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表現者_戸塚祥太という男

 STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)に所属する戸塚祥太という男をご存知だろうか?

 美容整形外科も認める高い顔面偏差値を武器にしない男

 「ジャニーズの隠れイケメンといえば?」でよく名前があがる戸塚祥太さんは、2012年2月1日にDVDデビューした5人組グループA.B.C-Zに所属するメンバーである。

 「隠れ」とイケメンの前に一言つく理由は、テレビなど認知度をあげるメディア媒体の露出が少ないせいもあるが、戸塚祥太さん本人が意図的にイケメンに見えないファッションを好む傾向も影響している。

 若きジョニーディップは典型的なイケメン役を避ける意思表示をし「シザーハンズ」で顔にキズを負った人造人間を演じた。映画は世界的にヒットし、ハリウッドで唯一無二の役者になった。髪型やメイクでイケメンを隠すのは、俳優として若い時の容姿の安売りをされないサバイバル手段かもしれない。

 戸塚祥太さんの10代から20代は、とにかく美しかった。しかし、デビュー直前、事務所に相談なしに丸坊主にしたり、重要な音楽番組出演の際、サラサラな髪をバンダナに包み、コメディアンチックな丸メガネをかけ、ビジュアルアピールを拒むなど、本人は美しさがコンプレックスなだった時期があったのかもしれない。

 2015年に桐谷美玲とダブル主演した「恋する♡ヴァンパイア」では、序盤ではボサボサの髪と、昭和に流行したダブルブリッジメガネのオタクビジュアルで冴えない男性を演じた。

恋する♡ヴァンパイア 劇中で変化するビュジュアル

 後半は、イケメンシンガーに様変わりをするストーリーで、アフターがカッコよくないと成立しないメソッドだが、メガネでシャツをジーパンにインするオタクが、好きな人に出会いイケメンに変化する「電車男」の山田孝之ばりの、いい感じのビフォーアフターで仕上がっている。

 また、2021年に主演した深夜ドラマ「凛子さんはシテみたい」では、イケメン社会人だが、苔とあだ名がつくほど、学生時代は陰キャラだった役を好演した。

 苔時代のビジュアルがお気に入りらしく、嬉しそうにインスタなどにその姿を投稿している。

凛子さんはシテみたい オフショット

 本ドラマでは、社会人デビューしたが、陰時代の初恋の方が忘れらず、27歳まで貞操を守っている中、美人で仕事ができるが、性的経験がない事をコンプレックスにしている27歳のヒロインと恋に落ちる役を演じた。ヒロインの高田夏帆とは9歳差だが、20代に見える顔と体を見せ、美に寄せる技術も持ち合わせのが確認できる。

凛子さんはシテみたい ヒロインの高田夏帆との公式ショット

 最近はプライムタイムの短編ドラマで犯人役を2度演じるなど、映像媒体で個性的俳優としてのキャリアは、順調に進んでいる。

 テレビやメディア媒体だけではなく、役者と生き残っていける高いポテンシャルは、事務所の育成プロセスからも伺える。

 先輩 錦織一清の背中を追い、つかこうへい作品主演し、舞台役者としての高い経験値をもつ男

 戸塚祥太さんが最も尊敬する先輩として名前をあげるのは、少年隊の錦織一清氏である。ジャニーズ事務所はダンスの指導はするが、演技指導は行っていない。代わりに有望な若手を劇作家のつかこうへい氏が演出する舞台に出演させ、アイドルタレントから役者への成長を促している。

 錦織一清氏もつかこうへい作品に多く出演し、現在は舞台演出に携わっている。戸塚祥太は「熱海殺人事件」に出演後、2014年に「出発」2015年「広島に原爆を落とす日」2016年「寝取られ宗介」と3作で主役を張っており、2024年の現在に至り毎年舞台の主演を努めている。

つかこうへい作 錦織一清 演出「寝取られ宗介」

 舞台は映画のドラマのように編集はできない。また主演は舞台上に立つ時間が長く、昼と夜の公演をこなすには、メンタル含めた体調管理が重要である。

 また主演=座長となるケースが多く、演者やスタッフをムードメーカーとなりリードするには、ポジティブな精神面も期待され、10年以上トラブルなく続けているのは、これからも舞台役者としてリードしていける十分な実力があるだろう。

 グループの楽曲作詞・作曲を担い、表現者として自己のコアを確立する男

 A.B.C-Zはツアーを毎年実施するグループであり、ツアーと同時にアルバムをリリースしている。

 レコード会社はポニーキャニオンであり、国内で活躍するアーティストと強いつながりを持っている。

 故ジャニー氏に依頼された事がきっかけで、戸塚祥太さんは作詞を始めた。シングルのカップリング曲をジャニー氏のお願いで一日で書くという無茶ぶり対応した過去があり、言葉をストックする習慣がついている。

 生涯アイドルとして貫く姿勢が垣間見れ、綺麗で前向きな言葉が使われる。2022年にリリースされた「BEST OF A.B.C-Z」に収録された「星が光っていると思っていた」では、曲中のライブパフォーマンスで「才能ってなんだと思う?」「続ける事だよ」と自問自答するフレーズは、自身の経験から生まれたものであろう。

 作詞だけではなく、ギターベースで作曲を初め、自身のソロ曲をライブで演奏し、従来用意された曲を歌い踊るアイドル領域に止まらず、表現者してエンタメ界に携わる意思を見せている。 

 自身が尊敬する作家の伊坂幸太郎の作品をタイトルにしたエッセイ集を出版し、作家としてデビューした。最近では、直木賞作家の又吉氏と対談し互いの作品や文学について語り合い、表現者に属する意思を伝えた。

フォトエッセイ集 (2018年発売)

 言葉を通じて表現をする努力は、毎日欠かさず更新する公式ブログから伝わってくる。

 ファンとの繋がりを大切にし、A.B.C-Z「戸塚田」という沼を提供する男

 一時期、戸塚祥太さんは、本人とは違う別人格が綴る日記、塚田僚一さんは塚リカちゃんという、同じく別人格の女性アイドルが綴るブログを展開していた。

「金髪筋肉塚ちゃんです!」というキャッチーなフレーズを持ち、バラエティーの露出が多いため世の中の認知度は塚田僚一さんのほうが高いであろう。

 ファンからは「戸塚田」と呼ばれる2人のやりとりが、とにかく沁みる。A.B.C-Zは5人組だが、入所時期や年齢が違うが、2人は同い年であり、他メンバーにはない一面を互いにみせる。

 公にしているエピソードは、塚田僚一さんから突然、「5万円貸して」と頼まれ、手持ちがなく、コンビニのATMでお金をおろし理由も聞かず渡す戸塚祥太さん。親友の条件は、何も聞かずに金銭の貸し借りできるとあげる人がいるが、塚田さんが必要とするなら助けるというスタンスでいるのが戸塚祥太さんだ。

 塚田僚一さんが体調不良で休んだ際は、代行で番組出演や舞台座長を引き継いだりど、公私共に支えている。ファンとて少し微笑ましいのは、塚田さんは照れ隠しなのか、心労で休んでいる塚田さんに戸塚さんが心配で電話すると「とっつーが僕に相談があって付き合ってあげた」事実を少し変えて発信する癖がある。

 戸塚さんがアクセサリーでつけるチェーンは風呂場の栓抜きを使っている。とか、戸塚さんの部屋には一万円札が落ちているから、見つけたら拾って持って帰っていいとか。塚田さんは度々、戸塚祥太という男を奇人にしたてあげようとする。

左 塚田僚一 右 戸塚祥太 

 はちゃめちゃな塚田さんを戸塚さんはスルーしつつもたまに反撃をするなど、平和な「戸塚田」ワールドを提供している。

 アイドル、役者を昇華し表現者として進む戸塚祥太さんを応援し続けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
 

 


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