デュエル・マスターズをプレイしている皆さんへ
ほとんどの皆さん、はじめまして。
普段は「マジック・ザ・ギャザリング」というカードゲームのジャッジをしております、ハラと申します。
(デュエマのジャッジにもなりました。2024/11/16追記)
「マジックのジャッジが何の用じゃい」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、一旦置いておいて下さい。
はじめに
先日、知人から「デュエル・マスターズのチーム戦のCSのジャッジをしてほしい」と頼まれ、認定資格を持っていなくても良いなら、と請けることにしました。
ジャッジとして参加したそのCSで、目を疑うと言いますか、正確には耳を疑う事象に遭遇したので、皆さんのプレイ環境に対してある種の警笛を鳴らそうと思い、この記事を書くことにしました。
予め断っておきますが、特定個人を晒し上げるとか、誹謗中傷をする意図はありません。
また、文中に過激な表現も現れますが、それらは純粋に「デュエル・マスターズ」というゲームを楽しくプレイしているほとんどのプレイヤーさんにとっては関連がない話です。
今回の話の中心は「いわゆるガチ勢を取り巻く歪んだ競技的なプレイ環境」についてです。
ことの発端
それは、スイスラウンドが終了し、決勝トーナメントの1回戦が進行中に起こりました。
あるテーブルのマッチが制限時間内に終わらず、延長の1ターンずつを行っても決着が付かず、チームスコアもその時点では1-1となってしまっていたため、勝敗を付けるべく「スペシャルゲーム」の準備をしてもらっていました。
そんな最中、片方のプレイヤーが不貞腐れた態度で対戦相手や観客が目の前にいるにも関わらず、
「相手のプレイ遅すぎてターン足らんかったわ、障がいやろ。」
という旨の発言をしました。
(意訳ですが、敢えて不適切な表現をそのまま記載しています。)
自分は隣に座ってそれを聞いていましたが、正直言葉が出ませんでした。
このプレイヤーのこの発言は、ジャッジとして以前に、いち人間として看過できないものです。
確かに、決勝トーナメントでの大事な1ゲームが、ある種の運のみで決めざるを得ないシチュエーションになってしまうのは不服でしょう。もしかしたら、本当に相手のプレイは遅かったのかもしれません。
だからと言って、対戦相手に対してそのような侮辱的な発言が許されるわけではありません。
スペシャルゲームの準備を持って戻ってきたヘッドジャッジに対して、そういった旨の発言があったというのを伝えた上で、「デュエル・マスターズ・ペナルティガイドライン」に照らし合わせて、「12.2 非紳士的行為 ─重度」による「マッチの敗北」、あるいは格上げによる「失格」を出すべきだと進言しました。
ですが、当日のヘッドジャッジの判断は「12.1 非紳士的行為 ─軽度」による「警告」になりました。
「相手のプレイが遅いと感じたなら、終わった後に言わず、そう感じた時点でジャッジを呼んで見てもらうようお願いするべきだ。」と前置きをした上で、
「あなたは決して許容されない不適切な発言をした。」という旨を伝えました。
裁定を伝えている間の当該プレイヤーの態度には、反省や自責の念が感じられず、アドリブと独断でペナルティを「非紳士的行為 ─重度」にして「マッチの敗北」や「失格」を出そうとも思いましたが、このイベントのヘッドジャッジは自分ではないため、格上げの権限やゲームの敗北以上の裁定を出す権限はありませんし、ヘッドジャッジの判断を尊重し「非紳士的行為 ─軽度」による「警告」であることを伝えました。
ペナルティ発行後
マジックのジャッジを2014年からしてきていますが、プレイヤーに対してここまでの憤りを感じたことはなかったので、少しクールダウンしようとプレイエリアから距離を取って休んでいたところ、ある参加者から話しかけられました。
その参加者から、なんとお礼を言われたのです。
どういうことかと話を聞いたところ、今回の不適切な発言をしたプレイヤーは他のCS会場等でも悪評が広まっているらしく、デュエル・マスターズの大きなコミュニティに所属しているからか、そういった言動がこれまで注意されてこなかった。
見かけないジャッジがいきなり説教噛ましたので、正直驚いた、と仰っていました。
このお話を聞いて、「こういう不適切な発言を繰り返すプレイヤーが野放しにされている」というデュエル・マスターズの競技的なコミュニティが抱えている問題を感じ、それが問題であるということを皆さんに認知してもらうべく、今こうしてこのnoteを書いている次第です。
ジャッジやコミュニティリーダーの皆さんに向けて
今回のような不適切な発言を繰り返すプレイヤーのせいで、デュエル・マスターズをプレイしても楽しくないと感じてしまったプレイヤーは、もうCSには参加しなくなってしまうかも知れません。
最悪、デュエル・マスターズ自体を辞めてしまう可能性もあるでしょう。それは、デュエル・マスターズ業界全体にとって非常に損です。
もちろん、「不適切な発言を繰り返すプレイヤー」が悪いのは間違いないですが、「それを許容したり、見ないふり、聞いてないふりをする周り」も良くありません。
普段CSを開催・運営して下さっているジャッジの皆さん、そしてコミュニティを維持したり、広げていって下さっているコミュニティリーダーの皆さん、どうかプレイヤー全員が楽しくプレイできる環境というものに、目を向けて下さい。
(もちろん、ジャッジでもコミュニティリーダーでもないあなたもです。)
そしてもし、コミュニティやプレイ環境を壊すようなプレイヤーがいたなら、それを正すように促し、それもダメならそのトーナメントやコミュニティから排斥するべきです。
そんなヤツはデュエル・マスターズはもちろん、他のカードゲームもして欲しくないです。
ハラ個人の願い
デュエマは今も昔も楽しいので、みんなで楽しく遊びませんか?
対戦相手のこと、ちゃんとリスペクトしませんか?目の前の対戦相手がいないと、サガ2枚揃っても面白くも強くも無いですよ?
言った言わない、置いた置いてないみたいな揚げ足取りゲームじゃなくて、デュエル・マスターズで競いませんか?
これが、ハラ個人の願いと、今回皆さんに伝えたい想いです。
ハラ自身も、デュエル・マスターズをプレイしていた経験があります。
子供の頃にナイトやサムライのデッキを使ったり、最近でもヘブフォヒビキバトライ刃ハムカツマン蒼投げて遊んでました。
今も昔も変わらずゲームは面白いので、みんなで楽しくゲームできる環境作りをしてほしいと、外様ながら切に願うばかりです。
あとがき
気付けば非常に長い「お気持ち表明」になってしまいました。ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
さて、ここからは余談です。
なんでマジックのジャッジがデュエマのCSのジャッジしとんねん、というお話なんですが、デュエル・マスターズのペナルティガイドラインは、古いバージョンのマジックのペナルティガイドラインがコピーされている部分が数多くあるので、ほとんどの条項は同じです。
(特に、今回話題として取り上げた「非紳士的行為」の部分に至ってはほとんどの条項について一言一句同じです。)
なのでジャッジすること自体にハードルは無くて、カードやデッキ、環境を理解してしまえば自分にとっては普段のマジックのイベントとそう大差なく、今回誘って下さった知人もそれを理解してハラに声をかけたんだと勝手に思っています。
(事前にサガループやアポロヌス、火単我我我、水魔導具、5Cあたりの環境にある程度のシェアがあるデッキのカードやデッキの挙動は全部覚えて行きました。《蝕王の晩餐》型サガのループ手順のうち、《蒼神龍 ヴェール・バビロニア》を無限回処理した時の挙動は当日会場で学びました。あの時のプレイヤーさんありがとうございます。)
ちなみに、8-9年ジャッジをしてきましたが「非紳士的行為 ─ 重度」どころか「軽度」すら、ペナルティとして発行したことはありませんでした。
まさか、それをたまたま請けたデュエル・マスターズのCSで出すことになるとは思いませんでした。
それ故に、今回の件は自分にとってもかなり異常事態でした。
「もっとうまい伝え方はなかったか、もっとあのプレイヤーが反省して行動や言動を改めてくれるような言い回しはなかっただろうか。」
イベントが終わって数日経ちましたが、自分の中で反省するべき点も見つけられました。
ある意味、貴重な経験でした。
追記:
先輩ジャッジからの助言や、TwitterもといXでお見受けした皆さんのご意見ややり取りを見て、自分以外のこれからのジャッジの皆さんの頑張りもきちんと評価される世界にしたいので、投げ銭できるようにしました。
もちろん任意ですので、気が向いた方、ものすごく共感した方、ハラのことが大好きな方はお願いします。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?