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水辺にいこう。パリピじゃなくとも。

水辺が好きだ。
とくに、雲ひとつない青空の下の、水辺。

風のにおいを感じながら、一歩、一歩と足を進める。それだけで、頭の中のモヤモヤがどこかへ吹っ飛んでいく。

私はおそらく、パリピではない。

もしナイトプールに行ったら、アウェイな空間に落ち着かず、手が震えてスマホを落としてしまうだろう。

そんな、多分パリピではない自分が心躍った北海道の水辺を挙げてみる。


①ジブリごっこ@積丹

限りなく続く青。「積丹ブルー」。
この青を目指して、道外からもお客がやってくる。

近所の海だってもちろん青いけど、積丹は別格。この青を見たら、嫌でもテンションが上がる。

さて、テンションが上がってすることとして、
まず映画ポスター撮影ごっこが挙げられる。
私たちももれなく、撮影ごっこに興じた。

どっかで見たことある。
なんだっけ。

ジブリだった。
いまにもひこうき雲が見えそうだ。

さらっとこんな写真が撮れた風に装ったが、
もちろんNGもいっぱいあった。

ちょっと遠い。そして表情に照れがある。

向きが逆。

もうちょっと。

顔がしぶい。向きはいいんだけど。

まぶしい。

これこれ。落ち着く。

ていうか、水辺写ってないじゃん。
でも、水辺に行ってテンション上がったのは、
ほんとだよ。

CM撮れそう。ポカリスエットの。

また積丹に行きたい。

文字ボツ。ダサい。



②モデルごっこ@釧路川

釧路川。霧がかってることが多いので、明かりがぽわーっとして幻想的。

河川敷はちょっと広め。
しこたま飲んだ帰りに、てくてく。
歩くだけでもワクワクする。

モデル気取りでポーズをきめる。
なにこれ楽しい。

よくわかんないポーズ。

像と一緒に。

壊れた。アルコールがまわりました。
同行者はこれを地球儀に見立ててゴー★ジャスごっこしてました。

カラオケの背景映像とか撮れそう。
ストリートファイターの舞台にも見える。
ゲームやらないけど。

人口が少ないからなのか、こんなにロマンチックなのにカップルは皆無でした。

我々、ベロンベロンに酔っ払ったアラサー2人のみ。貸し切りわーい。

また釧路川に行きたい。


③ラフティング @ニセコ

「ラフティングはパリピの道楽ではないか?」そんなクレームが聞こえてくる。

もちろん、それは私も理解している。
ラフティングはパリピの道楽だ。

そもそもジャンプはパリピ階級の特権であるし、パリピ外のジャンプは年2回までと決められている。

この時、年度初のジャンプだったので許してほしい。

「一生に一度はラフティングすべき」と各方面から常々聞かされていたので、「しょうがねえ、ならやってみっか」と重い腰を上げてチャレンジしてみたのである。

お盆ということもあり、かなり混んでいる。
ボートは15隻くらいあっただろうか。

レンタルしたウェットスーツとライフジャケット、ヘルメットを身につけ、パドルを握る。
10人は軽々乗れそうな黄色いボートに1人ずつ乗り込む。

メンバーはインストラクターのお兄さん、大阪から来たという女子2人、友人3人と私だ。
お兄さんはパリピ常連という雰囲気だった。

ちなみに、写真はお兄さんが専用の防水カメラで撮ってくれた。カメラを落とす心配もない。パリピでなくとも安心だ。

ラフティングは、みんなでパドルを漕いで、川を下っていくスポーツだ。
岩や木々といった障害も、協力して、漕いで避ける。急なカーブもみんなで曲がる。チームワークがなにより大切なのだろう。

乗り込んで早々。全員が川に落とされた。
天と地がひっくり返った。

ライフジャケットを着ていたので溺れることはなかったが、不意打ちで落とされると、水という水が鼻に入る。

お兄さんがニヤニヤしている。絶対わざとだ。

どうやら、ラフティングは「みんなで協力して川を下るもの」ではなく、「自分以外は全て敵で、どうにかして敵を川に落とすもの」らしい。

仲間と協力してパドルを漕いでたと思いきや、一瞬にして川に落とされる。人は信用してはいけない。大自然の人狼じゃないか。

こうなったら、意地でも落とされてたまるか。

落とされた友人。

2人で生き残った。笑み。

またもや落とされた友人。

一人勝ち。満面の笑み。
最初に落とされた以外は全て生き残った。

よくよく考えてみると、突然落としてきたのは全てインストラクターのお兄さんだった。敵はお兄さんだけだったのだ。
友よ、信用しないとか言ってごめん。

真夏だったから川の流れが緩やかだったけど、春は雪が溶けて増水するから激流なんだそう。
激流シーズンはドSなお兄さんでも川に落とすのを遠慮するそうだ。

ゴールに近づいた浅瀬で、他のボートが待っていた。ボートを3段重ねて、飛び込み台を作っていた。ずんずん登ってみる。

恐る恐る、川へとジャンプする。
水という水が鼻に入る。

なにこれたのしい。

最後の最後に滝があったので、打たれてみた。水圧で体が吹っ飛びそうだ。

煩悩を思い浮かべる余裕もなかった。
ただただ笑顔である。

一生に一度はラフティングすべきである。
2時間であそこまでモヤモヤを水に流せるイベントはなかなかない。

ただ一つ言えるのは、かなり体力を要する、ということだ。

これは3年前の体験であったが、今やっても当時と同じ熱量を使える自信はない。

ただ、今より若い日はない。
そこに川があれば、今すぐラフティングしたい。そしてボートから落とされたい。


今、なかなか行けない水辺を挙げてみた。
外に出れるようになったら、水辺で思いきり遊んで、今日までのモヤモヤを全て水に流したいものだ。