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VCT PAC「ZETA vs PRX(MAP1 SPLIT)」感想と考察 ~手痛い完敗、シード権入手への厳しい道のり~

VCT PAC WEEK7 DAY1

今週行われたのはPACFICリーグ第7戦、残るはこの試合を含めて3戦。プレイオフでのシード権獲得に向けて重要な試合、同じくシード権を争うチームとの直接対決のみが残る熱い展開となっていますが…

Twitter予想では圧倒的ZETA。XQQコーチの対策しやすい発言や過去戦績から見ると妥当な数字な気もしますがその結果はいかに。

MAP1 SPLIT(PICK:PRX)

動画リンクはこちら

結果はPRXの勝ちとなりました。どこかエンジンのかかっていないような、今までのZETAの中でも最もぬるっと負けてしまったように見えた試合でした。

MAP1考察

まずは編成の違いから見ていきましょう。
ジェット/レイズでの2デュエを採用したPRXとスカイ/KAYOの2イニシを採用したZETA。PRXはより戦いに重きを置いており、ZETAは戦術を相手に押し付けれるKAYO採用で、索敵を増やしつつ好戦的にも出れる編成。
1キャラ違うだけでここまで個性の出るVALORANTは面白いですね(笑)

ラウンド毎考察

ラウンド4

ZETAの守り側スプリットの真骨頂は完璧なミッドコントロールにあり、PRXはこのミッドに対してあまり関わりにいかない速いラッシュやドライを多用してくる姿が試合を通してみられました。
このラウンドではPRXの基本となるAの攻め方が現れていたと思います。

攻め方の順序として
①サイト内にラッシュ(ヘブンはほぼ無視)+スロープホールド
②サイト内に1~2人残して他でスロープ進攻(ミッドを遅れてラーク)
③オープン設置を抜く
が基本となっており、ミッドに人が多くAをリテイクにしがちなZETAに刺さる早めラッシュとなっています。
スロープからヘブン取り返しの際もスキルで取り返すというより、基本正面からファイトしていくのでかなりPRXらしい戦い方ですね。

おそらく対策としてはこの後Lazさんがラウンド11で見せるサイト内の耐えのような動きをするしかなく、あまり1人行動をしない傾向のあるZETAには有効だと思います。

ラウンド5

このラウンドはZETAがエコなのですが、とても効果的でパワフルな動きをしていました。
おそらくエコだからなのでしょうが、TENNN選手がドライでズカズカエリアを取りながら強気に撃ち合う姿勢はかなり良かったと思います。撃ち合いでは負けていないと思うのでもっとこういう自信に満ちたプレーが見たいです。

ラウンド11

このラウンドはLazのスーパーエースが見れたラウンドですが、エリアコントロールという面ではZETAが不利を取られ続けたラウンドとなっていました。

ZETAはPRXが攻めてくる直前まで相手がどこにいて、どこを取っていて、どこに攻めようとしているのかが分かっていません。

赤線:PRXの取れてるエリア
青線:ZETAの取れてるエリア
黄線:両者未知のエリア

おおまかですが、このような状況だとZETAは警戒する場所が多すぎて攻められてきたときにかなり辛くなります。
エコの時にしか見せていませんが、もっと相手に対してドライでエリアを取りに行ってほしいと思うことがこの試合かなり多かったです。

ラウンド13

攻守交替して最初のラウンド、mindfreak選手の強気のエリア取りでPRXはかなり有利にラウンド進められた事がわかるラウンドとなっています。

Bメインの守りアストラの位置に注目

このBメインのように強気にコントロールしているエリアがあると、一気に人数をまとめられ攻めるのが難しくなってしまいます。
ZETAは左右に動き相手を混乱させようとしますが、両サイト中の情報が無く攻め遅れる結果となってしまいました。
ZETAの守り側で一切見られなかった動きをPRXは行って有利に進められていることが分かります。

ラウンド17

あんなにドライで詰めていたPRXも相手がエコだと詰め待ちを徹底しており、このあたりがただのWgamingではないところだと思います。

ラウンド19

勝負が決まるラウンドですが、このラウンドも強気なPRXがいかに試合を支配していたかを表すラウンドでした。

赤線:PRXのd4v4i選手の位置
青線:ZETAの取れているエリア

ZETAはミッドでsmthオペをうまくかわしてAへ行くのですが、そのあとd4v4i選手はドライでミッドを詰め、裏取りがないことを完全に確認します(さらっとmindfreak選手もBメインを取っている)。
f0rsakeN選手のシーカーで全員の位置が分かり、Aには3人となると厳しくこのマップを落とします。
ここでも相手の強気なエリア取りで追い込み漁状態になってしまっていました。

MAP1総括

完全にドライ負けでしょう。ラウンド5でもわかるように撃ち合いでは負けていないので、ZETAもドライでエリアをとりに行けばまた違う展開になったかもしれませんが、PRXはZETAがドライでのエリア取りをしたがらないことを活用したとも言えます。
DRXなんかはPRX相手にドライを待ちで狩りつつ、自分たちもドライでエリアを取るという盤石+強気の王者ムーヴをして完封していましたが、今の時代ZETAももっとドライを多用していかないと厳しいと思います。
常々言いますが、撃ち合いではPACリーグでも全く引けを取っていないと思いますし、もっと自信のあるプレーでエリアをとっていかないと世界戦でLOUDのaspasやFNCのDarkeみたいなプレイヤーを相手にすることはまず無理でしょう。

というわけでMAP1スプリットの感想・考察は以上になります。第2マップはやるかわかりませんが、本日行われる「DFM vs DRX」のほうがおもしろかった場合、そちらにしようとも思っています。


それでは今回も最後まで読んでくださった方いらっしゃいましたら、ありがとうございました。

著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki

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