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映画にまつわる本 『共食いの博物誌』

僕は「カニバリズム」に興味があります。
そしてカニバリズムを扱った映画も好きです。

近年ですと
「RAW 少女のめざめ」
「カニバ」
「ハンニバルシリーズ」
「デリカテッセン」
などが有名ですし、ゾンビ映画もその一部と言っていいかと思います。

今回紹介する「共食いの博物誌」はその副読本としても面白い一冊です。

そもそも、人が人を食べるという行為は悪いことなのでしょうか?もちろん殺して食べるのは論外ですが、死後愛する人の体の一部を食べることは、愛の示し方として理解できます。
じゃあ人以外の動物ではどうなのでしょうか?
そう言った疑問に答えてくれる本です。

ご存知の通り、多くの動物で共食いはあります。また、人においても「カニバリズム」を文化として行なっている民族も多く存在します。例えば、狂牛病やクロイツフェルトヤコブ病が異常プリオンタンパク質を食べるために発症するということを突き止めたのは、パプアニューギニアのある種族が、クロイツフェルトヤコブ病を発症した人の肉を死後食べていたからだとアメリカ人の医師が見つけたことに由来します。
アフリカや南米の多くの民族において、カニバリズムは儀式として存在します。また中国では胎盤を食べる習慣がありますし、近年日本で流行ったプラセンタもその流れでしょう。
我々がここまで「カニバリズム」を忌避するようになった一つの原因として、西洋文明の刷り込みが大きいと著者は言います。
南米の先住民を征服するときに、彼らは「カニバリズム」を行っていたということを喧伝し、”野蛮な”種族を征服することの正当化に利用しました。
このように、カニバリズムの生物学的側面から、歴史的な話まで非常に幅広く知ることができます。
おすすめです!

by matsu

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