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変わる「病院」の役割

私は訪問看護師として仕事をしています。
最近、病院やクリニックの役割は変わってきているな、と感じています。

私は、病院勤務が長かったので、治療をするなら、早い時期に。症状は軽いうちに治療をしたほうが、回復は早いし、「治癒」までもっていける。治癒、とはダメージが残らない、後遺症がほぼない状態です。
早い方が医療費としても負担は少ない。
なので、早めに受診することが「良い」という考えでした。

しかし、昨年から、世の中の状況は急に変わりました。軽症は自宅療養。「いよいよ、厳しい」状況まで、入院はしない。
これは特定の感染症に限らず、急性期医療を担当する医療機関はそんな風にシフトしているのではないでしょうか。

私は
札幌市在住なので、他の地域の事情はわかりません。
ただ、「入院対応してほしい」という人が、入院にならない例は増えてると感じてないます。

「いよいよ、厳しい」状況でなければ、入院対応にならない、ならば、その自宅療養を、どう過ごすか。支援が必要な時は、誰が、どうやって支援していくか、が課題です。

【クリニックに頑張ってほしい事】
軽症のうちにしっかりと治す。これは使命と感じます。
病気の多くは生活習慣に関係あります。多くの薬剤は症状の緩和にはなりますが、根本治療までは届かないので、外来では、この受診をきっかけに健康になってもらえるような関わりをしてほしいです。病気に負けない身体作りを意識してもらいたい。クリニックの先生方、看護師は地域の「健康課題」に深く関われる立ち位置です。ぜひお願いしたいです。
再来のリモート診察でこのような事はできないでしょうか。

【重症化しそう、でもすぐ入院できない】
クリニックの先生方は、ここ1年くらい、紹介しても入院を受けてくれない」を
体験していると思います。
外来だけで対応できないなら、訪問看護師の利用もひとつの方法です、医療保険ならば訪問看護ステーションに直接ご依頼いただいても対応可能です。(ただし、料金は通院、入院よりも高いです。)

【そして、自分でできること「予防」と「回復に役立つ療養法」について伝える】

SNSで発信している先生方は増えています。先生がご自身で診ている患者さんたちに、役立つような情報発信は地域とのコミュニケーションにもなると思います。外来ナースも、日々来院者を観ていて感じることなどを発信していただいたらいいな、と思います。

今年の夏
札幌は例年にない暑さでした。体調を崩さず過ごされた方は、熱中症に対する「備え」がありました。知識と物品(冷却や水分補給のためのもの)のある人達です。
特定の感染症に限らず、体調を崩して買い物ができなくなったり、家の中でも思うように家事ができなかったり、という事が起こります。数日間、家から出ずに過ごせる備え。これは災害対策にも似ているように感じます。

具合が悪い時はなるべく早く病院へ、というのはもう常識ではない。
軽いうちはなんとか自力で回復を目指す。
ある程度の症状でも入院はせずに自宅で過ごす。
病院に入院は「いよいよ」の状態。
そんな風に感じています。


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