陰の付け方が分かればリアルな絵が描ける!?立体感はたった4色で表現できる!?
モノを立体的に描く方法の一つに陰をつけるという方法がありますが、
皆さんは陰をどうやって描いていますか?
なんとなく描いているだけになってないでしょうか?
僕も昔は陰の付け方がよく分からなかったので、取り敢えず端っこに陰描いてました…
陰の描き方には法則がある
が、陰の出来方にはある法則のようなものがあるんです。
それに従えば、もう「どこが陰になるかわからない」とか「どれくらいの濃さで描けばいいか分からない」なんてことにならずに済みます。
立体感と存在感のあるリアルな絵が描けるようになるんです。
という訳で今日は、その立体感あるリアルな絵を描く為の「陰が出来る法則」について説明していきます。また後半ではリアルな絵を描くのに最適な描き方「グリザイユ画法」についても紹介します
では見ていきましょう。
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陰にも薄い陰と濃い陰がある、
陰のつけ方を説明する前に
まずはこの絵を見てください↓
陰と一言で言っても、色々あります、
ちょっと暗くなってる部分と凄く暗くなってる部分があったり…↓
それと、陰じゃない部分も見てください
明るい部分と凄く明るい部分がありますよね?↓
この違いはなぜ生まれるのでしょうか?
……
この違いが生まれる理由こそがリアルな陰を描くための法則なのです。
順番に説明していきますね。
ちょっとややこしい話なので、じっくり読んでもらえると助かります^_^
光に対する面の角度によって差が生まれる
モノを面で捉える
皆さんは「モノを面で捉えろ!」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
……
別に偉人の名言という訳ではないので聞いたことなくても大丈夫です。
モノを立体的に描くには、この「モノを面でとらえる」という考え方がとても役に立ちます。簡単に説明しますね。
形あるモノは全て面で構成されている
この世に存在するあらゆる物体は面で構成されています。6面体、12面体……球体も無数の面の集合体です。
この面に光が当たることで、僕達はその形を目で見ることができます。
そしてそれぞれの面は色んな方向を向いています。
上を向いてる面(天面)、横を向いてる面(側面)、下を向いた面↓
そして、この面の向いている方向によって光が「当たる当たらない」、または「当たりやすい当たりにくい」、という差が出てくるのが分かるでしょうか?
例えば上から差してくる光に対して、下を向いてる面には光は当たらないですし、横を向いてる面にも少ししか光が当たらないです。
つまり、光に対する面の向き(角度)によって物体の明暗に差が生まれるということ。
光に対する面の角度が少しでも変わると、その面の明るさも微妙に違ってきます。
これが立体感を出すポイントです。
もうちょっとややこしい話が続きます↓
光が当たりやすいのは、光に対して正面を向いてる面、または正面に近い角度で面している面です。(図示すると↓)
逆に光が当たりにくいのは、光に対して急な角度で面している面です。(図示すると↓)
(光に背いている面や光と平行な面には光は殆ど当たりません。)
つまり、光に対して面の角度が緩ければ緩いほど明るくなり、面の角度が急になればなるほど暗くなるということ。
身の回りのモノの明暗を観察してみよう
それを踏まえて、一度身の回りにあるものを観察してみてください。部屋の照明に照らされているモノの面の角度とその明暗の違いをみてみて下さい。
「マエコの部屋」より↓
汚くてすみません……
スマホで写真に撮って、モノクロのフィルターをかけると、明暗の差が分かりやすいです
どうですか?観察してみましたか?
面の角度とその角度に応じた面の明るさについては、大体次の表の通りになってるはずです。↓
明るさは0〜10の10段階で、0が1番暗い黒、10が1番明るい白に設定してます。
面の明るさはたったの4段階
リアルな陰影を描くのは一見難しいように感じますが、実は…
モノの立体感はさっきの表の4段階の明暗でほぼ全て表現できるんです。
この4段階(4色)↓
(厳密には面の角度は無限の段階があるのですが、リアルなイラストを描くだけなら、この4色で事足りるという意味です。誤解されませぬよう…)
実際に4つの明暗で描いた作例がこちら↓
これらは全て上の表の4色の明暗で描いてあります。
そしてこれに着色するとこうなります。↓
これがグリザイユ画法
こうゆう描き方を「グリザイユ画法」といいます。はじめに白黒で明暗だけを描いて、後で着色する描き方です。
若干敷居は高いかも知れませんが、個人的に「グリザイユ画法で描けないものはない」と言っても過言ではないくらいオススメの描き方です。
立体感のある絵を描くためには?
ずばり、立体感あるリアルな絵を描くためには、
モノを面で捉えて、それぞれの面の角度を想像し、それに応じた4段階の明暗を描き込んでいけばいいだけなんです。
この描き方は面の境界がはっきりしたモノ、メカとかオブジェ、カクカクしたモノ、環境によって形の変わらないものを描く時に特に有効だと思います。
面を捉えやすいので。
一方、人物や動物などは、面が全てなだらかな曲面なのと、環境やポーズによって形が変わるので面の角度を捉えにくいです。↓
ですが、しっかりと想像力を働かせれば、4段階の内、どの明暗を塗れば良いかはちゃんと分かります。
多少の慣れと練習が必要ですが….
この描き方なら何を描くにしても立体的で確かな存在感を表現できるので、オススメです。
まとめ
意味わかりましたでしょうか?
ちょっとややこしかったでしょうか?
ポイントは2つです。
1.物体の明暗の差は、物体を構成する面の角度によって決まる
ということ。そして、
2.その面の角度はたったの4段階に集約することができ、
物体の立体感はそれに対応した4色の明暗で表現できる
ということ。
想像力を働かせて、描こうとする面の角度を割り出すことができれば、何でも立体的に描けるんです。
(理想を言うと3Dモデルを頭の中でグルグル回転させられるくらいになるのが理想……ですが流石にそんなことは出来ないと思います…
もちろん僕もそんなパソコンみたいな事は出来ません。)
この想像力を鍛えるための方法については、また今度紹介しますね。
今日は陰のつけ方についてご説明しました。
それではまた^_^
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