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火風鼎【卦の解説】

はじめに

今回は火風鼎についての解説です。

火風鼎の解説

鼎とは、なかえのことです。煮炊きする器で、三本の足で支えられています。神霊に捧げる供物を煮る祭器であり、また国家権威の象徴でもありました。権威を疑うことを鼎の軽重を問うというのはここかりきた言葉です。三本の足は、強力と安定を示します。三点は一平面を決定し、三本足がもっとも安定が良いのであります。三人が力を合わせて、重いものを支えてゆく形、個人ではいわゆる三拍子そろった形で、何事にも順調な進展を示す卦です。男女関係では三角関係を表わすが、それも円満におさまります。あくまで協力関係を失わぬことが肝要です。三者鼎立という言葉は、ひとつのものを三人でささえ合って、一人ではできない仕事も三人なら成就することができるという卦です。

爻辞

初六: 鼎がひっくり返って足が上を向いている。汚いものを外に出すのによい時機だ。妾を手に入れ、世継ぎの男子を得る。災難を免れる。

九ニ: 鼎中に食べ物があるが、わが連れ合いが病気のため、起きて私と一緒に食べることができない。吉。

九三: 鼎の耳が取れる。道中に障害があり、膏の乗った雉の肉にありつけない。雨に遇えば、難儀なことがなくなり、最後には吉。

九四: 鼎の足が折れ、お偉方のための料理をぶちまけてしまう。その罪はただではすまない。

六五: 鼎に黄色い耳と金属製の鉉が付いている。占問したことには利がある。

上九: 鼎に玉製の鉉が付いている。大吉。大いに利がある。

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