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劇場版ウマ娘 新時代の扉 感想

公開初日に午前休取れてたので見に行きました。
結論から言えば「最高だから是非見てくれ」になります。

01世代に限らないしウマ娘どころか現実の競馬でもよくある、いわゆる『勝ち逃げ』に対して正面から向き合って上手く描き切ってたなぁ、と思います。いくらダービーで勝とうとも、タキオンが無事ならその先にタキオンがいただろう、という世間の評価(後に府中の鬼となるジャンポケに対して本当に勝ててたかはともかく)に対する陣営の苦悩を、もうひとりのポッケが語りかける形で表現していたのは唸ったし、「ジャングルポケット」を語るうえで外せない部分だったかな、と。

そしてそのポッケの悩みを晴らすのは、同じく4戦4勝で「勝ち逃げ」したフジキセキ。ただ勝ち逃げ扱いはあくまで世間の評価であるし、この世界のジェニュインやタヤスツヨシがそれについて語ったわけでもないし、何より本人がタナベトレーナーとダービーを走りたかった。そんなフジキセキだからこそ、悩んでいたポッケに向かってアドバイス出来たし、フジキセキにとっての救済でもあったんだなぁ、と、上手く絡めた演出に感心してました。
そんなフジキセキとジャングルポケットが現実は騎手含めてスタッフ一緒なの出来すぎてる。現実の方がヤってる。

レースのアニメーションも迫力あってよかった。あの作画、間違いなく去年から始まったジョッキーカメラの影響が大きくて、ウマ娘本人の視点で描かれるレース場、今まで想像でしか描けなかった世界が目の前に拡がって臨場感が凄まじかった。緩急の付け方や末脚の表現、プリティじゃない表情含めて最高の物を見させてもらいました。
ただエフェクトは若干過多だったかなぁと思わなくもないです。タキオンなりフジキセキなり一種の固有であることは分かるんですけどね。

タキオンにあの子、まぁサンデーサイレンス、の影見るカフェいいよね…。カフェはポッケと違って追いかける相手、追いつけない相手がタキオンの後ろに見たあの子だし、弥生賞で直接対決した時には体が出来上がってなかったからポッケと比べてダメージが少ない描写もしっかりしてて、タキオンはカフェとあの子に拘ってるけどカフェ側からの矢印はそこまで大きくないのいいよね。あとタキオン以外には意外と交流的なのも好き。一緒にランニングしたり隙あらばユキノといっしょに仲良くしてる。タキオンと対面してるときだけSRポッケの時にやったあの顔になるのもっと好き。

ポッケの物語とはいえこのアニメでピックアップせざるを得ない2000年有マ記念。マジで見たいものが見れた。あの作画で走るキングヘイロー見れただけで満足だし、実況も00有馬完全再現。テイエム来た!で泣いちゃったよなぁ。キングは分かりやすかったけどツヨシ見つけられなかったのが心残り。
熱いレース描写最高だったから菊花賞がダイジェストなのがちょい不満。あの『雷雲』が行き着く先の物語はカフェの物語で語られるべきであって、この映画はポッケの物語だから仕方ないね。
(あと雨降ってたのに電光掲示板は芝良ダート良で「ははーんこの雨と暗闇はポッケの心象風景を表してるんだな」とニタニタしてたんだけど、さっき調べたらあの菊花賞小雨の良馬場だったので単なる再現だったんすね……)

本筋の4人も良かったけどちょい出演のウマ娘が思ったより多くて楽しかった。いるだけかと思ったら思ったより喋ってくれて嬉しい。マートレ目立ち過ぎだしデジたんがオタク全開のインタビュー受けてたしニタニタできる。
そんな中合宿所の布団のレビューを始めてカレンチャンに遮られるアヤベさんはズルい。ついこの間まで劇場でシリアスでしたよね?
思わず笑ったし劇場全体でクスクスしてました。劇場で周りから声が漏れたのは合宿中のアヤベさんだけ!

あと劇伴良すぎ。ウマ娘のBGMの良さであるストリングスと管楽器の音色好き。

2時間で纏める都合上仕方ないんだけど、オペラオーが00有馬で語り尽くして絶対王者のままJCに出てるのはちょい強引だったかなぁと思ったりはしました。ステゴのやらかしで結果的に1位だったとは語られてるので、覇王の凋落は確かに語られてるんですけどね。さっきインタビューしてたオタクに秋天でやられたことは一切語られてねぇ!とはなりました。そして王者としてレース場で全てを示そう!という雰囲気のまま、オペラオーとポッケの会話無しで終わるのはちょい寂しいかな、と。まぁウマ娘はレースで会話してるんでね、些細な部分です。文句なし。

総合で見れば珠玉の逸品だと思いますね。この感想見てるってことは見たんですよね。MX4Dもやりますよ。また見ましょう。

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