の合同開催を実現するために準備を始めています。

【2期6話】より引用

生徒会副会長「文化祭とフェスティバル、どちらを優先すべきか生徒の間で意見が割れているようです」
せつ菜「それは考えるまでもないことです。合同開催は白紙。例年通りの文化祭に戻す形で検討を始めましょう」

【2期6話】より引用

しかし、ステージの確保でトラブルがあると、自分一人では解決策を見つけられず合同開催を諦めています。

つまり、

  • 他人には「やってみたいならやればいいじゃん」と言うのに、

  • 自分のやってみたいこと(作曲コンクール)はやろうとしなかった

侑を無責任だと結論付けるなら、

  • 他人には「始まったのなら貫くのみ」だと言うのに、

  • 自分の集大成としてやってみたくて始めたこと(合同開催)はやり切ろうとしなかった

せつ菜も同様に、無責任だと言えるのではないでしょうか。

私の解釈では、そもそも侑を無責任だと結論付けていないので、せつ菜も無責任だとは思っていないのですが、その根拠をまとめていると数千文字になったのでここでは省略します。

※ちなみに侑とせつ菜のどちらも、自分一人の力だけでは不安(問題)を乗り超えることができず、仲間からの応援(助け)によって不安(問題)を克服しています。

ここで言いたいのは、侑は無責任だと解釈している方にとっては、侑だけではなくせつ菜も無責任だと言える余地は十分にあるだろうということです。

配信主は、侑と同じくらいせつ菜も無責任で好きになれないと思っているのでしょうか?


まとめ


  • 高咲侑は歩夢と背中を押しあっていない(理由①)

  • 高咲侑の無責任な発言(理由②)

配信主が侑を好きになれない上記2つの理由に対する私の解釈は、以下の通りです。

  • 理由①について「侑と歩夢はお互いに背中を押しあっている。なぜなら、「背中を押す」とは"最初のきっかけ"になることではなく、"最後の一押し"(=応援)をすることだから」

  • 理由②について「侑は無責任ではない。なぜなら、「挑戦には応援が必要不可欠」だからこそ、【2期12話】では歩夢に約束通り応援してもらいたかったし、【2期7話】では栞子に責任感のある応援の約束をしているから」

そして、私は虹ヶ咲という作品を、

「みんなを応援して、みんなに応援してもらいながら、やってみたいことに挑戦することで自己表現をしていく『応援の物語』」

だと解釈しているので、侑の行動は決して無責任ではなくむしろ筋が通っているように思います。

特に『夢がここからはじまるよ』のフルの歌詞は、「虹ヶ咲とは応援が循環していく物語である」ことを鮮明に伝えている描写だと思っており、虹ヶ咲という作品全体のテーマとして体現していると解釈しています。

※この記事を書き終えた2022年7月15日時点では、まだ公式の歌詞が確定していないのですが、『Future Parade』のフルの歌詞も「虹ヶ咲とは応援が循環していく物語である」ことを描写していると推測しています。

しかし、仮に筋が通っていたとしても、それと侑を好きになれるかは全くの別問題だと考えており、

「私が立ち止まっている時は歩夢がまた押してくれるって、勝手にそう思っているのかも」

【2期12話】より引用

特に上記の台詞は、「たとえ侑にこう思える理由があったとしてもなんか嫌だ」と思う人がいるだろうなと想像できます。

私自身も、【2期5話】の歩夢が侑を尾行した件について、物語に矛盾がないよう私なりに納得できる結論を捻り出しましたが、配信主と同様にあまり好みではありません^^

※あくまでも、あまり私の好みではないというだけであり、作品全体を通しても物語に矛盾は全くないと思っています。
そして、なぜあまり好みではないのかという理由についても、「なんか嫌だ」ではなく自分なりに根拠が明確にあり言語化できています。

そもそも人間はそこまで合理的な生き物ではないし、むしろ整合性がとれていないからこそ好きになるということも往々にしてあるはずです。

つまり、

  • 「物語や登場人物の整合性がとれているか」と、

  • 「その物語や登場人物を好きだと思えるか」

は、必ずしもイコールではなく、結局最後は人それぞれの好みの問題なのでしょう。

ちなみに、侑が【2期8話】で表舞台に出ていたのに【2期13話】で表舞台に出なかった理由についても私なりの解釈はあるのですが、書き起こすと軽く数千文字になりそうなので、それはまた機会があればということで。

さいごに、配信主の「虹ヶ咲の感想配信」によって新しく気づけたことがたくさんあったので、配信主と配信にコメントしてくださった方々には大変感謝しております。
ありがとうございました。
これからも虹ヶ咲はもちろん、虹ヶ咲以外の配信も楽しみにしていますね。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!


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