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天沢履【卦の解説】

はじめに

今回は天沢履について解説します。

天沢履の解説

履とは、ふむ、実践することです。実践には常に危険がともないます。だが危険を恐れては何もできません。虎の尾を踏むような危険の中でどのようにして身をまっとうすればよいのでしょうか。この卦は、剛強・有為を示す上卦の乾に、柔順を意味する兌が従っている形です。目上の者や経験者の言葉に素直に従い、先人の経験から教訓を取り出す心構えが必要です。猪突猛進すれば必ず失敗します。自分の力を考えて、着実に進んで行けば、初めは危険に遭遇しても、必ず目的を達することができるでしょう。子供が高等学校、大学を卒業して、世の中に出て、社会生活、人間生活をはじめます。ところが社会生活には色々と秩序、階層がありますから、幼少の頃から蓄える修めた徳を、よく発揮しなければなりません。履はふむとい意味なので先輩や友人の意見に従って進むことが大切です。

爻辞

初九: 質素なくつ。行っても災難はない。

九ニ: 大通りを履みしめて歩く。囚われの人の占問には吉。

六三: 目の不自由な人が見えるようになり、足の不自由な人が履み歩けるようになる。しかし治ったからといって、虎の尾を履むような無茶をすれば、虎に噛まれて凶。軍人が王位につく。

九四: 虎の尾を履む。恐れ慎めば、最後には吉。

九五: 裂けたくつ。占問したことは危ない。

上九: 上位にいる者がその人間の平素の行ないを見て、降すべき祥福を考える。初心に返るば吉。

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