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周回遅れで失礼します!「殺人者の記憶法」「羊の木」

1月のMCTTで、さっちゃんはなんださんにオススメいただいていた「殺人者の記憶法」(2017・韓国)。周回遅れでようやくラロッカ映画館で観る事が出来ました(笑)
これは、ある韓国の田舎町で起きた少女連続殺人事件に対して、もしかしたら自分がやったのではと悩むアルツハイマーの男が主人公の映画です。

それに合わせて、ラロッカ映画館での二本立ての二本目は、「羊の木」(2018.吉田大八監督)。
ある地方の小さな市の活性策として、元受刑者6人を定住させるという政策が。しかし彼らの前科は殺人や過失致死といった凶悪犯罪。そこに起こった、港での変死体事件。この政策を担当することになった市役所務めの主人公が、疑心暗鬼に陥っていくという映画です。

二本とも、もしかしたら自分が、もしかしたら彼らが、と、主人公が疑いの目を持つに従って、観ている我々の疑心暗鬼もどんどん深まっていきます。

似たような作品で思い出したのは、「怒り」(2016・李相日監督)。
劇中に登場する3人の面影の似た男たち。彼らの中の誰かが逃亡殺人犯なのですが、どの男も怪しいし、かといって犯人であって欲しくないという、こちらの感情をこれでもかと引き裂いてくる映画でした。

さて、二本目に紹介した「羊の木」の中に、あるキーワードが登場します。
それは、
「肌感覚」

町の小さなクリーニング屋に勤めることになった、一人の元受刑者。
彼が勤めるようになって、どんどん客足が減っていきます。
もちろん、彼が元受刑者であることは町の人には伏せられているのですが、「肌感覚」で分かってしまうのだろうと、彼はクリーニング屋を去ります。

しかし、その次のシーン。その「肌感覚」というキーワードが、別の意味合いをもって、ブワっと!!浮かび上がってくるのです。

我々が持つ、「肌感覚」の確かさ不確かさ。
自分がどんな「肌感覚」をもって生きているのか?
それを確認しながら、紹介した3本。そして、これから出会う映画たちを観ていくのも一つの映画体験になるのではと思います。

あ、気づいたら、全然「殺人者の記憶法」の話をしてない。。
だって、色々、言えないんだもーん。

text by ラロッカ

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