2022年10月の記事一覧
「最後っていつだろう」「終わりって何だろう?」
そうだね。
君と僕の時間は、出会う前から始まって、たとえ離れることがあったとしても、きっと続いていく。
でもね、もしもずっと、ずっと一緒にいて、ずっと話を続けて、自分の言葉をすっかり話してしまうことができたとしたら。
できたとしたら、
…ううん、たぶん、君と過ごす限り、僕が君に「伝えたいこと」が終わることはないんだよ。
でも、「もう伝える必要がなくなってしまった」と、気づく時はいつか来るのかもしれない。
本当は、君は、
僕が何も話さなくても、僕の話したいことをすべてわかっているんじゃないかという気がするから、何度もためらう。
「わかっているということをわかるために話そう」って、どうして君は言ってくれるのかなあ?
「確かめるためにいっしょにいよう」って。
どうして言ってくれるの?
僕は君と話している時間が好きだ。
だから、もう少しだけ、話していよう。
何度も引き止めさせてほしいよ。
少しだけ言いたいことに近づけた気がする。
でも、全然そんなことを言いたかったんじゃなかったような気もする。
そういうものなんじゃないかな?
そうかもしれないね。
続いていくってそうなんだね。
それでも「すっかり言葉にできた」という感覚は確かにあるんだよ。
そのとき頭に浮かんだ思考、心に湧いた気持ちは本当にあって、そうして体を通って出てきた言葉が、本当にそのとき話せる言葉のすべてだったとしても。
「その先」はあるもので、でもお話する時って、どうしてか「その手前」で怖くなってしまう。
続いていくってことを信じるのは、勇気がいるよ。
君はもう、僕の話すことに、関心が無いかもしれない。
僕は、自分の言葉で伝えることに、突然飽きてしまうかもしれない。
「また話すね」って言ってそのままになってしまった言葉は、どこへ行くのかな。
でもね、「また話すね」って伝えたことでもう果たしていることもあるから、そう伝えた時の気持ちが大切で、それでいいこともあるから、心配しなくていいよ。
生まれなかった言葉は、最初から、まだ、そこには無いこともあるよ。消えてしまうわけじゃない。迷子になるわけじゃない。