見出し画像

iPhoneで交差偏光フォトグラメトリ

『Twitterで教えていただいた情報で iPhoneでも 交差偏光フォトグラメトリの 3Dスキャンができました。 反射や光沢の影響で、変形や穴あきになった、陶磁器のスキャンもiPhoneでできるようになるかも。』

というtwitterの投稿をしたところ、装置はどこで手に入るのか?というご質問が多かったので、ネットで購入したパーツの組み合わせで作った方法をこちらのページでまとめます。
あくまでもiPhone12ProMAXでの例ですので、他の機種ではサイズに合わせて違うパーツを選んでいただく必要があるかもしれません。

交差偏光(Cross Polarization)フォトグラメトリとは?
フォトグラメトリの「被写体の反射光による失敗」をなくす方法です。
詳しくは、こちらの動画が参考になります。Cross Polarization Tutorial: Removing Specular Highlights and Reflections

iPhone12ProMAXで交差偏光フォトグラメトリ実験装置を作る
以下の順番で組み立て方をご紹介します。

  1. iPhone12ProMAXに偏光フィルターを装着
    amazonですべて購入

  2. LED偏光リングライトを作る
    ヨドバシ購入品+3Dプリント+偏光フィルム

  3. LED偏光リングライトを固定する
    amazon購入品+3Dプリント

1)iPhone12ProMAXに偏光フィルターを装着

iPhoneに撮影用のカメラフィルタを装着できるケースが販売されていたので、それを購入しました。
普段はフィルター部分を外しておいて、撮影に必要な時だけ取り付ける事が可能になります。

このケースに装着できる偏光フィルタです。通常の写真でも、空や水面をきれいに撮影するのに使えます。

2)LED偏光リングライトを作る

オンライン会議の照明用に売られているLEDのリングライトに、偏光フィルムを取り付けて、偏光リングライトとして使用しています。

iPhone本体側に取り付けた回転式偏光フィルタは、反射の光が消える角度に指で回して使うので、リングライトとの間に指の入る隙間が必要です。ちょうどいいサイズだったのが、内径が82mmあるこのリングライトでした。
フリーダム FREEDOM FPUL421 [撮影用リングLED照明 120mm ブラック]

このライトに貼った偏光フィルムは0.2mmのシートを使いました。以前池袋の東急ハンズで買ったものですが、おそらくこちらにあるのが同等品だと思います。

リングライトを上に置いて、ケガいてからハサミで切りました。テープで貼ってしまえば3Dプリントの押さえ枠は不要ですが、枠を付けたほうが”らしく”なりました。
残念ながら、このLEDリングライトはONとOFFのみで、明るさの調整ができません。 同じサイズで調整できるものを見つけたら、ぜひ教えて下さい。

3)LED偏光リングライトを固定する
amazon購入品+3Dプリント+ネジ
フォトグラメトリ撮影時にぐらぐら動くのは困るので、iPhoneとリングライトの固定はしっかり取り付けたいのですが・・・スマホなので、ずっとライトを付けたままでは困ります。
ネジ一本で取り付けられるように、スマホケースと偏光フィルタのメーカー製のグリップを購入して、取り付けます。

このグリップは、脱着が簡単で上下に三脚のネジで固定できるように作られています。下のネジ穴でiPhoneを三脚に固定し、上のネジ穴でLED偏光リングライトを固定できるようなパーツを、3Dプリンタで作りました。リングライトにも同様に三脚固定用のネジ穴があるので、手持ちのW(ウィット)1/4インチで固定が可能です。

まとめ
とりあえず、組み立ての説明は以上になります。
ちなみに、今の所交差偏光フォトグラメトリでも 白い磁器は失敗しています(なぜ?)。 あくまでも実験装置だと思ってくださいね。
noteに書くのは初めてなのですが、感想(ご質問も)いただけるとありがたいです。