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地天泰【卦の解説】

はじめに

今回は地天泰について解説します。

地天泰の解説

この卦は、天を意味する乾が下にあり、地を意味する坤が上にあります。つまり天地が逆になっているわけですが、これがかえってよいのです。すなわち、天の気は上へ上へと昇り、地の気は下へ下へと降る性質を持っています。もし、天が上にあり、地が下にあれば両者はしだいに離れて行きます。逆になっているからこそ、天の気が上昇し、地の気が下降したところで両者がぴったり触れ合い、そこで万物が生み出されます。ここには対立物の統一を動的にとらえる易理の理想的な形が示されているのです。人間関係でいえば、上司と下僚、夫と妻、親と子、強者と弱者、あるいは友人同士が和合一致して万事順調に運ぶにはどうすればよいかということを示しています。泰とは、やすらか、安泰のことです。卦の形を見ても、がっしりした地盤に立つ建築物を連想させます。安定した繁栄です。これを生理機能で表すと、内に活発な健康力を持っておって、外の表現は控えめです。または才能に富み、満々たる迫力を持っているけれど、一向にそんなことは外へ表さず穏やかに保っていく姿、これが秦です。

爻辞

初九: 茅を一本引き抜いたら、同根の他の茅までぞろぞろ抜けてくる。前進して吉。

九ニ: ひょうたんを腰にくくりつけて河を渡れば、水没することはない。お金は失うが、途中で援助が得られる。

九三: 平らかなものはいつかは傾き、往ったものはいつかは復ってくる。かん難を占ってこの爻に当たれば、災難は免れる。奪われることを心配するな。食べ物のことで福がある。

六四: ごくわずかなもの、隣近所にお裾分けもできない。だが、警戒しないとそれも奪われる。

六五: 帝乙が末の娘を嫁がせる。幸福が得られ、大吉。

上六: 城壁が崩れてもとの空掘に復る。こんな時に武力を行使するな。自分の領ゆうに命令を発するだけにとどめておく。占問したことは面倒な目にあう。



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