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Atlatakia Letters

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主にM. CartaphilusがAtlatakia誌に寄せた文章の縮約
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#言語

食言樹

賢者の海南西部に自生する食言樹はその名の通り言葉を食う樹である。 言葉を食う──つまり近づいた者の言語中枢を侵食し廃人にする──この樹の生態については未だ研究が進んでおらず解明されていない部分が多い。そばに来た研究者を捕食してしまうためだ。知識という甘い好餌を罠に。 近隣コロニー住民からは不法廃棄された粘菌コンピュータが独自の進化を遂げたものではないかとまことしやかに囁かれている。 Cartaphilus, M. (2184).Verbivorous tree in Mar