傷つける意図は無いということ。
傷ついていないということ。
傷ついていても、構わないということ。
伝わるまで、諦めずに。

「どうしたら伝わるのかを、一緒に考えよう」

少しでも、伝えたいことに近づけるのなら、諦めずに。
その先に、正解らしいものが見つからなくてもいい。世界を変えるような一言を探したりも、しなくていい。だけど、

だけど。

君と僕が、少しでも、
君と僕の言葉が、君と僕の気持ちが、
少しでも隔たりを無くして近づくことは、

無駄なことだと思う？
無意味なことだと思う？

君と僕の間にある、
君と世界の間にある、
僕と誰かの間にある、
小さな、時には大きな隔たりを、少しでも無くして、近づくことができたら。
そのとき、何もおきていないと思う？

近づこうとして、近づくことができないとしても
近づこうとして、もっと離れてしまっても

誰にも近づけずに、何にも身を寄せられずに、孤独を感じる時、自分の孤独は温かくないだろうか？

君の孤独は、僕の孤独は、誰かを温めることがないだろうか？

もう少し歩いてみよう。
何かに近づくことができるかもしれないから。
僕たちはただ、他愛無い話を続けてゆくだけだけど。
誰かがどこかで、聞いているのかもしれないから。

温もりが伝わるまで、抱いていよう。

どこかに着くまで、あるいは景色が変わるまで、あるいは、もっと遠くまで歩いて行けると気づくまで、歩いてみよう。

もう少し話していよう。
やっぱり僕は君とだけ話していたいんだと、分かるのならばそのために。

それでもずいぶん歩いたね。
少しは前に進んだのかな。
それとも、同じ道を歩き直す時間だったかな。