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天職など無い!とにかく動こう~パスカル「パンセ」から学ぶ人生の選択術1

パスカルは、17世紀を代表する哲学者であり、「人間は考える葦である」とのフレーズで有名な人物です。パスカルの定理など数学者であることでも有名です。

パスカルと聞くと、何かとても難しい本ではないかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、現代社会の悩みで応用できる思考法が満載です。まずは、簡単に読み解いていきましょう。

就職や転職での悩みについて

現代社会で、「就職が決まったけど、本当に向いている仕事かどうかわからない」といった悩みや転職するにも「自分の天職が分からない」といった自問自答を繰り返している人も多いのではないでしょうか。

その一つの答え(考え方)として、パンセでは、

職業は、偶然によって選ばれる」と説いています。偶然ってまじか・・と思うかもしれませんが、確かに何か運命的なものに出会う!といった瞬間はあまり多くはなく、知り合いに勧められたからとか、自分の両親と同じ職業だからとか、偶然による選択をしていることもありますよね。また、「習慣(環境)が職業(職人)を作る」ともいっています。

パンセ引用:「一生のうちでいちばん大事なことは、職業の選択である。ところが、偶然がそれを左右するのだ。習慣が石工を、兵士を、屋根ふき職人を作るのだ」(P70)

そして、「人間はあらゆる職業に向いているけれども、唯一向いていないことがあるとすれば、部屋の中でじっとしていることだけである」とも指摘しています。これは、私は身に覚えがありすぎて、妙に納得感がありました。皆さんは、いかがでしょうか。

パンセ引用:人間は、屋根ふき職人だろうとなんだろうと、生まれつき、あらゆる職業に向いている。向いていないのは、部屋の中でじっとしていることだけだ

つまり、どんな仕事であっても、「忙しいことが一番大事」ということのようです。静止=死ということなので、人間は、動にあることで安心するということがベースとしてあるようです。「まず動きなさい」とパンセから後押しされている気がします。

・選択の苦悩について

人間は、選択肢が無かった時代と無限に選択肢がある場合で、悩みは当然違い、選択肢があることは幸福なことでありつつも、同時に不幸への扉でもあるとパンセは書き記しています。選択肢が多いということは、「どうすべきか」また、「このほうが良かったのか、はたまた、あの方法がよかったのか」と答えの無いことをあれこれ考えてしまうからです。また、選択肢が多いことは、隣人や友人にも同じ条件が与えられており、「友人は有名大学に入ったのに私は・・」、「同僚は昇進したのに私は・・」と常に自分の選択肢が正しかったのか、もっと別な選択肢があったのか悩み続けます。ただ、パンセから学べる大事なことは、「選択肢が与えられた世界では、一生悩みから解放されることは無い」ということを認識することで、それは即ち、「悩むことは自然なことである」と認識すればよいのだと思います。こう考えると、今悩みを諸々持っている現実に対し、これで良いのだと思えて、少しほっとしませんか。

パンセ引用:わたしたちがどんな状態にいても、自然はわたしたちを不幸にするものである。わたしたちの願望が、もっと幸福な状態というものをわたしたちの心に描き出してみせるからだ。その願望は、わたしたちがいまいる状態に、わたしたちがいない状態の快楽を結びつける。そして、わたしたちは、その快楽に到達したとしても、そのために幸福になるということは決してない。わたしたちは、その新しい状態にふさわしい別の願望を持つに至るからだ。


Machi'sポイント(まとめ)

・人間は、生まれながらどんな仕事にも向いており、習慣が職業を選び、職業は偶然によって選択される。

→まずは「与えられた環境で一生懸命やってみる」そして、生活や思考の習慣を見直し、人脈を広げたり、趣味を広げたりしながら、習慣による偶発的な「職業の選択のチャンス」を広げていくと良いのかもしれません。

・部屋の中でじっとすることが向いていない人間にとって、「まず動くこと」が大事 

→自信を無くす辛いことがあると外に出ることが億劫になり、家にひ引きこもりがちになってしまいますが、十分に充電したら、どんな小さいことからでも「動いてみる」を実践してみましう。                         

・飢えが無い世界では、自我の使い方の選択肢が増える。

→選択肢が増えることは幸福なことでもあるが、同時に「どのようにすべきか」の選択の苦悩に苛まれる。現実と願望の追いかけっこは続くもので、「悩み」は一生消えないと理解することが大事


いかがでしたか。なんだか、どんな職業でも向いているといわれてもピンと来ないという方も多いと思います。「パンセ」は4回に分けて記載していきますね。ここまでお読みくださった皆さん、本当にありがとうございました。また、次週パンセ2をお届けします。良い一日をお過ごしくださいね

^^

※パンセの文庫本は、とても厚いですが、パンセは、ストーリーがあるものではなく、短章からなる思考メモですので、「どこかでも気になる部分を読む」ことがおすすめです。気追わずに手に取ってみても良いかもしれません。



嬉しいです^^ 美味しいコーヒーと一緒に今後の医療談義をしたいなと思います。