震為雷【卦の解説】
はじめに
今回は震為雷について解説です。
震為雷の解説
震は雷鳴、動くことなどを表します。この卦は、それがふたつ重なっており、天地の間に雷鳴が轟き渡っているのです。古代人にとって、雷鳴は天の怒りの声であり、強い畏怖の念をかきたてるものでした。しかしそれが案外、実害を起こすことは少ないということもまた、かれらは経験の上からよく知っていたのです。耳目衝動、思わず戦慄するようなことに出遭ったときは、この雷鳴を思い浮かべることです。沈着冷静に振る舞えば、案外あっけなく通り過ぎるものです。この卦はまた、前景気やかけ声ばかりで肝心の内容が伴わないことをも表します。十分心しなければなりません。改革とか革命とかいうものは、円滑にいくものではなく、色々な問題や、困難が起こるので、ことに当たっては、それを恐れ慎しみ、一層徳を修め、反省するように戒めています。
爻辞
初九: 雷がやって来た時はビクビクするが、それが通り過ぎたあとはにぎやかな談笑がもどる。
六ニ: 雷が近づいてきて危険。財産を失うのを恐れて高い丘に登る。追ってはいけない。七日たてば手に入るだろう。
六三: 雷が暴れている時は怖かったが、今はそれも遠ざかって行き、災難を免れる。
九四: 雷が泥地に落ちる。
六五: 雷が去ったかと思うとまたやって来て危険。しかし、考えてみるに、大切な行事に失態はなかろう。
上六: 体が震えてまともに歩けず、目もキョロキョロして焦点が定まらない。前進すれば凶。雷はわが身に落ちず、隣に落ちて災難を免れる。結婚には物言いがつく。
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