エメラルドの秘密あるいは猫目石はどこへ 

「開運!なんでも鑑定団」が放映されたことで古いオモチャに価値があるということは広く知れ渡ることになりました。もちろん、それ以前から骨董のニューウェイブとして古いオモチャにコレクターがいるということは知られており、1984年にシンコーミュージックから発刊された北原照久さんの「Wonderland of Toys」3冊、雑誌「POPEYE」の1977年の特集記事などでオモチャが取り上げられるなどしていましたが、広く一般にその価値が浸透したのは「開運!なんでも鑑定団」の影響が一番強かったと思います。
 そしてその結果、オモチャを集めている人は、友人知己から必ず聞かれることになるのです。
「全部でいくらかかったの?」
「何が高いの?」
「これ、価値ある?高く売れる?」
 1990年代後半からのフィギュアブームも相まって、オモチャは資産、あるいは投機の対象としての価値を持ち始めます。これまでゴミとして捨てていたもので一攫千金を夢見る人が出てくるのも無理もない話ではあります。
 また、そうして耳目を集めたことによって、オモチャを集めることの面白さを発見した人も現れます。
 こうした流れはオモチャを集めているような人にとっては、相場が上がり、ライバルが増えるばかりで良いことは何もないように見えます。しかし、その反面、これまで出てくることのなかったものが大量に現れるといったメリットは前述のデメリットを補って余りあるものがあります。
 誤解を恐れずにいうならば、ディープなマニアにとってお金で解決できるのなら安いものだったりするのですから。
 最も相場というものがあるので「がんばれ!ロボコン」のレコードを百万円で買って! と言われても「誰かが買ってくれるといいよね。そんな人はどこにもないけど(苦笑)」という結果になるわけで。
 基本的に買い集める人の数は限られていますし、高い相場で取引されるものも絞られてはいるので、普通の人が思っているほど旨味は無いと思います。まぁゴミとして捨てるよりは、コンビニでスィート買える位のお金が手に乗って良かったね。と思って頂ければ間違いはないと思います。
 それでもごく稀に3桁万円になってしまうものもあるので侮れないのですが。

 純粋にオモチャそのもの相場自体は、保存状態、希少性、人気によって変動するのですが、現在の銀行金利に比べれば全然優秀な気もします。ただ、そこに維持保管するコストが加算されると決して儲かるものではないことはお分かり頂けると思います。いわゆるそうしたビンテージものを取り扱うショップの買取値段が安いのは、そうした在庫として抱える宿賃、メンテ&クリーニングの手間賃もかかるということは覚えておいても損はありません。

 セドリのように僅かな利益をゲーム感覚で追求するのも否定はしませんが、換金にこだわらず、好きなモノを適度につまみくらいが楽しいのではないかと思っていたりします。

 とは言っても自分の場合、好きなモノが多すぎて大変なことになってしまうのですが。





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