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【エッセイ】ユースホステルへの思いは複雑

今年9月のNHKのドキュメント72時間で、礼文島のユースホステル「桃岩荘」に密着してた。

いやぁ、学生時代だった1980年代。北海道には三大キ●ガイユースっていうのがあって、それが礼文と斜里、襟裳岬にあるユースホステルで。

「キ●ガイ」というのは、羞恥心を完璧に捨てる必要があるという意味。ユースホステルというのは、世界的な安宿システムで、ペアレンツという支配人(オーナーの場合も)の下、ヘルパーというバイトさんたちがいて。宿泊費が安いけれど、毎晩「ミーティング」と称する集会があって、ヘルパーさん中心に地元の話をしたり、歌ったり踊ったり。

で、斜里ユースホステルの名物はUFO踊り。UFOの目撃談が斜里にあるそうで、UFOが斜里にやってきたと歌って踊るのが、このユースの決まりだった。そういうのがだんだん嫌な人が増えてきて、ユースホステルは全国で激減、北海道の三大キ●ガイユースでの残っているのは、礼文の桃岩荘だけに。

しかしここでは、あの雰囲気が相変わらず健在!宿泊客ぐるみで新しいお客を出迎えたり、トレッキングから帰った人を踊りで出迎えたり。港でのフェリーの見送りは、ユースに関係なく礼文島に行った時に目撃していたので、「ああ、まだあるんだ〜」とは思っていたのだけど。

そういえば中学生の頃、学校で「ユースホステル同好会」を作って、顧問の先生にもついてもらって、何度か旅行もしていた。名前の通り、旅の間は必ずユースホステルに宿泊する。

ところが、中学生の時って、なんかミーティングとか知らない人に話しかけるのとか、なんか恥ずかしいんだよね。で、どのユースにもちょっとイケメンのヘルパーさんがいて、若い女性の宿泊客に受けてたりして。オレ達中学生(しかも男子校^^;)はやっかみ半分、そんなヘルパーのことを「キザヘル」(気障なヘルパーって意味)とか影で呼んで、ウサを晴らしていた。暗い青春だ…。

さて今の桃岩荘の話。「あの」雰囲気が懐かしい人にはたまらないんだろうな〜というオジサン、オバサンから、若い人も泊まってるみたい。オレはもうあの雰囲気よりもリッチなリゾートホテルの方が好みなのだけど、行ったら行ったできっと楽しんじゃうだろうという気がする。もう男子校中学生じゃなく、いい感じにくたびれたオジサンなのでね。

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