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【本人訴訟シリーズ】本人訴訟で未払い残業代を請求する

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未払い残業代問題を取り上げます。自分だけの力で労働審判を起こしてブラック企業から未払い残業代を取り戻す!そのための実務的なノウハウや労働審判手続申立書など書面の作成について解説し…
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#裁判所

本人訴訟で未払い残業代を請求する(56)-答弁書を詳解する5【相手方の主張】

第48回、第49回、第51回、第53回のnoteで、労働審判での相手方が作成・提出する答弁書について解説してきました。今回のnoteでは、答弁書の最後の部分、「第3 相手方の主張」について解説したいと思います。 おさらいですが、答弁書は次の三部構成となっています。 第1 申立ての趣旨に対する答弁 第2 申立ての理由に対する認否 第3 相手方の主張 まず『第1 申立ての趣旨に対する答弁』では、申立人の「〇〇を請求する」という「申立ての趣旨」に対して定型句「申立人の請求を棄

本人訴訟って特別?

今回は本人訴訟について書きたいと思います。 民事訴訟では、弁護士を代理人に選任しないまま、原告でも被告でも当事者みずからが第一審から最高裁まで裁判を受けることができます。これを本人訴訟といいます。日本の民事訴訟法は弁護士強制主義を採用していませんので、本人訴訟が可能なのです。 本人訴訟も弁護士を代理人に付けた訴訟もどちらも同じ訴訟です。本人訴訟だからと言って裁判所の対応が変わることはありません。ネットで、「裁判官は、弁護士が代理人として付く側の主張を採用する傾向にある」と

本人訴訟のすすめ!

労働者なら、法律で定められた一日の労働時間は8時間。8時間を超えて仕事をすると、超過分は時間外労働になります。時間外労働をすると、労働基準法にしたがって割増賃金(残業代)が支払われなければなりません。 しかし、残業代がきちんと支払われているかと言えば、多くの会社ではけっしてそうではないかもしれません。時間外労働をしたことを会社に申告できない・・。申告しても会社が払ってくれない・・。固定残業代のみ支払われている・・。課長職なので残業代をもらう権利がない・・。未払い残業代の発生