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水地比【卦の解説】

はじめに

今回は水地比の卦の解説です。

水地比の解説

長い戦いのあと、人々は和気あいあいと親しみあいます。比は、人がふたり並んだ形の字で、親しみ助け合うことです。卦の形は地の上に水があり、両者の親和によって万物を産み育てることです。また天子の位を意味する五陽に、多くの陰が親しむ形で、指導者の周りに人々が慕い寄る様子を表します。寛容の気持ちで人に接していけば、はじめは紆余曲折があるが、やがて多くの人の協力を得て大事業が完成できます。あるいは多くの女性を魅惑する男性と見なすこともできます。したがって女性にとっては容易ならぬ事態です。後るる者は凶とあります。感情が主になりやすい状態、この卦は人情の機微をとらえています。比の字は悪い意味に使われます。これは、自分の感情、欲望、好みが主眼となるために、悪くなりやすいです。明党比周という言葉がありますが、これは好きな者同士、あるいは利害を同じくする者が組んで他を排斥することを申します。

爻辞

初六: 捕虜を得る。彼らにしたしめば災難を免れる。戦利品が手に入り、缶に一杯になる。結局、思いがけない災難もなく吉。

六ニ: 内側からしたしむ。いかなる占問であれ吉。

六三: 相手はしたしむべきよき人ではない。凶。

六四: 外側からしたしむ。いかなる占問であれ吉。

九五: 誰の目にも明らかにしたしむ。王は三たび駆り立てて、前方の獲物を失う。村人は警戒しない。吉。

上六: したしもうにも、相手に首がない。凶。

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