#10 いざ決戦!衆議院と参議院の違いをおさらい
日本の政治制度をざっくりおさらい
こんにちは、黒崎事務所、秘書のヒショッチです。
今回は、明日からの選挙戦を前にして、日本の政治システムについてお話ししたいと思います。内容は「衆議院と参議院の違い」です。
■日本の政治制度は二院制
日本の立法府である国会には、衆議院と参議院があります。世界の立法府には一院制と二院制があり、日本を含む民主主義的な先進国の多くは二院制を採用しています。
アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダのG7加盟国はすべて二院制です。一方、中国、ウクライナは一院制。他に、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどのように、かつて二院制であったところを一院制へと変えた国もあります。
■一院制・二院制の特徴
一院制と二院制はどちらが正しいとか進歩的であるということではなく、それぞれメリットとデメリットがあります。
二院制の特徴は、立法に関して慎重に検討することができることで多様な意見を反映でき、互いにチェックしあってバランスを取ることができることです。反面、意見の対立により審議が行き詰まり、政治が停滞することも少なくないという点があります。
トップダウンでスムーズに法律を制定したい国々は一院制を採用し、時間や手間がかかっても広く民意を反映する形で法律を制定したい国々は二院制を採用している傾向があります。
衆議院と参議院の役割を一言で言えば、国会を主導するのが衆議院の役割であり、その衆議院の活動を見張ったり補ったりするのが参議院の役割だと言えます。
■衆議院・参議院の違い ー任期と選挙の仕組みー
衆議院と参議院の特色を分けている大きなものに、任期と選挙の仕組みがあります。
まず任期ですが、衆議院が4年、参議院が6年です。
そして、決定的に異なるのが、「解散」の存在です。解散は、内閣の助言と承認により、天皇の国事行為として行うとする7条と、衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合に、10日以内に衆議院を解散するか、内閣総辞職をしなければならないとする69条に規定されています。7条による解散は、事実上、総理大臣が、最も都合が良い時期を選んで決めることができることから、解散権は総理大臣の『専権事項』、『伝家の宝刀』などと言われています。
衆議院が任期中においても、解散の可能性があるのに対して、参議院は6年間の任期中には解散がない点です。
参議院に対して衆議院に強い権限が与えられているのは、任期が短く解散の可能性があることにより、時代の民意をより問いやすいとされるからです。
一方、参議院は、衆議院に対して任期が長く、解散もないことから、世論に左右されることなく長期的な視点で問題を検討することができるとされています。参議院が「良識の府」「再考の府」と言われるゆえんはそのためです。
■衆議院・参議院の違い ー選挙区ー
選挙の仕組みで大きく違うのは、選挙区です。
衆議院選挙では、全国289の小選挙区の各区から1名ずつ、全国11ブロックの比例代表で計176名を選出します。
対して参議院選挙では、選挙区は45区から計74名、全国1ブロック(つまり全国区)で比例代表投票を行います。
衆議院が全ての衆議院議員が辞職しての総選挙となるのに対して、参議院の選挙は3年ごとに半数ずつ行います。参議院議員がいないという状態は生まれません。
では、衆議院、参議院の選挙区の違いによってどのような影響があるのでしょうか。
簡単に言えば、衆議院は地域単位の民意が反映されやすく、参議院は全国単位での民意が反映されやすくなります。
■衆議院・参議院の違い ー議員数、被選挙権条件ー
その他の違いとしては、議員定数は衆議院議員465名、参議院議員248名。議員定数は公職選挙法によってしばしば変化しています。
また、被選挙権年齢は、衆議院25歳以上、参議院30歳以上などの違いがあります。どちらも日本国民のみとなっています。
参議院の被選挙権の方が年齢制限を高く設定されていることにも、参議院により俯瞰的な視点が求められることが表れています。
(被選挙権年齢引き下げの議論もあり、黒崎祐一としても引き下げを進めるべきだと考えています)
■衆議院・参議院の違い ー衆議院の優越ー
審議の停滞を防ぐために、衆議院と参議院の力には差が設けられています。衆議院により強い決定権が与えられているのです。「衆議院の優越」と呼ばれるものです。
衆議院の優越には、「内閣不信任決議」「内閣総理大臣の指名」「法律案の議決」「予算の議決」「条約終結の承認」など様々なものがあります。
衆議院のみが持つ権限として、内閣不信任決議の権利、予算を先に審議する権限があります。
内閣総理大臣の指名、予算の議決、条約終結の承認は両院可能ですが、衆議院の議決が優先されます。
法律案の議決は(衆議院で可決された法案に対して)参議院で否決された場合でも、衆議院の出席議員の3分の2の賛成があれば可決することができます。
■ 二院制の特徴的現象「ねじれ国会」
二院制ならではの現象のひとつに「ねじれ国会」というものがあります。衆議院の過半数を占める党(単一与党、および連立与党)が、参議院の過半数を占めていない状態です。
両院の過半数を同じ党が占めていれば、当然、衆議院で可決された法案は参議院でも可決されやすい状態となります。しかし、ねじれ国会の状態では、参議院で否決される場合が多くなります。参議院で否決された法案は衆議院に差し戻されて、出席議員の3分の2以上の賛成で可決されますが、参議院で過半数を取れない状態は往々にして衆議院での与党の力も弱い状態であり、結果、多くの法案が可決されないということになってしまいます。
参議院において法案が否決されるというのは、衆議院に対するチェック機能がきちんと働いているということでもありますが、法案成立などが滞る状態は国にとって望ましい状態ではありません。
ねじれ国会にならないためには、民意をしっかりと反映した力強い与党による体制が必要となります。
まとめ
黒崎が国政へ挑戦する場は衆議院。選挙区が細かく、より地域の声をダイレクトに反映する政治を行うことができ、より直接的に法案の作成に関わることができる特徴があります。
地域社会と人々の生活の声を国政にダイレクトに届けるために、今後も精いっぱい活動してまいります。今後とも黒崎祐一をよろしくお願いいたします。