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三麻 手牌構想のすゝめ

 三麻と四麻の一番大きな相違点は、手牌が進みやすいことだ。有効牌を引いてくる確率が違う。三麻は進めていく中で最終形を意識することが重要であるある程度の牌効率と降りの技術があれば、手牌構想をするだけで勝てる、とまではいかないが勝ちやすいし楽しい。そんな手牌構想の戯れ言を話す。
四麻の手牌構想と違うことは、チーなしで構想すること、そしてある程度の染めの材料と打点が確立されていることである。

南1局 2巡目 ラス目 抜きドラなし

浮き牌の最終形を切って5sを引いてきたところ。ここで最終形を想像する。牌効率を意識すると7p。お手本のような5ブロック打法であり、6pはカバーできるので実質的な裏目は9pのみである。ということで7pを選択。     ……本当にそれで良いだろうか。三麻は自由である。有効牌だって引きやすい。ここで手牌構想の時間だ。
私はここで8pを切った。要は一気通貫を見たのだ。ここでメンピンを上がるより一通に仕上げて索子で1雀頭1面子を作ろうと意識した。打点の種を考えての選択である。
もちろんこれが正解かどうかは分からない。が、この手牌を構想してそこに向かった。

7巡目 北を1枚抜いたところ

索子で1面子が完成し、1枚切れの東を引いた。現状36pと69pの平和ドラ1高め一気通貫の一向聴。安全度を考えて5sを切って東を抱え込むのが普通。
でも私はそうしなかった。ここで東をツモ切った。果たしてどんな最終形を想像して東をツモ切ったのか。5sにはどのような意味があるのか。
答えは6pが二度受けだから5sにくっついたら1p2pを切るから、ではない。この時私は索子待ちに自信がなかった。6sなど引いてもツモ切っていただろう。唯一4sだったらドラが1枚増えたこともあって、1p2pを外していたかもしれない。では何を構想していたか。……私は自分の手牌を七対子に見せるために5sを残したのだ。

再掲

今回、ムダツモが多く、しかもそれが既に手牌に使われているツモばかりだった。なのでそれを利用し、しかも全て手の中から切った。そして5sを最終手出しにして立直することで、赤5sを待っていた七対子立直に見せようとしたのだ。自分に字牌が流れてきていない分、相手に字牌が多く存在することが多い。それも兼ねてブラフをかけた。
もちろん、これが正しい選択かどうか分からない。安全度を取った方が良かったかもしれない。ただ、これが"手牌構想"なのだ。手牌を進めていく中で最終形を意識し、はっきりさせていく。そしてやりたいことをやっていくのが何より楽しいのだ。

10巡目 丁度ドラの發カン、親のポンが入ったところ

両者の攻めっ気が見えたところで構想通り9p引き聴牌。これが最終形なので立直で真っ向勝負!……ただ宣言牌の5sが上家に掴まり、南ドラドラの1本場で箱ラス試合終了。人によっては避けれていたかもしれない。そもそも8pを切っていれば一向聴のままでこの勝負に参戦しなくて済んだかもしれない。選択は残酷である。ちなみに發カンの後すぐに場が動いたが、發カンが起きた時点で七対子に見せる理由が薄くなるので、次に安全牌を引いたら抱えようと考えていた。構想は局が流れるまでずっと続くのだ。

ということで手牌構想の沼に招待した。思っているよりも三麻は奥が深い。打点が作りやすい点をいかに生かすかにかかっているのだ。

おやすみなさい。

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