営業にとって心強い営業ツール『補助金の申請代行』 まとめ

申請書類作成のポイント(私感) 結論

最初にメモしておきたいのは、補助金申請書類作成では、終始一貫して、
この会社の強みは何か。それを生かして何をしたいか。
を考え続けたらいいのではないかと思っていること。

本当に、それだけじゃないかなと思います。

それが自分なりに見えてきたら、あとは、内容を人に伝えるためにいろんな説明をしていけばいい。
補助金の申請書類を作成させていただいたのは初めてだった上に、後述しますが、全てコロナ対応の特別補助金だったため、私の感覚がどこまで通用するのかはまったくわかりません。が、とりあえずはじめてながら全部で10本の補助金申請を手伝わせていただいた感想としては、こんな感じです。


はじめに

普段は広告枠の営業をしたりwebサイトの制作を請負ったりフリーペーパーや社内報の制作をしたり、その他、イラストを描かせてもらったりキャッチコピーを考えさせてもらったり…としているのですが、2020年の夏は少し様相が違ったので、忘れないうちにまとめるためのページです。

新型コロナウイルスの影響でいろんな領域でイレギュラーなことがあった2020年、私の仕事もすごくイレギュラーで、これまであまり想像もしてこなかった、『補助金申請代行』なる業務が大忙しになりました。

3種類の補助金申請の書類作成を任せてもらい、3種類の中でも特に、小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)については1番たくさんの本数を書かせていただいたので、ちょっとしたマニュアル化なんかができるんじゃないかと思い立って、記憶を辿りながらまとめさせていただいています。

※私の書き方がものすごく採択率がいいと自慢できるわけではありません。まず前提として、小規模事業者持続化補助金自体が、例年採択率3割程度なのが今年はコロナへの対応で8〜9割という驚異の採択率でした。その上で、私が書いたもので結果が出ているのはまだ3本。3本は全て採択されていますが、果たして内容が良かったからかどうかは謎です。今年の場合は、一生懸命書いたら大体採択されているのではないかとも感じています。

そして、これを書いている10月初頭現在、小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)はもう4回目締め切り目前です。ラスト1回が12月頭に締め切りなので、ラストスパートで慌てている方は、もしかしたら何かの役に立つ、、、かも、しれないです。すみません_| ̄|○。追記や追ページしながらもっと役に立つページ作りの工夫します。
あと、
小規模事業者持続化補助金自体は毎年募集されている補助金で、記載内容のボリュームの差こそあれ、基本的な書き方はコロナ特別対応型とそんなに大きくは変わらない気がするため、コロナ特別対応型の募集が終わった後でもここで書く考え方は『まったく持って無駄』というわけでもないかなと思います。

書き始める前に・・・

補助金申請代行は営業マンにとってチャンスだなぁと思います。

私の話になってしまうのですが、この補助金申請書類の作成担当というポジションをやってみたきっかけは普段のお客様に頼まれたことでした。
「こんな補助金があるみたいで、周りに申請している人がいるから自分も申請してみたいのだけど、書類がややこしくてかけない…。ちょっと、書いてみてもらえんか。。。?」
(普段お世話になっているし、どのみち、コロナ対応のためにこのお客様のサイトの中に自社のネットショップを構築する予定だったので、そのためのお金が出るんだったらそりゃあいいよな)と軽い気持ちから引き受けました。
そしてこの後はなぜか紹介紹介が続いて、
「うちも書いてくれ」「俺も書いてくれ」
という依頼が舞い込み、普段のお客様から紹介された依頼だったこと空も断りきれず引き受けることになりました。
報酬は様々ですが、基本的には、私が広告枠の影響やwebサイト制作その他グッズ製作や製品企画に携わっているため、「補助金が通ってこのプロジェクトを進めることになったら私を使ってください〜」という感じで進めました。
通ったら新しい仕事、通らなかったら補助金申請書類作成の練習のみ、という感じです。まぁ、フリーの仕事なんてそんなノリで進めることが多いです。だからこそ気の向く仕事しか引き受けなくて済むという側面もあります。

そんなブツブツつぶやきは置いといたとして、
補助金申請代行は営業マンにとってチャンスだなぁと心から思います。
私も、フリーで動く前は会社員として働いていました。企画営業なるものをしていました。関係が築けてある程度私を贔屓していただけるようになったお客様は頼みの綱ですが、そればかりに甘えてもいられないため、常に新規営業を探します。
新規の難しさはなんといっても最初の口座開設。
これまで付き合ったことのない会社・全然知らない営業マンに対して新規で口座を開設していただけるまでになるには少しハードルがあります。
それに対して、補助金の活用は新規口座開設のハードルをすごく下げてくれると確信しています。だって、お客様にとっては自分の身銭を削る話ではないから。営業マンがネタを持ってきてくれてしかも面倒臭そうな書類作成を全部してくれて、その上で、「もしもこのお金が行政から補助されることになったら自分のところでプロジェクトを回させてください」という話なのだから、よっぽど嫌われているorよっぽど常軌を逸した企画案でない限り、断られないのではないかと思います。
もちろん、短期間の付き合いで終わってしまうのか、補助金が途絶えた後も関係を続けられるのかはまた別の問題ですが…。

そんな風に思っているので、会社員時代の私が補助金の存在を知っていたら、間違いなくいろんな補助金を調べまくってそれをネタに新規の会社へ営業をかけるだろうなと感じた次第です。自分でハンドリングしながら興味のあるネタで営業ができるんだから、結構楽しいのではないかと思います。
ちなみにフリーになった今は、それは、しません。
単純に、体がもたないから。
会社に入っていたら結局は助けてくれたり頼ったりできる人が周りにたくさんいるため、仮に自分がパンクしそうになっても本格的にお客様にご迷惑をおかけすることはありません。だから、結構無理をして手を広げたりもしました。
でも、1人でやっている今は、基本的には全部自分の管轄として業務をしているので、あんまり無理はしないようにしています。『上も下もいらない』そう思ってフリーランス になったので、自分のできること以上に行動範囲を広げる気はないからです。蛇足でした。。。



ようやく、補助金申請書類の書き方マニュアル

前置きがすごく長くなりましたが、ようやく書き方マニュアルです。
具体的には、申請書類の中でも様式2の経営計画書だけをピックアップします。コロナ特別対応型の場合、それ以外の書類はわりかし名前や住所を書くだけだったりするからです。さらに、様式2の中でも最初の方は割と名前や状況を報告するだけなので、計画の内容1.〜6.、その中でも2.〜6.の書き方に絞ります。

計画の内容2、事業概要について
この欄、毎回結構書きました。
「自分で自分の会社(私にとってはお客様の会社ですが…)のことをわかっています〜。こういう事業内容で、業界の中ではこういう立ち位置、競合他社にはこんな感じの動きがあって、その中で自分はこれを売りにしていこうと決めて事業運営しています。大切にしたいポイントはこれで、現実的な強みはこれ。強みを押し出して事業を継続することに対して、こんな懸念点が考えられている現在です。補助金が通った暁には、懸念点を払拭するために、補助金の資金でこんなことに挑戦します。」
頭の中でこの構成が出来上がったら、ダーっと書いていきました。
例えば、従業員2人の住設会社さんの時にはこんなイメージでした。「お父さんが作った会社を引き継ぎ、地元密着・顔の見える範囲でお客様から絶対的な信頼を受けてガス・水道周りをメインとして住宅設備の新設・改修工事を承っております。ネットショップの普及やDIY文化の浸透を受けて、取り替えるだけなど簡易的な工事は消費者の方がご自分でやられる動きが強くなってきました。一方で大手住設メーカーの商品開発努力でユニット型のキッチンや浴室が低価格・高品質で商品化されているので、部分的なリフォームという新しいマーケットが出来上がってきています。地域での信頼と複数種類のメーカーと取引している自分の会社は、消費者にとって、ある程度の選択の幅がありながら安心して決断ができる『ちょうどいい』町の住設会社という立ち位置をつくり出せていると考えています。一方で競合他社の動きとして、住設関連は新規参入が絶えない競争の激しい業界です。価格競争や付加価値サービスの競争が年々激化しています。弊社としては信頼できる工事会社との提携を売りにして過度な価格競争には参入せず、誠実な施工と信頼できるメンテナンス、顔の見える親近感の湧く存在という立ち位置で、低価格・新規付加価値サービスに対抗していく所存です。現在の具体的な強みは、誠実な施工をしてくれる地元工事会社とのネットワーク、既存のお客様がくださる良質な口コミだと考えています。この強みを生かして、既存顧客の改修工事や既存顧客からの紹介営業で事業を続けていきます。懸念点は、新規顧客そうの拡がりの弱さです。これまではなんとか繋いできましたが、これからは、紹介営業だけでは到達しきれないお客様への営業も実現しなければ、継続的な受注は難しいのではないかという危機感を感じています。」

意外に長くなってしまいました(=o=)、、、
あと2つくらい例を挙げたかったのですが、後々追記していくことにしたいと思います。

こんな感じでイメージが出来上がったら、これを、計画内容2.の事業概要に、できるだけ読み手が読み進めやすいようにまとめます。箇条書きにしたり、図を貼ったり、写真を貼ったり、グラフを貼ったりです。あ、あと、会社の実情が最もわかりやすく伝わるように、直近の決算の内訳も必ず貼るようにしました。内訳の分類の仕方は、例えば個人と法人で分けたり、取引業界ごとに分けたり、契約金額の規模で分けたり、と、お客様ごとにちょっと工夫しました。

計画の内容3、新型コロナウイルス感染症による影響
これはまさしく、コロナ特別対応型だからこその項目です。
新型コロナウイルスの影響は、どこの会社だって、どこの家庭だって、少なからず何かしら受けています。会社で言えば、大ダメージとして影響を受けているケースと、プラスポイントとマイナスポイントが拮抗しているケース、プラスポイントが上回っているケースとあるかと思いますので一概には言えません。
ただ新型コロナウイルスの影響で計画していたことが頓挫していることはどこにだってあるのですからそのことについて正直に書きました。「こんな計画をしていたのにこんな風に影響を受けてこうなりました」と。
影響を受けたことで、方向転換の舵を切らなくなったことを次の段落から説明することになります。

計画の内容4、今回の申請計画で取り組む事業名
これ、私は毎回最後に記入していました。
ただの癖だと思います。製品・商品の開発に携わる時も、ネーミングは1番最後。内容や物のイメージが自分の中で固まってから、最後の最後で名前をつけます。
ただ本当にここは趣味嗜好によるかと思いますので、最初に名前を掲げた方がテンションが上がる肩はまずもって名前を掲げたらいいかと思います。
一点注意が必要かなと思うのは、あくまで行政に提出する申請書類なので、面白おかしさや突飛なアイディアは評価されにくい(理解されにくい)かと思うので、わかりやすく平易な単語で説明文的にまとめた方がいいのではないかな、という点です。

計画の内容5、今回の申請計画で取り組む内容
これはもう、申請計画で取り組む内容をまとめる、それにつきます。
なんの説明にもなっていないじゃないか…となりますが、事実それしか言いようがないのではないかと感じているからです。
最初の方で触れた通り、申請書類を書き始める前に大体の内容はイメージできている状態です(そこまで持っていっています)。

今ふと思ったのですが、どうやってそれをイメージするのかについてまとめた方がいいのではないかと思いました。ただ、一介の営業・ライター?の私がそこまで偉そうにかけるのか、、、いや、求めていただけるのならば思考回路を公開します。また別のページになります。

小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型においては、必ず書いていたのは、補助事業の進め方として、何月にこれをする、何月にこれをする、…、という内容です。補助事業実施期間として申請している期間については、全て、この月にこれをします、と、記載しました。まぁ、会社勤めの営業マンが会社に提出を求められる長期営業計画書のようなものです。

計画の内容6、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取り組みの中で、本事業がもたらす効果
これもまた、考えられる効果をとにかく書く、に尽きます。
新型コロナウイルスの影響でホニャララのような想定外な市場の動きや消費者行動は当分続くと考えています。想定外な事態が続いたとしても事業を継続していけるように、こんな風な新たな挑戦に挑みます。
これが5.までで書いた内容。
これをさらっとおさらいしつつ、この補助金事業があるから、会社はこんな風に成長できると予想している。補助金事業単体として◯年間これだけの売上見込みを予測している。
といった感じで締め括ります。

おわりに

未経験ながら何本か書かせていただいた補助金申請書類(小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型))について、書き方のコツやポイントを私なりにまとめました。
読み返してみると、補助金申請書類の作成、という枠組みでは特別なコツやポイントを披露できていない、、、いや、自分自身でもそこはわかっていない可能性が高いので仕方ないか…。採択されやすい補助金申請の書き方それ自体については、私なんかよりも世の中の中小企業診断士さんが100万倍以上ノウハウを持っています。
私からお伝えできるのは、採択されやすい補助金申請書類の書き方ノウハウというよりは、自分で書く場合、もしくは、私のように日頃お世話になっているお客様から突然依頼された場合に、どこから取り組んだらいいのかという準備の流れかと思います。
すぐに書類を書き始めるのではなくて、まずは、イメージすることが大切です。
会社の強みや特徴、競合他社や業界の動向、会社が抱えている不安要素と会社の強みを生かしたチャレンジ、チャレンジでどんな効果を見込んでいて会社運営にどんな価値を付加していきたいのか。
これをざっくりと頭の中で一貫性を持ってイメージできたら、補助金申請書類作成の9割型が終わったと認識して大丈夫かなと思います。





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