進捗報告と「ゲーム制作は(楽しいけど)めんどくさい!?」を考える
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↑作っているもの
進捗報告
引き続きグラフィックを制作~組み込むをやっています。
現在4章の6合目あたりまで来ました。
暑さも日々の忙しさも少し落ち着いたので、おそらくこれからはもう少し作業スピードも上がるんじゃないかなと思います!
とはいえ最近あまりにもダラダラやりすぎた自覚があるので、せめて年内の具体的な計画は立てておこうと思っています。
「ゲーム制作は(楽しいけど)めんどくさい!?」を考える
ゲーム制作って楽しいけどめんどくさい
この記事を読んでいただいている方の中には同じくゲーム制作者さんもいらっしゃるかと思うのですが、制作中「めんどくさい」「やる気が出ない」と感じることはないでしょうか。
私はあります。日々「楽しい」「でもめんどくさい」の繰り返しです。
私がめんどくさいと思う理由として、
工程がたくさんある(テーマ決めからシナリオ、素材制作にスクリプト……という多種多様な作業をほとんど自分ひとりでやっているので気が遠くなる)
時間がかかる(今制作中の作品は長編なので特に。完成という最終ゴールがなかなか見えないので気が遠くなる)
知識や技術が不足している作業に取り組まなければならない(現在使用しているティラノスクリプトはJavascriptなどのプログラミング知識があると表現の幅が広がりますが、私にはないので実現したいことのために調べたり実践したりして長い間四苦八苦することになる。基本わからないのでうまくいかないことも多く、気が遠くなる)
疲れている(もうこれは仕方がないので、さっさと寝るしかないよね)
というのが挙げられます。
科学的な知見を用いて考える・どういう人向けの記事?
最近、菅原洋平著『「めんどくさい」が消える脳の使い方』という、タイトルそのままの知見が得られる本を読んだので、こちらを参考にしてゲーム制作がめんどくさくなる原因や対応策を考えてみたいと思います!
制作中作品がノベルゲームなので、基本的にはそのようなジャンルの制作をベースとして書いていきます。
基本的には、作品が完成しなくて悩んでいる人や、今作品を作ることがしんどいと感じている方向けの記事です。
せっかく着手した作品、「やる気が出ない」「できない」とあきらめるのではなくて、完成させて世に出してあげられる方が増えるといいなあと思います。
そんなことを書いている私も制作中の作品が2年以上かけても一向に完成しないので、効率的に作業を進めて途中で力尽きることなく、ちゃんと世に出したいっすね……。
まずは、脳の基本的な仕様について簡単に説明
脳という臓器は基本的に省エネで動き、予測可能・慣れ親しんだ行動を優先して実行する性質を持っています。
つまり逆の「予測しづらい」「あまりやったことがない」行動は、脳にとって実行するのが難しいし、エネルギーをより多く消費してしまいます。
特に、脳は「マルチタスク」ができないので「音楽を聴きながら絵を描く」などといった同時(には行われていない)処理は、実は脳を必要以上に疲れさせ能率を下げる原因のひとつだそうです。(と知りつつも私はこれを頻繁にやってしまいますが……)
そしてその「慣れ親しんだ行動」、すなわちこれまでに自分の中に培われた文化や習慣というのは、遺伝子によって支配されているのではなく自分の力で(脳の使い方によって)変えていけることができると言われています。
ゲーム制作がめんどくさくなる原因
①「どうしたらいいのかわからないこと」がある
私が挙げた理由の3番目のような「知識や技術が不足している作業に取り組む」や、
なかなかぴったりなテーマや素材、スタッフやキャストなどが決まらない、見つからない
やるべきことが多すぎて手順に悩む
などが挙げられるでしょうか。
脳ははじめてのことや予測不能なことが多すぎると、うまく行動できなくなります。
対応策
「わかっていることやできること、やりたい作業からまず手をつける」
全部が決まっていないままでも、とりあえず作ってみる。
好きな作業から始めちゃうのもありですよね。
いろいろな制作者の方のワークフローを拝見していて、「そんな手順で作られているのか!」としょっちゅう感心するほど(例えばシナリオとグラフィックを同時進行するとか。私はシナリオができていないとグラフィック作業を進めるのは難しいので……)制作手順は人によって様々です。
まずはわかること、できること、やりたいことからとにかくやってみるのが大事です。
ゲーム制作に慣れていない方は特に!
②「義務だと感じている」かもしれない?
「作品を作らないと界隈から置いて行かれるような気持ちになる」「作ると宣言したからには、有言実行しないとがっかりされるかも」などといった、「その行為をしないと(他者によって)自分に(対処不能な)デメリットが生じる」という意識を強く持ってしまうと、脳はむしろやる気をなくします。
なぜなら脳はそのデメリットを「自分の安全を脅かす危険」と判断し、「危険が過ぎ去るまで待つモード」に入ってしまうからだそうです。
対応策
「ゲーム制作の目的を明確にする」
「どんな人に自分の作品を手に取ってもらいたいか、どういうところを楽しんでもらえそうか」や、「制作を通してどういうことをやってみたいか」などを考えて、やってみる。作品に反映していく。
「がっかりされたくない」というのは以前私が考えていたことなのですが、そのように行動の動機が他人軸優位になっていると、いろいろと見失いますし本当に動けなくなるので気をつけましょう。
自分はコントロール可能ですが、他者をはじめとする外部はコントロールできないのです。
③時間がかかることと技術がいることを一度にやろうとしている
ゲーム制作は(作品の規模やジャンルなどによりますが)多くの時間と、それなりの知識や技術が必要です。
なので短時間で複雑なことや慣れないことをしようとすると、一気に面倒になり、疲弊します。
対応策
「タスクを細かく分ける」「十分に時間を取ってやる」
少しずつでも日常的に取り組めば、脳も慣れてくるのでだんだんめんどくさくなくなります。
「早く完成させたい!」と思って焦るとむしろ能率が下がるので、ゆっくりやったほうがよいと私は思います。
それなりの作品を作るには……「急がば回れ」なんじゃ……。
番外編:理想を高く持ちすぎる
「こうでなければならない」「○○するには絶対に××が必要だ」などといった信念を持ちすぎると、手が止まります。
これは①~③の条件がすべてそろった条件といっても過言ではないので、作品が完成しなくなる一番の原因ではないかと私は思います。
対応策
「適度に妥協する」「素材を借りる、得意な人に手伝ってもらう」
例えば私は「プログラムはとりあえず動けばいいや、バグがなければいいや」の精神なので、スパゲッティコードになっていても気にしないです。(修正が必要な時に大変だということには目をつぶる)
背景のグラフィックについても、基本的には素材をお借りして、「適したものが見つからなければ、自分で撮ったそれっぽい写真をいい感じに加工して使おう。テキストで状況説明されているから問題ない」と考えています。
一方でシナリオは、扱いたいトピックについて関連書籍を読んだり人に話を聞いたりする・店やイベントなど、実際に出向いて理解を高める・お金を払って校正を第三者にお願いするなど、極限までこだわりぬいています。
このように自分がこだわりたいところを絞り、他は妥協したり他の方に手伝ってもらったりするほうが建設的かなと思います。
また、その作品で実現したいことを明確に、最小限にしておかないと収拾がつかなくなってしまうので、こだわるのもほどほどに……。
考えすぎるな、とにかく手を動かせ
毎日でなくても継続的にちょっとずつやっていけば上達しますし、いつかは完成します。
できないことがあっても自分を責めなくて大丈夫です。できたことに目を向けましょう。
完成し公開したあとのことなど、まだ起きていないことについて作っているそばから考えてはいけません。
実際にどうなるかなんて誰にもわからないからです。
できるかぎり自分のことに集中して、自分が納得できる形に落とし込みましょうね。
あれこれ書きましたが、作ることを楽しみながら自分の作品に没頭するのが一番だと私は思います!
参考文献
・菅原洋平著『「めんどくさい」が消える脳の使い方』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン、2022年
↑こちらの書籍、日常生活の具体的な「めんどくさい」に対する、すぐ実行できるアドバイス満載なので、学術的なことに興味ない方にも実用的でおすすめです。
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