【ナナシス】ナナスタ海外勢の出身を特定したかった(Tokyo 7th シスターズ Advent Calendar 2019:13日目)

 アプリゲーム「Tokyo 7th シスターズ」に関する記述です。

 この記事は「Tokyo 7th シスターズ Advent Calendar 2019」の13日目として作成いたしました。

 他の方の記事は下記リンクから閲覧できます。

https://adventar.org/calendars/4590


 カレンダーも日程折り返しといったところですが、他の方が書かれる…そして描かれる記事の内容も形態も多彩で「こんな側面からも楽しめる作品なんだ!」とナナシスについて再発見できる楽しい毎日です。
…そんな中に混じっていい記事なのか大変不安なのですが、以下本文です。

[はじめに]

 カレンダーを見ると今日は“13日の金曜日”だったり、少し下に目を向けるとクリスマスだったり。僕らは舶来ものの日付感覚の中で今を生きていることになります。同じように、僕ら支配人が当たり前の日常として受け容れつつも、実は海を越えて遠くからやってきている・・・ナナスタ所属のアイドルの中での海外出身の子たちについて今回は迫っていきたいと思います。こじつけが過ぎる?えぇ、わかっていますとも…

 ・・・とはいえ、彼女達がどこの出身であろうが、またそれに関する設定が固まっていようがなかろうが、キャラクター及びナナシスという作品の魅力が変化したり損なわれたりすることは決してありません。
 以下の記述は、「限られた情報からキャラクターや世界観について思いを馳せる」という作品鑑賞の切り口の一つについて、その経過を殴り書きしたメモだと思って斜め読みしていただければ幸いです。記事の性質上、ナナシスのアプリ内やその他エピソードに関するネタバレを多少含みますのでご注意ください。

 また、エピソードについて見落としているセリフや描写があることは容易に想像がつきますし、実際親愛度エピソードの多くは残念ながらカードを入手できていないため目を通せていません。「こういう設定や台詞があるよ」とご指摘いただければ都度追記しようと思いますので、情報提供お待ちしています。


[ナナシスのプロフィールの記載について]

 まず、ナナシスのアイドル達の中で誰が海外出身なのか、というお話。
ナナシスのアプリ内の各アイドルのプロフィールには、国内外問わず具体的な出身地の記載がありません。
 福岡から出てきたというホノカや、出身が東北であると示されているシラユキなどの例を除くと、あまり出身に関して話題として取り上げられたアイドルは数多くありません(それ故に「7th外からの刺客」と銘打たれたAXiSの印象が強烈だったと言えるかもしれません)。
 これはおそらくナナシスが2030年代という未来を舞台にしている関係上、7都市以外の行政区分に関する言及を避けるための措置としてあえて伏せてあるのではないでしょうか。それは海外に関しても同様で、具体的な国名や地域名を出さないことで私たちの生きる時代との連続性を意識させつつ、未来の世界の描写として一定の“リアルさ”を保つための「情報の意図的な隠し方」として機能しているのでしょう。
 さて話を戻すと、アイドルのプロフィールには「所属」という項目…おそらく身分(status)に相当する記載があります。ナナシスにおいてこの記述、アイドルごとに情報量にだいぶムラがあり、この比較だけでも興味深いテーマだと思います。
 今回取り上げるのはこの項目が「留学生」となっている4人です。すなわち、アレサンドラ・スース、ジェダ・ダイヤモンド、シャオ・ヘイフォン、ターシャ・ロマノフスキー。この4人の出身について、名前や台詞などの情報を手掛かりに追っていきたいと思います。

 ところで(また主題からズレますが)この4人、留学生と明示されているということは就学目的のビザで渡航しているはずで、その場合金銭の授受が発生するアイドルとなって就労すること…つまりビザの目的外使用は問題にならなかったのでしょうか?実のところ、そこがナナシス独自の設定である「特別芸能人格支援計画」の恩恵の一環だったりするのかもしれません。
 この計画についてはEP2.0_001 にてムスビが「アイドル活動をする組織について金銭面や活動の優遇をするTokyo-7th独自の法案」と言及しています。金銭面での優遇はアイドルブームが下火になったことに伴い廃止されたと述べられていますが、ここでいう「活動面の優遇」に芸能活動に関係するビザの取得要件の緩和、もしくは在留資格切り替えに関する優遇措置が含まれており、それらの項目に関しては作中の2034年現在も続いている…ということなのかもしれません。

 では、ようやく本題へ。4人それぞれについて名前やセリフから浮き彫りにできそうなことを書いていきます。


[シャオ Xiao Fei Hung]

 「シェイシェイ(謝謝)がシャオの国の言葉ではありがとう」であること(EP3.5-038参照)などのエピソード内の情報、また上掲の「春節での帰郷」というGカードの名称、イラストから、彼女は中国、少なくとも中国語圏の出身だと把握できます。まあそこを疑っている支配人はいないと思いますが。
名前についてですが、英字表記に従って漢字表記に直すとまず姓は蕭もしくは肖( 中国語にも疎いのでググってそれらしいものを当てはめた結果です)。拼音でもXiāoという表記となるため、問題なさそうです。
 一方でフェイフォンという名前に関しては当てはまる漢字の組み合わせでなかなかしっくりくる候補が見当たりません。

(黄飛鴻 - Wikipedia)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E9%A3%9B%E9%B4%BB

・・・と思ったのですが、よくよく考えたらシャオの得意な拳法に関わる娯楽の一大ジャンル、カンフー映画を語る上で題材として欠かせない方がそのままのお名前でいらっしゃいました。清末明初に黄 飛鴻(こう ひこう/ウォン・ヘイフォン)という武術家がおり、そこから採られた可能性はないでしょうか。彼を題材にした映画は数多くあり、同じ人物について描かれた映画の本数としてギネスブックにも掲載されているとか。私はジャッキー・チェンが主演した1978年の「ドランクモンキー 酔拳」あたりが大好きです。もっとも、モチーフとしただけで史実の彼からはかけ離れた描写である、というのは誰しもが認めるところなのですが…
彼の名前である飛鴻は拼音表記でFēihóng と若干ズレますが、ラテン語表記はFei-hung が主であるようで、その場合ナナシスのシャオの英字表記とも大きくは乖離しません。
 ただこうして漢字表記を推定していくと、エピソード中で自称およびほぼ皆から姓である「シャオ」と呼ばれていることが不思議になってしまうのですが、ここではこれ以上の追及はしないこととします(香港の場合、イギリス統治が長かった影響もあり名-姓の順での記述となる場合もあるようですが、その際ファーストネームとしては欧米系の通称名を名乗ることが多く、もし彼女の出身を香港として話を進めようとした場合、シャオという名前がその括りに当てはまるかの検討が別途必要になってきそうです)。


[ターシャ Tasha Romanovsky]


 時折漏れるスパシーバなどの言葉、そして初期SSやBDSカードに見られるサラファン(сарафан)や頭飾りのカコーシニク(ココシュニック、Кокошник)のことを民族衣装(民俗衣装)と呼称していることから、彼女の出身はロシアのヨーロッパサイドとみなせると思います。
 さて、名前のお話。ターシャはナターシャやアナスタシアの愛称の可能性が高く、ロマノフスキーも実在する姓ではありますが女性形ならロマノフスカヤが妥当。ターシャについては、ターシャ・テューダー氏など(由来がやはり愛称とはいえ)本名にしている例もなくはないのですが、姓についてロマノフスカヤとなっていない(女性形となっていない)のは不自然だと考えられます。2030年代にはロシア語で男女の区別をしなくなった…という文法の変遷を仮定してもいいのですが、ここではターシャや家族の事情ということにして、なぜロマノフスキーと名乗っているのか?について理由を複数考えてみました。

⑴ 支配人の名前確認不足
 本名が「ナターシャ・ロマノフスカヤ」などであるところを、初対面時に支配人から「お名前は?」と訊かれた際愛称や父の姓をそのまま返答してしまった故にこの名前にナナスタでの登録上なってしまった説。

  支配人「お名前は?」
  ターシャ「ターシャだ!」←ターシャと呼ばれているぞ、の意
  支配人「ターシャちゃんね。えぇと、名字は何ていうんだろう?」
  ターシャ「みょう、じ…?」
  支配人「なんて説明しようかなあ…そうだ、お父さんのお名前は?」
  ターシャ「パーパ? パーパは◯◯・ロマノフスキー だ!」
  支配人「わかった、ありがとう!」←ここで聞き返さなかったため、“ターシャ・ロマノフスキー”と理解してしまう

…と言った感じで回答した可能性はあるかもしれません。この場合は支配人のロシア語圏の人名への理解不足ということになるわけですが、そんな微笑ましいターシャとのやりとりがあったと考えること自体はあたたかいです。

⑵ 非ロシア語圏でのトラブル回避のため
 EP3.5-028など、常に飛び回っていて授業参観の都合をつけるのも難しいターシャの両親。Tokyo-7thでの滞在もそんなに長くはないでしょうが、もしかしたらそれ以外の国でも滞在を家族でしていたかもしれません。その際、非ロシア語圏であれば父と娘で末尾とはいえ綴りからして違う姓について理解を得られず、その国での在留申請や居住資格の取得に際し難航した経験もあったかもしれません(現行の日本でそれはあまり問題になったことはない、とはロシア語専攻の知人からの情報ですが、それは日本がロシアと地理的に近く交流が多いからかも)。そういったトラブルを回避するためにあえてロマノフスキー を名乗るようにした…という考え。ターシャの育った背景について思いを巡らせる説です。

⑶ “憧れのジェーンシチナ”
 EP2.5-028のタイトルにも含まれているキーワード。支配人に立派なレディとして認められて、名乗るにふさわしくなった時に本名と女性形の姓を名乗ろうと本人が考えている、説です。自分の意思であえて、という「その時まで待っててね」の時期を名前で示すパターンです。かわいい。

⑷ そもそも男性(???)
 ロマノフスカヤを名乗っていないんじゃない、そもそもターシャは男の子だからロマノフスキー でいいんだよ!説です。
 仕事としてじゃなさそうな男装イラストも一回出てますし・・・



[ジェダ Jedah Diamond]


 ダイヤモンド姓はユダヤ系。「銃・病原菌・鉄」などの著作で有名なジャレド・ダイヤンモンド氏等が思い浮かぶのではないでしょうか。ヒップホップに馴染みがある、等の発言をしばしばしていることと合わせ、アフリカ系アメリカ人のユダヤ教徒の家系に生まれたのかもしれないと推測できます。
 一方、ジェダのGSカード「KIMONO」のスキルに「アフリカン忍者」というものがあり、これを根拠にアフリカのいずれかの地域出身とする考えもあるようです(その場合ダイヤモンド姓との整合性を優先するならエチオピアあたりが候補に上がりそうです)が、ここでのアフリカンは出身地域というよりは自分の人種的なルーツのことを指していると考えたいと思います。
 ただ、アフリカ出身ではないと言い切るだけの根拠はなかなか得られません。GSカード「刺激的なトリック」において「私の国のハロウィンを見せてあげる」と発言しているのでハロウィンが浸透している国であることとは確かなようですが、これだけだと特定は難しいですね(日本だってハロウィンが定着していないとは言いがたい状況ですしね)。


[スース Alessandra Susu]


 支配人の皆様はご存知の通り、スースに関しては彼女が家を飛び出すきっかけの一つであったかもしれない父親の再婚問題も絡んでいる側面もあるのかそれとは無関係に渡り歩いているからなのか、出身の推定が困難なレベルで多様な文化圏の情報が取り出せます。
 この記事では彼女の出身の推定は早々に諦め、抽出できる地域について箇条書き的に述べる程度にとどめておきます。期待していた方々には申し訳ありません。

 まずは名前から。アレサンドラ、アレッシャンドラはアレクサンドロスの女性形で、イタリア等で多く使われる発音です。ここからイタリア、少なくともイタリア系であるという予想はよく行われているところです。スースの活発な性格の描写と、我々日本人のイメージする「イタリア人」像があまりかけ離れていなさそうなところもこの予想を後押ししているかもしれません。

 続いてスース(susu)について。EP2.0_004終盤にて本人から「スースは本当のママがつけてくれたニックネームみたいなもの」という発言がありますので類似例の集成にどれほどの意味があるかはわかりませんが、実在の名前としてはドクター・スースの例があります(スペルはSeussですが)。本名Theodor Seuss Geiselで、母の旧姓をミドルネームとした形。残念ながらドイツ系という以外の情報を辿ることはできませんでしたが、名称表記としてはナナシスのスースにも近いタイプですね。また、少し弱いところですが同スペルのSusuはカンボジア語で「がんばって」という意味がある模様です(ブランド名などに関する例を発見)。

 名前以外の手がかりから辿ろうとすると、紹介文の「英語が口をついて出る」は一つ大きなもののように思われるのですが、Wikipedia等を参照すると“2014年現在、58の国と21の地域が英語を公用語としている”ため、この情報が決め手となることもなさそうです。

(英語を公用語としている国の一覧 - Wikipedia)

 同じくこれも決め手にはなり得ない情報ですが、スースの所持するパスポートについて。
 スースのスカウト経緯について描かれたEP1.0-009の第2話後編で、モモカがスースのパスポートを拾うシーンが存在します。この際モモカはその冊子がパスポートだと認識できており、その上で他のナナスタメンバーの誰かのものではないか、と推測し持ち主を探しています。
 この描写は意外と重要で、モモカが「パスポートだと一見して判別している」なおかつ「日本のパスポート、もしくは形態が近い他国のもの」という情報が得られます。なぜなら、下記のWikipediaの各国パスポートリストをザッと見ていただければお分かりの通り、日本のように赤か紺をパスポートの表紙に採用する国は多くはあるものの全てではない(例えばケニアは水色、イランは紫など)ためです。
 もし今後スースに関する情報が揃えば、推測を後押しする一手として用いることができるかもしれないので頭の片隅にでも留めておきたい事項です。

List of passports - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_passports

 また、ナナシスのアルバムたる Are you ready 7th-Types?? のドラマトラックでは、サントゥールが得意楽器(イランの民族楽器)と言及され、ゲーム内イラストでも民族衣装としてアラビアンなものが多く選定されていることから中近東アジア地域には何かしらの所縁がある…と推定できるかもしれません。実際のところイラン(≒ペルシャ)とアラブは言語や人種的にも異なるグループを指すのでひとくくりにはできない上に、そもそも人目をはばからず支配人への過剰な接触を隙あらば図ってくるイメージのスース本人とこれらのイスラーム文化圏がなかなか即座には結びつかない気もするので、“スースの人生において印象的だった滞在地域” 程度の理解でいいかもしれません。

 ところで、ナナシスは公式側が出している同人誌があることは皆様もご存知かと思います。1冊目として頒布された公式同人誌“ハジマリノヒノスコシマエ Ver 8.12”には登場キャラクターについてデザイナーさんや茂木総監督の短いコメントがデザインラフとともに掲載されているのですが、そこにはスースについて“南の島から来た小さな淑女(レディ)”と発注があった、との記載が。

…スースさんや、貴女の故郷はどこなんだ…?


[おわりに]

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回、ナナスタ海外出身アイドルの出身地について推定をしようと思ったのですが、思った程に時間が取れず、結局Google先生や日英のWikipedia先生とにらめっこしただけで、ちゃんとした出典に当たれず不十分な記述と掘り下げになってしまいました。
いずれ再調査を行い、特にスースの来歴等についてはまとまった予想を示すことができればなあ…と考えています。
それではAte logo.

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