水山蹇【卦の解説】

はじめに

今回は水山蹇について解説です。

水山蹇の解説

蹇とは、足なえのことで、行き悩む意味になります。一度睨み合いをすると、仲なおりするのに、なかなか時間がかかり、うまくいかないというのが蹇の卦です。前も後も危険がいっぱい、八方塞がりで二進も三進も行かない状態です。卦の形も、険阻な山と危険な大河を示します。こういうときは、なるべく無理をせず平易な道を選び、見識ある人の意見に耳を傾けることが大切です。それでも苦難がつづくのは、どうしようもない運命です。険を見てよく止まる、知なるかな。いたずらに進むことなく静かにわが身を振り返り、人徳を磨いて危難のときが過ぎるのを待つべきです。
うまく足並みが揃わない、ということは、家庭ばかりではなく、会社でも役所でも同じです。社員、重役が、それぞれ歩調が揃わず、びっこになり、人間同志の悩みがおこるというのがこの蹇です。これは反身修徳より他に解決方法はありません。

爻辞

初六: 進んで行けば難儀し、引き返せば褒められる。

六ニ: 王の臣下が苦しい目に遭うのは、自分一身の利害より王のことを思えばこそなのである。

九三: 進んで行けば難儀し、引き返せばその反対の結果になる。

六四: 進んで行けば難儀し、引き返せば同志と腕を組める。

九五: 大難局に友人の来援がある。

上六: 進んで行けば難儀し、引き返せば大きな収穫がある。吉。頼りになる人に会える。