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血統の恩恵を受けている主人公について

憧れていた少年漫画の主人公は努力ではなく血統のおかげで強くなってて萎える…なんて人もいるかも知れません。

でも本当に血統の恩恵を受けて強くなってる奴らばかりか有名作品の主人公を例に考えていきます。

まず、血統の恩恵を受けているというのは親や先祖のスペックを受け継ぐだけでなく、その血統が生み出した環境的な要因も含みます。
そしてそれが物語上でプラスに働いている時、血統の恩恵を受けている血統主人公とします。



『ONE PIECE』モンキー・D・ルフィ

祖父が海賊王と何度も争った伝説の海兵。海軍の英雄とも呼ばれる「モンキー・D・ガープ」
父親は強大な力を持った世界政府に唯一対抗する組織革命軍のリーダー「モンキー・D・ドラゴン」です。

そして「Dの一族」でもありますがDは直接的な血縁関係が無くても受け継がれていくもの。思想という表現が近いので血統とは関係ありません。

ルフィの成長において、ドラゴンは全く関係ありません。ルフィ自身全く会ったことがないそうなのでドラゴンの影響はルフィにはありません。

ガープに関してはルフィのことを気にかけてはいたそうですが仕事で忙しく知り合いの山賊にルフィを育てるよう命じていました。

その山賊の元でルフィはエースとサボと出会い、野性的な勘や生命力を身につけました。

これは血統のおかげですね。

しかし、ルフィの強さに最も影響を与えているのが悪魔の実シリーズの一つ「ゴムゴムの実」の能力です。

ゴムゴムの実はルフィがシャンクスと出会った事でたまたま口にしてしまいました。
ゴムゴムの力はシャンクスと出会った事が要因なので血統ではないです。

そしてゴムゴムの力で”偉大なる航路”の前半の海まで勝ち上がって行きました。

新世界編に入ってからはゴムゴムの力ともう一つ、
「覇気」という力を使います。

覇気には3種類あって「覇王色」「見聞色」「武装色」です。

覇王色の力は元々の素質によって持てる人と持てない人がいるのでルフィは血統のおかげです。
しかし覇王色は簡単に説明すると雑魚狩りの能力なので戦闘で強者と戦うルフィは全く使いません。

武装色と見聞色は後天的に身につけ鍛える事が可能でルフィはロジャー海賊団副船長・冥王シルバーズ・レイリーに鍛えて貰いました。

なぜレイリーに鍛えて貰ったかというとシャンクスがレイリーにルフィの話をしていて実際ルフィに会った時、レイリーの友達を助けたりしたので修行をつけてもらえることになりました。

これはシャンクスの影響とルフィ自身の行動の結果なので血統は関係ありません。

結論として『ONE PIECE』の主人公モンキー・D・ルフィは血統主人公ではありません。

『NARUTO』うずまきナルト

先に言っておきます。ナルトは血統主人公です。

九尾を封印された里の落ちこぼれ忍者うずまきナルト

ナルトが強くなった最初の要因は伝説の三忍・自来也の修行によるものです。

実は伝説の三忍・自来也はナルトの父親の師匠でした…自来也自身それを知っていて、九尾が封印され悪い奴らに狙われているナルトを鍛えました。

そしてナルトが九尾を封印された理由がナルトの父親四代目火影・波風ミナトとその妻・うずまきクシナが里を守る為でした。

元々クシナに封印されていた九尾を仮面の男が解放し、九尾を使って里を滅ぼそうとしたとこをミナトとクシナが抵抗し、残り僅かな命を犠牲にしてナルトに九尾を封印して死にました。

ナルトが九尾の器になった理由は四代目火影の息子で身体が頑丈で生命力の強いうずまき一族の血を継いでいたからです。

結果的にナルトは九尾と和解。九尾のチャクラを引き出す事に成功し、とんでもない強さを手に入れます。

しかし血統というのは失礼なくらいナルトの強さの理由があります。

それは忍の祖・六道仙人の2人の息子の1人アシュラの転生者だという事です。

アシュラの転生者(ナルト)はもう1人の息子インドラの転生者(サスケ)と闘う運命にあります。

インドラの転生者は写輪眼を持っているので必然的にそれに対抗出来るくらい強くなります。

それにアシュラの転生者という事で六道仙人から六道の陽の力を受け継ぎ六道仙人モードにもなっています。

ナルトは血統主人公…それを超えた主人公です。

『BLEACH』黒崎一護

「卍解!!」でお馴染みの『BLEACH』の主人公一護。

彼は人間ですがルキアから死神の力を受け継ぎ、
死神代行として戦って行きます。

一護は『BLEACH』世界に登場する全ての力を持っています。
※死神、虚(完現術)、滅却師

でも私自身あまり血統主人公とは思えません…。

一護はまず父親の一心が十番隊隊長でめっちゃ強いです。
そして母親の真咲は純血の滅却師です。

そして真咲の中には「ホワイト」と呼ばれる死んだ死神の魂魄から作られた人工虚の力がありました。
一護が生まれた時に滅却師の力と共に虚の力も受け継がれました。

そしてその虚が斬魄刀と同じ作り方で作られたので一護の斬魄刀となり、虚化もできるようになりました。

この様にして一護の基礎的なスペックは出来あがりました。

しかし黒崎一護は血統の恩恵を存分に受けているのにも関わらず、弱いのです。
最終章ではほとんど活躍していません。
他のキャラの能力が強すぎるが故にです。

なので設定上は血統主人公なのは確かなのですが本篇の活躍を見る限りそうか…?と疑問が出てきてしまうのです。

『DRAGON BALL』孫悟空(カカロット)

『DRAGON BALL』の悟空は戦闘民族サイヤ人で戦闘能力が高いです。

父親の下級戦士・バーダックはOVAでは超サイヤ人になっていますが原作にはそんな設定はないので無視します。

つまり悟空の血統は優秀ではありません。
サイヤ人の王子ベジータと張り合っていますが悟空は仕事も子育ても家事も無視して修行に励んでいます。

死んであの世に行っても修行してます。

完全に努力で勝ち取った戦闘力です。

『鬼滅の刃』竈門炭治郎

竈門炭治郎は水の呼吸と日の呼吸を使いこなす事ができ、痣持ちで透明な世界にも入れます。
また、異常な嗅覚も持っています。

竈門家は偶然、縁壱から日の呼吸を伝承され代々伝え続けてました。
日の呼吸は使いこなせる人とそうでない人がいるので竈門家の血統がなければ炭治郎は日の呼吸が使えてなかったかもしれません。

しかし、炭治郎は血統主人公ですが作中最強という訳ではなくもっと強い人達が沢山いるので何とも言えないですね…。

『HUNTER×HUNTER』ゴン・フリークス

『HUNTER×HUNTER』のゴンは父親が5本の指に入るハンター・ジンの息子です。

ゴン自身、父親譲りの強さでハンター試験をクリアします。

その後はジンの用意したグリードアイランドというゲームで知らず知らずのうちにゴンは力をつけて行きます。

ゴンは世界のどこかにいるジンを探すためにハンターになりました。

ジン自身もそうなるだろうと予測して自分の息子であるゴンを強くするために色々用意しています。

もちろん、ゴン自身の人柄で作り上げた人脈でゴンが修行したりもします。

しかしその修行で大幅に成長できるのも父親のジンから受け継いだ才能あってのモノなのでゴンは血統主人公です。

血統主人公の苦労

とりあえず血統主人公として名前が挙げられやすい人気作品の主人公を紹介していきました。

他にもがっつり血統主人公のジョジョシリーズなどがあるが血統主人公故の辛い運命もある。

それは無関係な過去の因縁に巻き込まれがちなのだ。

ジョジョ等はその代表である。
ジョナサン・ジョースターから始まったDIOとの因縁はジョナサンの孫ジョセフ、その孫の承太郎、その娘の徐倫まで続いた。

徐倫なんかはその血統の運命によって冤罪で刑務所に入れられてしまう。
そして戦いに巻き込まれたのだ…。

もしジョースターの血を継いでいなかったら今頃、ボーイフレンドと幸せに過ごしていたかもしれないのに。

『ONE PIECE』のルフィは血統関係なく大事件を起こしまくってるので関係ないですね。

『NARUTO』のうずまきナルトなどは九尾を封印されたせいで酷い目に遭っていますし血統主人公にはそれなりの辛い運命が待ち受けていてそれを乗り越えなくてはいけないのです。


何故、血統が優秀な主人公が多いのか?

何故、血統が優秀な主人公が多いのか、考えてます。

血統が良いことのメリット

後付けパワーアップがしやすい
因縁を作りやすい
壮大なストーリーにしやすい
親世代の話はワクワクする
強さに説得力が増す

なんやかんやでアクション物の少年漫画と相性が良いんですよね。ワクワクもしますし。

血統が良いことのデメリット

後付けと批判されない為に序盤に匂わせなくてはならない
壮大な因縁を読者が納得できるように終わらせなければならない
パワーバランスを崩しやすい

物語を綺麗にまとめるのが難しくなりますね。

ですがメリットの方が大きいのでもし私が漫画を描くとしても血統主人公にしますね。

血統主人公を批判する人の気持ちもわかりますが血統を開花させる努力もしているので優しい目で見てもらいたいですね。


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