青山ショールーム

ホンダファンには聖地のひとつになっている青山ショールーム。

太郎の新型(後継)のプロトタイプが展示されているので
見に行ってきた。今から10年くらい前ね。

ちゃんとホンダさんに伝えてあげればよかった。
プロトタイプの展示の頃から
「これが新型ぁ?」
「なんかランボーのニセモノみたい」
「やっぱリトラがいいよね」
と私が見に行った当日のごく一部の
時間帯においての話にはなるけど、
と~にかく不評だった。

私はウラカンもケイマンも好きだし
格好良いと思ってる。
この新型プロトタイプも格好良いではないか。
ただ、「新型NSXです」と言われても困る。
私にとってはNSXはNSXである。

新しければ良いわけではない。
そこには私みたいな自動車評論家のような
御託を並べて物思いにふけるに
ふさわしい内容の語り草がたくさん必要なのである。

ことに新型NSXプロトタイプには、ドラマを感じない。
このNSXには何ができるのか。
偉大なスーパースポーツのロゴを少し傾斜させて
スピード感を表現しようと頑張った新型NSXのロゴも
私のような昭和生まれの頭の固い老害には
まったく受け入れられないものなのである。

結局のところ、今のホンダは
かつて一世を風靡したあのホンダ技研とは、もはや別会社なんだろう。
当時のサムライたちはもう同社にはいない。

私たちが数年頑張って貯金すれば、なんとか買えるのではないか?
という希望、期待感を少し与えてくれるような価格設定の
シビック・タイプR
インテグラ・タイプR
プレリュード
CR-X
ビート
ホンダ技研が世に送り出した平成の戦士たちだ。
その頂点に位置し、最高峰、絶対的な存在がNSXなのだ。
つまり、NSXは当時のホンダ技研そのものであるといっても
過言ではない。

とまぁ、また御託が始まったわけだが、
なぜだか新型NSXにはそういうネタがない。
いや、私が見つけられないだけなんだろう。
その代わり、ユーチューバーが盛んに新型NSXを取り上げてくれている。
これでいいのではなかろうか。
世の中、棲み分けができているといったところ。
私のようなポンコツ老害は、古き良き時代のNSX推し。
平成生まれのユーチューバーは新型NSX推し。

ここは古いNSXの場所。おれたちの場所だ。

フォーミュラレッドのNA1型にたくさんのギャラリーがあった。
そう。「ここ」というのは、青山ショールームのことだ。
誰もこのクルマ以外をNSXだとは認めない。
やがてあの新型がどんなにラップタイムを更新しようとも、
どんなに戦果をあげようとも、感動することはない。
新型を名乗るアイツには、心はない。
そう思うからだ。





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