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沢水困【卦の解説】

はじめに

今回は沢水困についての解説です。

沢水困の解説

困という字は、囲いの中にある木で、伸びようとして妨げられ、苦しみ悩む状態を示しています。どのような小さな仕事、事業であっても、一命をなげ打って初志を貫き目的を達することが必要です。これをやらないとせっかくやった仕事、あるいは発展させた事業もちょうど沢に水がなくなるように駄目になってしまいます。卦の形も、満々と水をたたえるはずの沼沢が、涸れはてている姿を表しています。また、三つある剛爻が皆陰爻に覆われて苦しんでいる姿です。つまらぬ連中に妨げられて思うにまかせぬ、資金難に見舞われる、何をいっても信じてもらえぬなど八方塞がりのときです。しかし、試練のときにこそ人間の真価がわかります。越王の勾践が、自分は呉王の家来になり、妻は呉王の婢女になるという逆境にありながら、臥薪嘗胆して志を果した故事です。

爻辞

初六: 刑杖で尻を打たれて困しむ。くらい牢獄に入れられる。三年間、娑婆の人を見られない。

九ニ: 飲み過ぎ、食べ過ぎで困しむ。朱い膝掛けをしたお偉方がちょうどやって来るから、お祭りを執り行うのによい。前進すれば吉。

六三: からだの上に石を置かれ、トゲのあるハマビシの上に坐らされて困しむ。家に帰ると、妻がいない。凶。

九四: やって来るのがノロノロと遅かったのは、金ピカの豪華な車にくるしめられていたからだ。面倒なことになっても、良い結果が得られる。

九五: 鼻をそぎ落とされ足を断ち切られ、赤い膝掛けをしたお偉方にくるしめられるが、おもむろに悦びがある。お祭りを執り行うのによい。

上六: まとわりつく蔓草やゴツゴツした杭で行き困しむ。動けば災難の降りかかる事態ではあるが、災難にひるまず、積極的に前進していけば吉。

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