「美大に進学して絵を学ぶか、さもなければ文学について学びたいーー。」 およそ20年前、高校の進路希望では漠然とそのように考えていた。 将来への希望や自分への自信に満ち溢れていて、何一つ疑わなかった。 残念ながら、経済的な事情からあえなく希望の進路を断たれることとなった。 (その悪しき事情については、追々紡ぐこととする。) 挑戦すらしなかった私は、そう深く絶望はしなかった。 相変わらず自分への自信は失われなかったし、ある意味において切り替えが早かった。 かくして私は奨