沢雷随【卦の解説】
はじめに
今回は沢雷随の卦について解説します。
沢雷随の解説
随とは従うことです。随行、付随、随喜の随です。ゆとりができると、人々が魅力を感じてつき随ってきます。人ばかりではなく、天下の万物、金までつき随ってきます。しかし、いい気になって遊び続けてはダメです。時が来たら自分を修めなければなりません。この卦は人々を心服悦従させる道を示すとともに、人に従うことの必要性も解いています。従うとは主体性を失って流れに任せることではありません。何に随うか、これは主体の決断にかかっています。随っていく対象をしっかりと見定めねばなりません。上卦の兌は若い女性、下卦の震は年輩の男です。中年男が少女に魅せられて随っている形とも取れるし、実力のある者が、一歩譲って自分以下のものに随っている形ともとれます。いずれの場合も真摯に行うならば、必ず良い結果がでます。この卦は四季に当てれば秋です。盛気衰えるとき、人に随う気持ちを忘れてはなりません。
爻辞
初九: 地位に変化がある。占問したことは吉。自分の家を出て広く天下の人々と交わればよい収穫がある。
六ニ: 子供を捕まえて縛っていると、大人を逃してしまう。
六三: 大人を捕まえて縛っていると、子供を逃してしまう。あとにつき随って追い求めれば相手を捕まえられよう。住居の占問にはよいことがある。
九四: あとにつき随ってゆけば相手に捕まえられることがあるだろう。占問したことは凶。自分は彫りとなって敵国に送られる道中にあっても、和平の盟約がすでに交わされたから何の災難もない。
九五: 奪い取ってきて褒められる。吉。
上六: 捕まえてひっくくり、その上さらに逃げないように繋いでおく。王はこれをお供え物にして、西山の神を祭る。
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