地山謙【卦の解説】

はじめに

地山謙の卦について、解説します。

地山謙の解説

謙とは謙遜、謙虚であることです。おのれを虚しうして人にへりくだることです。私欲、慢心を捨てて人に従うことです。それは満月が必ず欠け、高山が水に削られて低所に堆積するようなものです。高貴で有ればあるほど卑賤に奉仕する心を忘れてはなりません。優れた才能、美しい容貌は謙虚であることによって、よりいっそう輝きをまします。努力の結果が実っても、つけあがったり、いい気になってはいけません。実力があればあるほど、謙遜しなければいけない。それを教えてくれる卦です。

爻辞

初六: 謙虚このうえもない君子が大河を渡る。吉。

六ニ: 謙虚の美徳で名声が鳴り響く。占問したことは吉。

九三: おのれの功績を誇らぬ君子は、よき結果を得て有終の美を飾る。

六四: きっと良いことがあるから謙虚さを発揮せよ。

六五: 富を隣におすそ分けしないケチな国。そんな国は討伐するによい。きっとよいことがある。

上六: 謙譲の美徳で名声が鳴り響く。軍隊を動かし諸侯の領ゆうを討伐するのによい。