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地水師【卦の解説】

はじめに

今回は地水師の卦について解説します。


地水師について解説

人生まれて群れなきこと能わず

人間は本質的に社会的存在です。ここで言う師とは多数の集団または軍隊のことです。周代の制度では、500人を旅、2500人を師、12500人を軍と言います。集団、軍隊には指導者が必要です。指導者の良否はそのままその集団の運命につながります。多数の将兵を率いて戦いに勝ち抜くにはどうすればよいか。この卦は、集団の指導者の道を説きます。その原則は貞正です。どんなに苦しくとも正しい目的があるかぎり、民は必ずついてきます。師の字はもろと呼んで、もろもろの意味を要約しています。子供が成長すると、友達を求めて孤独から群居します。集団生活になると、欲望、感情が複雑になって争いが起こりやすくなります。これをもろといい、軍隊を意味しています。

爻辞

初六: 軍隊が出陣する時に調子笛を吹く。その音が良くない。凶。

九ニ: 軍中におれば吉で災難を免れる。王が三たび御褒美を下さる。

六三: いくさに負け、場合によっては戦死者を担いで帰ってくる羽目になる。

六四: 左に駐屯すれば災難を免れる。

六五: 畑にけものが侵入して作物を荒らす。それを捕らえるとよい。災難はない。長男が軍隊を指揮すれば、次男は戦死者を担ぐ、貞いには吉。

上六: 天子から御沙汰があり、功ある者は功に応じて諸侯や大臣に取り立てられる。小人は重用してはならない。

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