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風雷益【卦の解説】

はじめに

今回は風雷益についての解説です。

風雷益の解説

上を損して下を益やすこと、上に立つ者が広く人々を潤すことです。それが究極において、わが身のためになることは、損の場合と同様です。益というものは、損すなわち克己的精神、克己的生活という過程を経て、初めて得る自由を言います。上卦は風、従う、下卦は雷、動くを示します。下が動けば、上がそれに応じて従い助けます。天が自分に味方しているのです。疾風迅雷、好機と見れば、かさにかかって突き進むがよいでしょう。積極的に困難を克服して、広く社会的利益をはかる者には大吉の卦です。また損が下を損す、つまり民衆の権利を制限する非常時の権力集中であるとすれば益は民主、平和の時代を示します。

爻辞

初九: 大事業を興すのによい。大いに吉。災難を免れる。

六ニ: ある人から貝貨二十枚もする宝亀を頂戴する。その人に逆らうことはできない。

六三: いただきものがある。それをいざという時に使えば災難を免れる。捕虜を捕える。途中、国君に圭玉を携行して報告する。

六四: 途中、国君に報告して従ってもらう。人の力を借りて遷都するのによい。

九五: 君から捕虜を下賜される。心のなかで問うてみるまでもなく大吉。捕虜を下賜されるのは自分に徳があるからだ。

上九: 誰も何もくれないし、殴られることもある。志をたててもそれがぐらつくようでは凶。

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