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HC-20の修理マイクロカセットドライブ編

そもそもカセットデッキを持っていない方もいらっしゃるかと思うので参考程度にご覧ください。

せっかくカセットデッキがあって直せそうな程度のものならばチェレンジして見たいというのは当然のことですよね。
ということで私が試したことを書いていきます。

マイクロカセットデッキ

メンテナンスの方向性ですが


一応こんな感じで進めていきます。
・キャパシタ交換とリフロー
 液漏れ対策とハンダの酸化対策ですね。
 液漏れしていた場合は状態によって基板の洗浄、再配線も行います。
 ※今回の個体は特に問題ありませんのでキャパシタ交換のみです
・ベルト交換
・モーターチェック
 モーターは2箇所あります
 ・キャプスタンモーター
   テープ送り用のモーターです
 ・ヘッドモーター
   ヘッドやプーリーの上げ下げに使用するモーターです
・グリスアップ
 駆動部品が多いのでやっておいて損はないです

何はともあれ開けて見ます

裏蓋を開けたところ

このサイズにカセットを納める必要があったためか
表面実装部品がふんだんに使用されています。
当時のことなので表面実装部品の方が高かったと思いますがそういう意味では本体よりも気を使って作られた印象がありますね。

ではネジなどの位置解説です

ネジの位置とハンダ除去位置

ネジは1番から6番までですのでそれぞれドライバーで外しますが注意すべきことがあります。
ネジを外す際はドライブを傾けないようにしましょう。
2番と3番のネジに小さなワッシャがついているためなくすと泣くに泣けない感じになります。
また同じように2番3番の後ろにはスペーサーが入っていて挟んであるだけなので傾けるとどこにあったものかわからなくなります。
外す際は気をつけましょう。
また7番については半田吸い取り機で吸い取ってハンダを除去しておかないと基板を外すことはできません。

実は下の方にもケーブルは繋がっていますが
7番を外すことでシェルオープンすることができます。
はい開いた!ぱっかーん!

パカっと開いたところ

画面下の2つのセラミックキャパシタが泣かせるぜ


というやつですね。製造ラインに乗っかった後に「あ!やべ!!」と言っていたに違いありません。
そんな当時は笑えなかったであろう事情を想像しながらメンテナンスしていきます。

まずは左下のアルミ電解キャパシタから交換していきます
もちろん小型部品である必要があるので間違って普通サイズにしないようにしましょう。

キャパシタ3兄弟

容量は左から

16V 47uF
50V 2.2uF
6.3V 100uF
となっています。
そして当然のように液漏れしてしまっていると思いますのでハンダの酸化に注意しながら取り外して清掃を行います。
交換する前に基板の断線などないかをチェックしておきましょう。
余裕があれば画面奥のZD3〜5などと書いてあるツェナーダイオードもショートしていないかチェックすると安心です。
その他ハンダの気になる部分があれば積極的に半田しなおしましょう。
酸化した部分はできるだけ除去するに越したことはありません。
本体と違って次に開けるタイミングがそうそうない部品ですからここでちゃんとしておきたいです。

次はベルト交換をしていきます

ベルトについては直径50mm、太さ1mm以下のものを使用してください。

ベルト交換

ベルトについては巻いてあるだけなので問題ないかと思いますがねじったりしないように気をつけてください。

交換前のゴム

ちなみに交換前のゴムはそのままの形で出てきました。
ゴムを付け替えたところでモーターのチェックをしていきます。

モーターチェックのやり方

と言っても単純に5Vを印加するだけです。
安定化電源によって印加できる最小値で行います。
またモーターに直接印加するのは一瞬ですので本当に動作するかだけにとどめておきましょう。
モーターにだけ印加して回ることを確認できたらOKです。
モーターが死んでいた場合は・・・もう多分ないんでしょうね。
予備機があれば部品どりするか似たような小さめのモーターで回転数をコントロールするギアをつけるかして組んでいくんだと思います。

ただこれはどうしてもこのデッキでカセットを読みたい人向けなのでもし動かなくても大丈夫です。
HC-20はシリアル通信でプログラムをロードできますので心配はいりません。

グリスアップは特に気になるところ

例えばヘッドとか駆動部分にほんの少し付けておきます。
もちろんですが古いグリスは除去してから塗布しましょう。

ここまで来ればあとは元に戻して

BASICからWINDコマンドなりCTRL+PF1でカセット制御モードになってからPFキーを押せば他の故障がなければ動くはずですのでやって見てください。

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