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ROMとはなにか?(光ディスク編)

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。8月22日を迎えました。本日は満月ですね。今月の満月の名前はスタージェン・ムーンといいます。日本語ではチョウザメ月と訳されますね。ネイティブアメリカンの住んでいた地域では8月にチョウザメ漁が最盛期を迎えるのだそうで、チョウザメがよく取れる月であることから満月にもチョウザメと名付けたと言われています。今夜は晴れる地域は限られるかもしれませんが、もしお天気が良ければ夜空を見上げてみてはいかがでしょうか?

さて、前回のブログではROMについて簡単にお話しました。マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリと現在では様々なROMが使用されていることがおわかりいただけたかと思います。しかし、ROMはこれだけではありません。前回お話させていただいたROMの共通項としてはすべて半導体であるという点です。さらにはEPROM、EEPROM、フラッシュメモリに関してはROMでありながらデータの消去や書き込みが容易にできるという特徴もお話しました。今回はROMの中でも皆さんが手に取ることの多いもの、光ディスクROMについてのお話です。ROMは読み込み専用であれば半導体である必要はありません。ちなみに今回のブログでは書込み可能な光ディスクについてはお話しません。また別の機会にお話できればいいなと思います。

まず光ディスクの前提として、光のみでデータを読み取ることができるものとします。つまり光磁気ディスクであるMOは除外します。MOは一応光ディスクを使いますが、データを読み書きの際に磁力を使用するからです。詳細に書くとかなり大変であるのと、すでにほぼ使われることがない媒体であるため今回は説明はいたしません。ご興味がもしおありであればぜひ検索して調べてみてください。

さて最初はCD-ROMです。現在でも日本では音楽や低容量のユーティリティソフトやドライバソフトを入れる媒体として使用されていますが、欧米ではすでになくなっています。おそらく先進国で使用しているのは日本だけだと思います。それもそのはず、光ディスクメディアとしては第1世代であるからです。初登場は私の記憶に間違いがなければ1989年頃だったと思います。当時の記憶媒体としてよく使用されていたのは実はフロッピーディスクであり、PCのデータを入れて保存するのはもちろん様々なソフトを収録する記憶媒体として使用されていました。また当時HDDはかなり高価なものであり、そう簡単に購入に踏み切れるものではありませんでした。確か当時は100MBで3万円ほどしたと思います。フロッピーディスクは1枚で1.44MBと記憶容量は少ないものの比較的安価で買うことができ、フロッピーディスクドライブはどの価格帯のPCであってもほぼついていました。ワープロ専用機にも内蔵されていて作成した文書は、からのフロッピーディスクに保存して保管していました。PCソフトの供給媒体も基本的にはフロッピーディスクで、Windows95もフロッピー版とCD-ROM版が存在しています。フロッピーディスクの場合はだいたい5~10枚で1セットとしてソフトを供給していました。しかし、フロッピーディスクが1枚でもなくなると、データが欠損することになるため保管には充分気をつけなければならなかったわけです。

それがCD-ROMの登場でガラリと状況が変わります。CD-ROMの記憶容量は650MB~700MBですので、フロッピーディスク10枚程度で供給していたソフトがたった1枚の光ディスクで事足りてしまいます。また、当時としては大容量であるため写真やイラストなどの画像データはもちろんのこと、音声も収録することが可能になりました。ちなみに日本で最初にCD-ROMを搭載したコンピュータはビジネスPCではなく、なんとNECが製造したゲーム機であるPCエンジンだったのも当時話題になりました。その後ビジネスPCでもCD-ROMが搭載されましたが、当時確か30万円ほどしていました。PCエンジンCDロムロムではCD-ROMを既存のPCエンジンに取り付けるということで、CD-ROMドライブが単体で販売されていたため、価格を抑えることに成功していたようです。それまでのゲームは任天堂のファミリーコンピュータやセガのメガドライブのように半導体ROMでの供給でしたが、CD-ROMではアニメーションや音声を収録できるようになったため、ゲームが動いてしゃべる様になったわけです。現在では当たり前ですが、当時のゲームは声を発することはまったくなかったわけですからこれは革命的でした。しかし、PCエンジンはあまりシェアが多くなく、これ以降も様々なバージョンが売られることになるわけですが、スーパーファミコンの牙城を崩すことはできず、結果としてCD-ROMはゲームの世界では浸透しませんでした。ソニーのプレイステーションが出るまで、ゲームソフト媒体は半導体ROMがほとんどということになります。

次に登場したのが1999年頃に登場したDVDです。当時CDでのソフト供給や音楽の販売が当たり前になっていましたが、CDではもう容量が足りなくなってきており、有名所のアーティストが手掛けたベストアルバムはCD2枚組が当たり前になってきていたり、ゲームの供給でも大作ゲームに関してはCD-ROM4枚組が当たり前になってきていました。当然ディスク交換を求められるようになります。音楽であればディスク交換のタイミングはだいたい1時間程度です。頻繁に交換する必要はありません。しかしゲームは長時間プレイするのが普通です。またゲームの世界にどっぷりと没入してプレイするのはもはや普通です(ゲーム開発者もいかに没入して遊んでもらえるかを重視している)。しかしそこでディスクの交換を求められたら、プレイヤーとしては没入感を損なわれてしまいます。せっかくゲームの雰囲気に馴染んでいたのに、ディスク交換を求められるメッセージが画面に表示されると意識を現実に戻されてしまいます。また、ゲーム機からディスクを取り出して、ディスクケースに戻し次のディスクを取り出してゲーム機にセット。その後ゲーム機がデータを読み込んで画面に映像を出し、スピーカーからBGMが流れ出すまでの間に気分がすっかり冷めてしまうなんてことも起こるのです。そこで登場したのがDVD-ROMです。

CD-ROMでは基本的に1枚のディスクに1層の記憶層しかもつことができません。最大容量としては700MBです。一方DVD-ROMは片面1層に4.7GBのデータを記録できるだけでなく、片面に2層の記憶層をもたせることができます。つまり片面で最大9.4GB記録できます。また、あまり見かけませんがDVD-ROMは両面にデータを記録することができます。当然両面に2層ずつデータを記録することができるため、両面2層の場合は最大で18.8GBもデータを記録できます。しかもCDと同じ大きさであるにも関わらずです。この容量の大きさに今までCD-ROM4枚組で供給されていたゲームもDVD-ROM1枚で供給することができ、映像も音声もさらにたくさん収録が可能となり、DVD-ROMで出るゲームはもはや美麗な映像でしゃべるのが当たり前となりました。声優さんの仕事もこれまでアニメや映画の吹き替え、テレビのナレーションや音声ガイドに追加してゲーム音声の収録が追加されるようになりました。

では、半導体ROMと光ディスクROMとの違いですが、まず生産する際のコストが大幅に削減できるようになります。半導体ROMはどうしても金属部品であることと、1バイトにかかる保存容量のコストが割高になる傾向があり、価格の割に容量が低いということが普通でした。しかし光ディスクはコストが安くすみ大容量化が簡単にできます。例えばスーパーファミコンがゲームの中心であった時代、大容量の半導体ROMを使用したゲームソフトの金額は1万円を超えることも普通でした。しかし、プレイステーションがゲームの中心になってからはCD-ROMでの供給となったため、ゲームの価格がだいたい5,000円前後になり、しかもゲーム映像が綺麗になっただけでなく音声も出せるようになり、半導体ROMでは仕様上できないようなゲームもいくつも登場しています。

こうしてみると半導体ROMよりも光ディスクROMのほうが優れているように見えますが、もちろんデメリットもあります。まずはデータアクセスについてです。ランダムにアクセスする場合も含めて、データアクセス速度に関しては記憶媒体と機械が一緒になっている半導体ROMのほうが優れています。光ディスクの場合はドライブに光ディスクを入れ常に回転させていなければなりません。つまり、欲しいデータがあった場合でも光ディスクの特定の場所までディスクを回転させる必要があり、すぐにデータを取得することができません。HDDも磁気ディスクを使っていますが、光ディスクの回転数はとてもではありませんがHDDとは比較にならないくらい遅いです。ゲーム専用機ではそのデータアクセスの遅さがネックになり、場面などが切り替わるときは読み込みが必ず発生するため読み込み完了まで待たされることもしばしばあります。ゲームソフトの仕様によってこの待ち時間が変化します。さらに光ディスクは記憶容量が増えるほどアクセススピードが落ちる傾向にあり、CD-ROMよりもDVD-ROMはデータへのアクセスが遅く、ブルーレイROMでは更に遅くなります。

というわけで現在ではゲームに関してはゲーム機にフラッシュメモリが搭載されていて、そこに光ディスクやダウンロード販売でダウンロードしたゲームのデータをインストールして、データアクセスにかかる時間をできるだけ減らす傾向にあるようです。フラッシュメモリの記憶容量も徐々に増えてきていますし、DVD-ROMでも複数枚に渡るようなゲームも出るようになりました。ゲーム専用機でも最近のものはシステムソフトウェアが低容量のEEPROMやフラッシュメモリに記録されており、場合に応じてシステムソフトウェアをネット経由でダウンロードし、半導体メモリに上書きして最新版のシステムソフトウェアにすることで、スマホとのデータのやり取りができるなどの様々な機能が開放されることもあります。

最新のゲーミングPCやゲーム専用機ではもう光ディスクのドライブはオプション扱いになっており、必要に応じて外付けにしてUSBで接続することが増えてきている傾向にあります。今はUSBメモリも記憶容量が増えてきており扱いも光ディスクより楽になっています。Windowsでも以前はリカバリーディスクをDVD媒体で作成していましたが、現在ではUSBメモリに作成する方向に変わっています。ゲーム専用機でもソフトをダウンロード販売で購入後、本体内のフラッシュメモリにインストールする方式が主流になりつつあり、今後は光ディスクの活躍の場は徐々になくなっていくでしょう。今は音楽はCDとダウンロード販売での供給になっていますが、いずれはダウンロード販売のみになっていくと思います。

というわけで光ディスクROMについてお話させていただき、今後の展開を私なりに予測してみました。皆さんはどう思われますか?では次回のブログネタですが、次回はポインティング・デバイスについてお話させていただければと思っています。ポインティング・デバイスという言葉についてあまり聞いたことがないという方もいらっしゃるでしょう。簡単に言うとマウスカーソルを移動させ、コンピュータに対して命令を出すための装置です。一般的にはマウスですがそれ以外にもデバイスがいくつかあります。ご興味がありましたらまたお立ち寄りください。それでは失礼いたします。

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