沢火革【卦の解説】
はじめに
今回は沢火革についての解説です。
沢火革の解説
革とは、あらためることです。革命、革新、変革の革であり、古いものを変えて新しいものを創り出す過程です。卦の形から見れば、火と沢が消し合う形、また中女と少女つまり上下が対抗、激突する形でもあります。革は、この矛盾相剋を解決する道です。それには小細工を弄したり私欲で働いたりしてはなりません。多少の混乱は避けられないが、あくまで正道を守るべきです。革新は単なる変化ではありません。そこには積極的な価値が含まれています。醜い手段によって目的を汚すことなく、離の示す明知と勇気で、より高い階段に飛躍すべきときです。個人であれば自己を掘り下げて解決をはかることができますが、それがひとつの団体となり国家となり、時局となると、その中心人物が思い切って古い因襲的態度、生活、思想、行動などを改めることです。そしてこの中心人物を補佐するものがそれに準じて新体制をとることです。
爻辞
初九: 黄牛の革で物を束ねる。
六ニ: お祀りの日に改革を実行する。前進して凶。占ってこの爻に遇えば危ない。言葉を改めて三たび試みたなら、捕虜が手に入る。
九三: 前進して凶。占ってこの爻に遇えば危ない。言葉を革めて三たび試みたら、捕虜が手に入る。
九四: 難儀なことが消滅し、捕虜が手に入る。命令を改めれば、吉。
九五: 大人は改革を行い、古い文物、制度を一新させ、抜け変わった虎の文様のように輝かせる。占問するまでもなく捕虜は手に入る。
上六: 君子は改革を行い、占い文物、制度を一新させ、抜け変わった豹の文様のように輝かせる。かくして小人も顔つきを革める。前進すれば凶。住居の占問には吉。
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