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ラノベ13話




あらすじ:作者は単独ライブがあり
ネタを書いたり小道具を作ったりバタバタな毎日を送っていて、すっかり「更新を忘れていた」というより、「存在を忘れていた」
ただ、困る者は誰一人居なかった。


     【魔王様は倒されたい#13】


「、、、まだうーっすらと見えるの気になるけど、、」
と、25分以上かけて、ゆーっくり消えていく鑑定士を横目に、私は扉の向こうに居るツェシを読んだ。

「あのー、勇者パーティー倒した事やし、例のステータス変えるヤツやりたいのよ」
『あぁ、カスタ魔王ですね!』
「あれっ?そんな名前やったっけ?」
『いえ、違います。魔王カスタマイズです』
「え?じゃあなんで1発目に“カスタ魔王”なんて言ったん?」
『そっちのほうが、、、響きが良いと、、うっ。思ったんで、、』
「泣くなって、ごめん、言い過ぎた。いや、全然言い過ぎても無いけど。ごめんな。
私も魔王カスタマイズより、カスタ魔王の方が良いと思うよ。」

さっき勇者パーティがドロップした《木綿豆腐のハンカチーフ》を差し出し、慰める。

最近の子は、こんな事で泣くのか。。

彼女が泣き止むのを待っていたら、定時になり、私は目覚めた。




          ❇︎


(あーぁ。ちゃっちゃと、弱点を目薬から元の鍋のフタに変更したかったのに、結局出来へんかったなぁ〜。
ま、今夜変えるか。。しかし、あんな事であんな長さ泣けるか??1時間以上泣いてたで??)

等と考えながら会社へ向かい歩いていると、後ろから元気な声と共に背中を叩かれた。

『おっはよ〜ございます!!先輩!!』

声の正体は、やはり、ほまれだ。

「おぉ。。お前な、“おっはよ〜ございます”って言いながら背中叩く時はだいたい、平手で肩の辺り叩くねん。なんで拳でレバー辺りどつくねん?」


と、小言を言いながら、握られたままの、ほまれの拳を見る。

「お前、中指だけ突き出して握ってるやんけ!鉄菱やんけ。真島くんがすっとばす時やんけ!」


※鉄菱


『すみません〜!殺すつもりは無かったんです。』

「それは殺した時言うねん。オレはまだ生きてるやろ。
でもまぁ、今日は元気そうで良かったよ。」

『はい!!昨日はバイトが無かったので、リフレッシュ出来ました!!でも、今夜からまた連勤なんですけどね〜↓↓』

「ま、バイトの人間関係でそこまで落ち込んだり出来るって事は、それだけ真剣にバイトに打ち込んでいるって事だ。
ま、本業の方も、それだけ真面目にしてくれたら良いんだけど。」

『あっ!ひっどーい!!』

「ハハハ。ハハハ。」

『、、、、。ぷっ!ハハハハハハ!!』

「ハハハ。」

『ハハハーッ』

「ハハハハハハハハハ!!ハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。あー、、、。ハハハハハハ。』

「ハーッハッハハハハ!!ハハハハハハハハハハハハーッ!!ハハハーッハーッハッハハハハハハハハハハーッ!ヒーッ。。あー、、また来た。ハハハハハハーッハーッハッハハハハ!!」

『ハハハーッハーッハッハハハハーッハーッハッハハハハハーッハッハハハハ!!ハーッハーッハッハハハハハハハーッハーッハッハハハハーッハーッハッハハハハハハハハハハ!!、、、。ブッ!!ハハハーッハーッハッハハハハハハハハハハハハハ!!!』

「ハハハ!」

『ハハ。。』

「、、、、、。ハーッハッハハハハハハハハハハハハハハハハーッハーッハッハーッハーッハッハハハハハハハハハハハーッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハヒーッヒーッヒーッヒーッヒーッハハハブッブッブッヒーッハハハハハハハハハーッハーッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハーッハッハーッハーッハッハハハハハハハーッハーッハッハハハハハハハハハハーッハーッハッハハハハハハハーッハーッハッハハハハーッハーッハッハハハハハハハーッハーッハッハハハハハハハハハハハハハハハハーッハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハーッハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハハーッハッハハハハ!!!』

「あれ!?今、何時!?」

『あ!ヤバい!!もう2時間遅刻してます!!』

「最悪や。」

『でも、先輩と出会った時、既に1時間半遅刻してましたよ』

「ハハハ」

『ハハハ』

「、、、、、。部長に怒られるかな?休もうかな。。」

『私も休みたい。けど。なんか2人で休んだら、変に勘繰られて私たちデキてるって思われるの、なんか癪に触りますね。』

「たしかに変な疑われ方しそう。。。
ん?あれ??俺とデキてるって思われるの、癪に触るレベルで嫌なん??
いろいろ相談も乗ってるし、もう少し好感度ある思ってた。。」

『なので、2人で休むのは怪しまれるので先輩は出社して下さい。私は休みます』

「いや、オレの出社、勝手に決められるの?オレも休みたいわ!お前が出社しろよ!」

『私も出社したくない!!先輩が出社してください!』

35を超えた大人が、どっちがズル休みをするかの醜い喧嘩をはじめて30分。
もう既に2時間半遅刻が確定した頃、ようやく折衷案がまとまった。

『じゃあ、先輩が先に出社して下さいね!私、そのあたりで時間を潰して、更に7時間遅刻して行きますんで』

「はいよ!」
としぶしぶ出勤する。

(、、、、。よく考えたら、9:00〜18:00までの勤務で今の時間が11:30。7時間遅刻したら、18:30で、もう終業時間やないか!!
結局、私だけ出社させて、自分はズル休みするつもりかい!!)
などと思いながら事務所を見渡すと、誰もいない。

事務ロボットに聞いてみた。

『あぁ、部長なら、さっき電話があって、9時間遅刻するみたいです』

「9時間遅刻!?遅刻なんそれ?何があったん?」

『オシッコが昨日から止まらないみたいです。どうにかして9時間以内に止めれる様に頑張っているみたいです』

「昨日からオシッコが止まらん??干からびるぞ!」


(部長居ないなら、2人して出社しても問題無かったやんけ!)
と思いながら8Fの事務所の窓から外を見る。

ほまれが、会社のビルの入り口の前で缶コーヒーを飲みながら地べたに座っている。

(おいおい、“そこら辺で時間を潰して行く”って、そこら辺にも程があるやろ!
出社せずに入り口前で座ってるって何やねん?)


          ❇︎

「ふぅ〜。」
今日は3人分働いてるので、少し疲れた。
時計をふと見る。
時間は18時を指そうとしており、もう退社の時間だ。
(部長は、オシッコ止まっただろうか??)

と心配しつつ、ふと、窓の外に目をやる。

「まだ座ってるやん!!」

“7時間、そこら辺で時間を潰す”と言っていたほまれが、まだ会社の入り口で座っていた。

「ずっと座ってたん?どうせ就業時間越えてしまって出勤出来へんねんから、もう帰れよ!!」

と窓越しのほまれに叫んでいると、道の向こうから、流木が歩いて来た。

、、、いや、流木じゃ無い。
部長だ。

ようやくオシッコが止まったんだ!
でも、半日以上オシッコが止まらず、スーツを来た流木になったんだ。

その流木は、ビルの入り口でほまれと話し、2人してビルに入って来た。


『すみません。9時間遅刻しました』

と、オシッコが止まらず水分が無くなり流木になった部長と、炎天下で7時間地べたに座っていて水分が無くなった上に日焼けで茶色い流木になったほまれ、2本の流木が入って来て、タイムカードの出勤を押して、すぐに退勤を押して帰って行った。



「、、、、、、。何しに来たんや?」



         ❇︎

眠りにつくと、いつもの魔王城で目が覚めた。

よし、勇者が攻め込んでくる前に、さっさと弱点を変更しておこう!!

「おぉーい!!ツェシー!!」

『、、、、、。』

「ツェシー!!」

『聞こえてます。大きな声出さないで下さい』

「お、おう。ごめん。で、昨日の続きの、カスタ魔王をしたいんだが!」

『、、、は?カスタ魔王?何ですかソレ?』

(いや、お前が言い出したんやろがい!)

と思いつつも、また泣かれては面倒なので、

「あ、魔王カスタマイズの事です」

と言い直した。





【あとがき】
アイテム情報:《木綿豆腐のハンカチーフ》


木綿ではなく、木綿豆腐で出来ている。
絹ごしに比べれば硬いが、やはり脆い。
冷たくて、全く水分を吸収しないどころか、少し温めると水が出てくる。
丁度いい紙がなかったので、DAISOのグルースティックの台紙に書いている。

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