俺の人生②


中学校時代~中2~


中2に上がったころには、毎晩のように先輩たちと遊びまわっていました。
夜出ていき、朝帰って夕方まで寝る。学校はたまに顔を出す程度。
こんな生活を繰り返していたある日、先輩のバイクの後ろに乗せてもらう機会がありました。
車種はXJR400、ロケットカウルにアップハン、三段シート、ロングタンデム、アンダーカウル、ネオン管がカスタムしてあるいわゆる族車です。
当時中2だった僕には衝撃は走りました。
元々車好きだった僕は小学生の時からおばあちゃんに、VIP STYLEやOPTIONという車の雑誌をよく買ってもらっていたんです。
「バイクにもこんなのがあるんだ」と。

その日からバイクに乗せてもらうのが楽しみになってしまいます。

ですが先輩たちも仕事があったり、友達付き合いもあるため中坊なんかなかなか相手にしてもらえず、初めてバイクに乗せてもらった日から2か月ほどたったある日、先輩から電話が鳴りました。
「暴走いくけん出てこいや」
当時何のことかわからなかったけど、先輩の呼び出しを断るわけにはいかないのでとりあえず合流することに。
これから何をするのかを聞こうとすると、「わしの車乗っとけ」と。
その日は結構な人が集まっていて、バイク3台、車が5台ほどあり、15人ほどいました。
何をしたのかというと、近くの公衆電話で110番に電話します。
「うるさいバイクがいて迷惑してるんです~」
自ら警察を呼び、からかって遊ぶという・・・
バイクに乗ってる人達は逃げ回り、車行動の人はバイクとは関係ない普通の走行車を装って走ります。警察を捲いたバイク隊を車で拾い家に帰って終わりです。
僕は車に乗っていてかなり安全な状況でしたが、なにが面白いのか、どこが楽しいのかいまいち理解できなかったのを覚えてます。
【バイクに乗る】というのは楽しいんですけど、警察からかっても楽しいという感情は生まれませんでした。
そのあたりから先輩たちとの感覚の【ズレ】がわかり始めます。

その後何回かバイクに乗せてもらう機会があり、先輩からバイクの盗み方を教わりました。
最初は少し古めのスクーター。詳しいやり方は控えますが、少し細めで分厚くないハサミで、簡単に行けます。
次に覚えたのは直結というやり方。おもにカブという車種に使えます。
このカブというバイクが、僕はめちゃくちゃ好きだったんです。
カッコいいとかじゃなく、効率的というか・・・

そのうち夜誰からも誘いの電話がないと、一人でカブを探しに行くようになりました。
一人で行動するというのが楽に感じたんです。
捕まった時は自分だけ捕まればいい。誰かと一緒だと自分のことを喋られる(うたわれる)可能性がある。2人、3人行動より目立たない。
こんな思いもあり、1人行動も少なくない感じでした。
周りには警察に捕まって、鑑別所や少年院に行くやつも数名いたのですが、僕は1人行動が好きなこともあり、捕まったやつの事件には全く関わっていなかったんです。
自分は要領がいい、絶対捕まらない。と自惚れて調子に乗っていました。
そして調子に乗った中2にクソガキはとんでもない行動にでます。


ある日いつものようにカブを探す旅に一人で出たときのこと。
一軒の車屋を見つけました。中古車販売、板金塗装や車検などを行っているお店でした。
セキュリティは甘く、入り口はアコーディオンゲートになっていて、カギはかかっていません。自分の頭くらいのとこに赤外線のセンサーがあり、遮断されると警報が鳴る装置がついているくらいで簡単に侵入できそうでした。
そっと中に入り、止まってある車の中を覗くとキーが付いたままで置いてありました。
「行ける!」と思った僕は車を盗むことを決意します。
もちろん車なんて運転したこともなく、ゲーセンにあるイニシャルDや湾岸ミッドナイトをやったことあるくらいです。
後先も考えず車に乗り込んだ僕はエンジンをかけ、ギアをDに入れ、アクセルを踏みます。


ボゴッ!!!!

隣に停まってある車にぶつけてしまいました。
このまま車を置いて逃げることも頭によぎりましたが、監視カメラで撮られているしどうせ捕まるなら乗っていこう、という思考になりました。
別の車に乗り換え、今度は慎重にアクセルを踏み、とうとう車を盗んでしまいました。
隣町の少し大きめのパチンコ屋に停めておけばいいかと、その日はとりあえずパチンコ屋に車を置き、電車で帰ることにしました。
このことは誰にも言わないでおこう、周りを巻き込みたくないし話が広がると厄介なことになると思い、誰にも喋りませんでした。
夜遅くになると車に乗り、少しドライブをしてまたパチンコ屋に停める。
こんなことを繰り返し、1週間が過ぎようとしたころ、何を思ったのか昼間の明るい時間帯に乗りたいと思うようになりました。
自分の欲求を抑えることができるはずもなく、調子乗っていた僕は昼間に車を乗り始めます。
もうその頃には警察には被害届が出ていて、捜索を始めていました。
国道の少し広い道路を走っているときに、1台のパトカーとすれ違いました。
やばいっ、と思った僕はスピードを上げて逃げました。警官は被害届が出ている車を見逃すわけがなく、Uターンしてきて必死に追われました。
もうその頃には中2ながら、アクセルをどれくらい踏んだらこれくらいのスピードがでて、ハンドルをこれくらい切ったらここは曲がれるなど、そこそこ運転できたんです。
昼間の交通量が多い時間帯にカーチェイスが始まり、逃げ始めてから5分ほどで白バイが追ってきて、10分後にはヘリが出動していました。
ヘリが飛んでいるのを見て
「逃げきるのは無理だ」と思い自ら車を降り、警察に取り押さえられました。

2/7 16:30頃(今でも忘れられない)
ついに調子に乗った中2の少年は現行犯逮捕されました。

あの時ご迷惑をおかけし方々、本当に申し訳ありませんでした。

続く・・・


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