ピアノが弾けない
幼稚園だったか、保育園だったか、とてもとても小さいときに、母がワタシにピアノを習わそうとした。バイエルの最初は、ドレドレド♫だったと思う。小さい小さいワタシは、それが弾けなかった。記憶は全然ない。先生は、激怒して、この子は全然才能が無いと云う。もう教えないと。ワタシの記憶はとても悲しいキモチだけ。
成長して小学校四年生になり、何故か自らピアノを習うと言い出した。ピアノを習うには年をとりすぎてるのは知っていた。周りは最低でも小学校一年生から習っていた。音大出のとても美しい先生、しかしすごくキツくて怖かった。何故か音階はドイツ語で言わなければならない。ピアノだけでなく、和音をひいてそれを当てなければいけなかった。しかもドイツ語で。今なら聞き分けられるけど、当時ドミソもドファラもシレソもわからなかった。先天的な才能はなかった。すごく惨め。ピアノは根性だけで弾いていたけど、ガチガチに楽譜をみないと弾けない。やっぱり才能はなかった。
中学生三年生の時、発表会で途中で止まって弾けなくなった。惨めだった。やっぱり小さいワタシに才能がないと言い放った先生は正しかったんだ。ピアノをやめた。
楽器はもう、やるまいと思ってた。いや、出来ないと思ってた。そしてそれは正しい。
とてもとても大人になってから三線を習いはじめた。死ぬほど練習すれば弾けなくはないけど、やはりガチガチに楽譜をみないと一フレーズも弾けない。ピアノの時と同じ。どんどん他の生徒に引き離れていく。気にせずボチボチやろうとは思ってたけど、どんどん弾けなくなる。
そして、何も出来なくなったワタシから音楽が去って行った。
才能もないし
何もない。
すべてが去って行った。
とにかく生きるために使います!死にたくなるなるまで、ぼちぼち生きるために。