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とべ動物園のサルたち⑫「ムーアモンキー」

ムーアモンキー
Macaca maurus
 Moor macaque
 ケージの中で3頭のサルが座っている。その全身は真っ黒で小さいこどもは「あ、ゴリラだ!」と声をあげていた。無理もない、ちょっと見はゴリラの赤ちゃんである。このムーアモンキーもとべで日本初の人工飼育に成功した。子どもの名前は「アンギラス」彼のイメージにぴったりの名前だ。親ザルは真っ黒だが、子どもは生まれたばかりのころはきれいな肌色をしている。
 インドネシア・スラウェシ島の南西部の森林に住んでいて、その数は減少しつつある。他のサルたちに比べて、他の個体や群れに対して寛容で、優劣のついた個体でも体を寄せ合ってエサを食べていたりする。食べ物は主に果実で、葉はほとんど食べない。
 動物園ではとなりのクロザルとケージ越しによく喧嘩をしていた。その名前の通り怪獣並みの暴れ者なのか、牙は抜かれてしまっていた。
(最終回)


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